吉田恭子のレビュー一覧

  • ザ・サークル

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    主人公メイが最初のうちは戸惑いながら、徐々に盲目になっていく様子が恐ろしかった。第二部の最後でなんだ、ここまで盛り上げて陳腐なラストか、と思ったけど最後まで読んで唸らされた。この物語が終わったあとの世界がどうなるなか気になる。
    (映画は見ていないのですが、キャスティングは知っていたので主人公エマ・ワトソンで再生していたから余計に結末が意外だった。と思ったらやっぱり映画版は結末が違う模様。そりゃ陳腐になるわなぁ。)

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    2025年01月18日
  • ザ・サークル

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    ネタバレ

    とにかく面白かった。500ページ超の本を一気に読んだ。
    実在するIT企業を髣髴をさせる現実的な設定が特に面白かった。
    あと10年もすれば全て実現できるのでは?と思わせる
    妙にリアルな近未来の世界がぞわぞわと心に迫ってくる。

    便利にすること、だれにでも分かりやすくすること、正直で公平であること。
    そこから始まったことが段々と常軌を逸していく。

    スタートが「善」だと、そこに異議を唱えるのは難しい。
    中庸というのは本当に難しいのだと改めて思った。

    このシステムは本当に便利だ、だれにでも無料で使えるようにするべきだと思うシステムもあった。けれど、その裏には常に危うさが付きまとう。
    オンラインが実

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    2015年03月11日
  • ザ・サークル

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    現代の1984。舞台はサークルという「C」のロゴを持つIT企業。疑いようもなくモデルはGoogleであり、世界は知らず知らずのうちに情報を管理され、プライバシーはなくなり、監視のもとに晒される。「C」の穴が閉じるとき、サークルは完全な円になる。

    ここでは、SNSのニコマークを得るのに中毒になっている人間や、知る権利の正義を信じてハードワークをこなす人間がたくさん出てくるが、それらは全て私たちの生き写しだ。私たち一人ひとりは罪のない一般人だし、影響力もないし、そんなに悪い人でもない。ただその無意識の盲信が集団で持つ力はあまりに大きすぎる。

    知る権利は確かにあるところまで正義だろう。性犯罪をな

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    2015年03月08日
  • ザ・サークル

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    「すごい、ここは天国だ」という書き出しで始まる、現代ディストピア小説。かつてのディストピア小説は共産主義国をモデルにしていたわけだが、この現代ディストピア小説のモデルは言うまでもなく Google で、誰もが内心気がついている恐怖感を具現化した。そして、これが壮大なパロディとなるか、黙示録となるかは、まだ誰にも判らない。

    Dave Eggers は現代アメリカを代表する作家で、この "The Circle" も New York Times bestseller #1。本当は原著で読もうと思っていたのだが、面白そうだったので翻訳でサッサと読んでしまった。

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    2018年07月15日
  • ザ・サークル

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    繋がること、シェアすることが加速していくと、こんな絶望的な世界になってしまうのかと思うととても怖い。こんなこと起こらないだろう、と笑えない今があるからこそ。
    ブラックユーモアの極地、デストピア小説という言葉にも納得がいった。

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    2017年04月24日
  • ザ・サークル

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    ますます進化するIT化、ソーシャル化。
    「いいね」押していい気分に。「いいね」押されていい気分に。

    会社の資料はすべて共有フォルダへ。メールは全員へ返信で。
    CCには知らない部署の人の名前までずらっと並ぶ。

    すべてオープン、それが「善」となんとく思うようになり、
    すべてを透明化することで社会が一歩前進すると信じていた。(少し前の頃)

    透明化によって、貧富・優劣の差はなくなり、手助けし合える“素敵な”社会が生まれても、
    なんか居心地の悪さも感じる。個性もいつの間にか失われている気がする。
    そんな「違和感」が脳裏をよぎる人もちょいちょい出てきたが、世間の“ムード”には抗えない。(ここが今)

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    2017年03月21日
  • ザ・サークル

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    誰もが知っている検索大手のあの会社っぽい架空の会社「サークル」が舞台。そこに中途入社した若い女性が主人公の話。普段何も考えずに利用しているIT技術の数々、ソーシャル系のツール類が「社会を良くしたい」という私企業によって統合され、個人情報が丸裸になってしまった場合、行き着く先はどんな社会かを垣間見れる。企業に情報が集中してしまうこと対する警告とも読み取れるが、政府がやっている個人情報の透明化施策にも同様の恐怖を感じた。

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    2017年03月02日
  • ザ・サークル

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    ネタバレ

    2017年映画が来るということで先読み。まぁおもしろかったのだが、スピーディーなテンポがまるで映画向き。読書としては少々疲れます。原文がそうなのかどうか未確認とした上で、日本語版はけっこう読みづらかった。古式ゆかしい文学ではなく、そのスタイルでさえ情報の海の中心である“サークル”的な表現なのだとすれば、ふさわしい訳文と言うべきか。
    Facebookなどソーシャルメディアとのつきあい方を見直したい人や違和感を明文化しておきたい人(大なり小なりきっと誰もがそうだと思うのだけれど?)は読んでみるといいかも。確かに「嘘やヒミツがなければその場面で争いや憎み合いにならないのに」と思うことはある。でもヒミ

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    2017年02月15日
  • ザ・サークル

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    全てのものがIoT化されたときに起きるものは。最後があっけない。続編が出るのかもしれない。読むのに意外と時間がかかった。

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    2017年01月09日
  • ザ・サークル

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    ネタバレ

    なんという恐怖小説。グロでもオカルトでもないのに。
    訳者はあとがきで「にやりとさせられたり膝を打ちたくなったりするようなエピソード満載」と書いているが、笑えるどころではない。最高に恐ろしくて気持ちが悪かった。
    もちろんそれはこの小説が面白くないという意味ではなく、SNS疲れを感じている人や、逆に所謂ツイ廃の自覚がある人に読んだ感想を聞いてみたい。

    恐怖と気持ち悪さの要因は2つ。強制コミュニケーションとファシズム的情報管理。

    1部では、見聞きした情報や映像を含む自分の全ての情報を同じ「サークル」の社員たちと共有するのが当たり前であり、毎日膨大なメッセージを交わし合うのがコミュニケーションであ

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    2015年09月06日
  • ザ・サークル

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    秘密は嘘
    分かち合いは思いやり
    プライバシーは盗み

    すべてを人に見られている生活を拒むことのできないことの悲劇がある。

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    2015年03月31日
  • ザ・サークル

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    この物語のようなことは既に現実に起こっている。ばかばかしいと思っても世の中の仕組みから逃れられなくなっていく

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    2018年11月04日
  • 王様のためのホログラム

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    自分が中年になったとき、こんな風に全く別の文化圏で流れに身を任せることが出来るか想像してみました。きっとアランほど自分を客観視出来ないだろうなと思います。そっちの方向でハッピーになっちゃうんだ!と予想外でしたが、そういう形の決断もあるし、どこでどういう風に幸せと出会うかなんてわからないものなのですね。
    個人的に読みづらかったので★は3です。映画も観てみたいと思いました。

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    2018年05月15日
  • 王様のためのホログラム

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    ネタバレ

    トムハンクス主演の映画を見ました。ムスリムの女性となかよくなりたいという映画だった。黄金の弾ってのはわかんなかったけど勉強してみよう。

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    2017年02月25日
  • ザ・サークル

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    ネタバレ

    SNSをカリカチュアライズしたような小説で、Facebookなどを一生懸命やっているのであれば面白く読めるのかもしれない。

    冴えない地方公務員であったメイは知人のつてで人も羨む最先端企業サークル(グーグル?)に転職する。「起こったことは全て知らされるべし」の原則のもと、メイはSNSに没頭して社内でのパーティーランクを上げ、プライベートでも謎の男性カルデンとの関係を深めていく。サークルの新たな社是である透明化(常にカメラを装着してプライベートの全てを公開する)にもいの一番に志願し、世界の全てを透明化し選挙もサークルのSNS機能に統合しようという会社の広告塔になっていく。

    カルデンがサークル設

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    2015年05月06日