田山花袋のレビュー一覧

  • 東京震災記

    Posted by ブクログ

     田山花袋は『蒲団』で有名だが、読んだこともない。

     たまたま、題名で購入。

     当時は、小説家がノンフィクション作家も兼ねていたので、関東大震災の雰囲気がよくわかる。

    (1)関東大震災の避難先として福島など東北に多数の避難民が殺到した。(p154)

     当時は、東北の出身者が実家に避難したということだが、時代の巡り合わせを感じる。今度は東京が東北を支えないといけないと思う。

    (2)大杉事件について「私はつとめてそれに対して意見がましいことを言うのを避けた。」(p217)

     当時のなんとなく、うしろめたい雰囲気が伝わってくる。

    (3)「不逞鮮人」の表現は、p150,p193,p224の3カ所にでてくる。

     努めて抑制的に書かれている感じがする。

     そのほか、イニシャルで書かれている人名がおおいのがちょっと不思議。検閲?それとも当時の風潮か?

     こういう、なんとなく、文学作品として現場の雰囲気を語るものが今回の震災でもこれからでてくるかもしれないと思う。

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    2012年01月14日