林博之のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「言いたくても言えない」はなぜ起こるのか?
林博之
日本能率協会マネジメントセンター
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・非言語コミュニケーション:言葉が出る前に、身体がやり取りしている情報
・身体の反応:緊張したときに、なぜ声や動きが止まるのか
・安心と不安が行動に与える影響:「大丈夫そうな場」と「危険そうな場」で、体がどう切り替わるのか
・即興(インプロ)がもつ回復の力:完璧でなくても、反応を止めずにいられる状態を取り戻す方法
声のトーン
話すスピード
間の取り方
表情
視線
姿勢
身体は自然と「警戒モード」
危険を感じて、すぐ動けるように身体が緊張している状態のことです
この反応が「弱さ」や「未熟さ」ではない
「警戒モード」「Frieze(凍りつき)」そして「自己検閲」
①見極めのためのFrieze
戦うや逃げるに入る前に起きる、見極めのための一時停止
②守りのためのFrieze
防御としての停止
これ以上動かないことで身を守る
身体はとても真剣に環境をスキャンしている
ここは安全か、出ていっても大丈夫か、今、動くと不利にならないか
単独で見れば取るに足らない変化かもしれません。
しかし、身体はそれらを個別には受け取りません。総合的な「空気の変化」として受け取ります
非言語メッセージの五分類
・表象動作(エンブレム)ジェスチャー
・例示動作(イラストレーター)
・感情表出動作(アフェクトディスプレイ)
・言語調整動作(レギュレーター)
・適応動作(アダプター)
声のトーンが柔らかい
視線がこちらをとらえたまま外れにくい
うなずきや相づちがあり、受容の手がかりがある
反応までの間が自然で、詰められている感じがしない
沈黙が圧ではなく、待っている感じとして残る
非言語的安全感がある場では、身体は小さな逃げ道を感じられます
一言だけ補足できる
少し考えてから話せる
間違えても修正できる
途中で戻りかけることが許される感覚
未来予測 自己検閲
何度も吟味 まだ足りない まだ弱い 今出すと危険
自意識が膨らむ 身体が未来の危険を強く予測 認知が言わない方が安全と判断を補強
自意識の高まりが、自己検閲という認知プロセスを過剰に働かせる
上司が欲しいのは完璧な結論ではなく、判断のための素材
心理的安全性と即興性をめぐる対話
安全だから話せるのか、話せるから安全が育つのか
途中の、不完全な発言が循環を動かし始める
最小単位
うなずく
短い相づちを入れる
確認だけを一言で出す
考えがまとまっていなくても、途中のまま出す
安全だから動けるのか。それとも、動いた経験が安全を育てるのか
反応性 止まり切らない身体 反応性が回復する身体の循環モデル
①小さな動き
②排除されない経験
③身体の緩み
④安全感の生成
①へ
安全とは、身体の危険予測が更新されていくプロセス
問いとして出す→確認ですが
途中経過として出す→今の話を聞いていて思うのは
違和感のレベルで出す→ちょっとだけ気になったのは
正しさを確定させない
完成度を求めすぎない
評価の重みを一旦脇に置く
分からないときに、分からないと言える
違和感を、違和感のまま置ける
未完成の考えを、途中経過として出せる
質問が出るということは、興味を持ってもらえた証拠なんです。だから、どんな質問でもいいから、まず一つ出してほしいんですよね
ズレが早く扱われると
違和感が早めに出る
誤解が小さいうちに修正される
あとから問題になる」ことが減る
という変化。
小さな反応が許される場では、ズレはその都度、軽く処理されていきます
無駄な緊張が減る
感情の爆発が起きにくくなる
関係性がこじれにくくなる
反応性を取り戻すための小さな実践
①3秒返し
正しい返答である必要はありません。重要なのは、考える前に、反応を返すこと
Friezeを解除し、「反応しても大丈夫」という感覚を体に思い出させます
②1語Yes、And
評価や正解を探す前に、反応を続ける感覚を体に取り戻す
③表情だけの会話
自分自身に、安全な表情を向ける
身体が「安全なサイン」を受け取ることで、緊張や硬直が緩みやすくなります
④10秒ストーリ
タイマーを10秒にセットし、10秒間で、どんな話でも必ず終わらせます
完璧主義を緩め、「途中でも出していい」という身体感覚を育てます
⑤身体ファーストのYes
身体→言葉の順で動く
認知が止まっていても、身体から反応を始められる回路をつくります
セルフ・インプロの変化
頭より先に身体が少し動く
出しても大丈夫だった経験が蓄積する
確定しなくていい」という余白が広がる
本番でも止まり切らなくなる
巨人の肩に乗る
「癒し」と「照らし」
癒すとは、誰かを甘やかすことでも、慰めることでもありません。止まっていた身体が、「もう大丈夫かもしれない」と、ほんのわずかに緩む、その瞬間のこと
照らすとは、正解を与えることではありません。何が起きていたのかを、あとから静かに見渡せるようになることです、あのとき言えなかった自分を、責めるのではなく、理解できるようになること -
Posted by ブクログ
研修終了後「今日の研修はよかったね。みん前向きにたくさん発言していたし、ワークも積極的に取り組んでた」「○○さんの話し方すごく聞き取りやすかったよ」と、研修担当者同士で褒めあっている光景が、僕には気持ち悪い。
僕は根がネガティブ思考のせいもあるが、研修直後は「本当に伝えたかったことが正しく伝わっただろうか」「職場に帰って明日から実践してくれるだろうか」と不安になる。
研修で一時的に熱量が上がっても、一晩寝たらなにもなかったかのように、なにも変わらぬ日常が流れる。
果たして、研修に意味はあるのだろうか。
僕は人材育成に携わりながら、いつもこの疑問が頭の中を旋回していた。
この本は、僕の長年の疑問に一筋の光を当ててくれた。「研修評価」つまり「研修は何のためにあるのか」を数字(定量)と物語(定性)で表そうという試み。
研修の目的は、研修転移(学んだことを仕事に活かす)である。
できることなら、「研修によって会社の業績(成果)にインパクトを与えた」という証明をしたいところだが、業績には研修以外にも多くの要素が複雑に絡み合うため、立証は非常に難しい。
著者はアカデミックな研究にはこだわらず、その手前の研修転移(行動)に焦点を当てよ。と説く。
従来の研修アンケートで評価していたのは「反応」と「学習」のみである。
・講師の話や資料は分かりやすかったですか?
・今日、あなたが学んだことは何ですか?
それに対して、研修転移を評価するためのアンケートでは、このように問う。
・この研修はあなたの仕事に関連していると思いますか?
・あなたの仕事に役立つと思いますか?
・学んだことを、あなたの仕事で活用できると思いますか?
つまり、研修が面白かったとか、新たな学びがあったという、反応や学習の評価ではなく、研修転移のイメージができたかを問い、研修を評価するのである。
アンケートの自由記述欄によくこんなコメントがある。
「講師の話に引き込まれ、新たな学びがありました。自分の職場はまだそのレベルに達していませんが、いつかやってみたいと思いました。」
このコメントについて、反応や学習レベルで評価するなら「前向きで良いコメントがついたから、今回の研修は成功」となる。
しかし、研修転移の観点で評価すると「受講者の行動を変えるには至らなかった。受講者と内容のミスマッチ」となる。
当然のことながら、研修担当者は「研修は大成功でした」と経営者に報告したい。そのため、自分たちにとって都合がいい、反応・学習レベルの評価を採用する。そもそも行動に関しては、自分たちの領域ではないと考えている研修担当者も多い。
僕が「気持ち悪い」と感じる原因はそこだった。
研修後の反応にのみ関心を示し、その後の行動や行動によって生み出される成果に対しては、無関心な担当者の態度が許せないのだ。
会社はそれぞれが専門性を発揮し、一つの大きな目的や夢に向かって、力を結集させる集団であるはずなのに、“研修は研修”と部分最適で満足する姿勢に違和感がある。
介護事業では、たくさんの研修が義務付けられている。義務化された研修以外にもたくさんの研修が日々開催されている。
いま一度「研修は何のために行うのか」という問いに立ち返り、本当に意味のある研修、人材育成について、話し合ってみたくなった。 -
購入済み
研修評価の良書
今までの研修評価の常識を覆し、モヤモヤと気になっていたことをズバリと言い当てられたようで心に刺さるポイントがたくさん。
途中についていたアンケート例はそのまま使えるような設問で実務に非常に参考になる。明日から、すぐにでも現場で使いたくなる知恵が詰まった一冊。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2021年以降リモートワークは当たり前となった感がある。そんな中で社員教育、特に自立型人材を育てるということを目的にした場合の学び方としてOJTを中心に論じたのがこの本である。
この書籍からもいくつかの学びがあるが、1人が教えるを手放し、複数の人から教えるということが提唱されている。会社では全ての人が教えるプロではなく、かつそれぞれ異なる側面から仕事に向き合っている。其の点ではこの考え方は大事である。
以下の3つについては、講師業を営む者としては覚えておきたい。
ティーチング:丁寧に教える、実演・説明、初心者向け
スキャフォルディング:足場をかける、手助け・ヒント、手離れを促したい相手向け
コーチング:相手から引き出す、質問・傾聴、ベテラン向け