久保俊治のレビュー一覧

  • 羆撃ち

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    小学生の頃、秋田のマタギを知って、猟師に対する畏敬の念を抱くようになった。
    本書はその気持ちを改めて思い起こしてくれた。
    同じ日本で、このような自然と、その真ん中で暮らす人がいる事に、勝手な感動を覚える。故星野道夫氏の言葉に通じるものがある。

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    2011年08月21日
  • 羆撃ち

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    北海道でハンターを営む著者と、相棒の猟犬フチ。ハンターへの道のりや、獲物をしとめる様子を生々しく書く。
    ハンターって、あまり身近な職業ではありません。現実離れした雰囲気があるし…。しかし著者は、凛とした姿勢でハンターへの道をまっすぐ進んでいきます。ご本人には失礼ですが、かっこいいと思いました。
    狩りのシーンはすごくリアルです。血の色が目に浮かんでくるよう。北海道の大自然を感じました。

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    2011年07月24日
  • 羆撃ち

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    筆者が初めて羆を撃つシーン。最初に放った弾は生まれたばかりの小熊に当たる。怒り狂い猛然と立ち上がる母熊にもライフルを向け、仕留める。その側には母親と兄弟をなくしたもう一匹の小熊が。淡々と綴られるこのシーンを受け入れることが出来るかどうかで、その人にとってのこの本の価値は決まるだろう。
    過剰な生命賛歌、自然保護、大自然との対決、など、妙な主義主張を振りかざすことなく、猟をすることが生活そのものであり、その様子を丹念に描いていく。私にとっては良書であった。

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    2011年07月09日
  • 羆撃ち

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    ネタバレ

    北海道の道東で実際に羆撃ちをしていた方の実体験を元に書かれたエッセイ風の小説。
    私自身が歩いたことのある地域に近いこともあり、切々と感じるリアリティと、雪山の静けさ、羆への敬意と恐怖、猟犬「フチ」への信頼と愛情が伝わってくる。
    こういう生活に憧れる一方、作者自身も牧場を持ち、山での生活に区切りを付ける姿が印象的。

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    2011年02月05日
  • 羆撃ち

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    親について狩猟をするうちにその魅力に取りつかれ、職業としてしまう著者の半生。文章は小説家のようにはいかないが内容は波乱万丈で、どきどきさせられる場面が続く。その場に居合わせた者にしかわからない緊張感を第三者に説明することはかなり難しく、そこは読者の想像力でカバーするしかない。フチの登場ですばらしい盛り上がりを見せるが、比較されるユクがかわいそうで、いらいらさせられる。著者の生き方に共感する人も多いと思うが、実践できる人はアーブさんの言われるように有能な人の中でも千人に一人もいない。

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    2009年10月04日
  • 羆撃ち

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    ネタバレ

    射止めた羆(ヒグマ)の腹腔内に溜まった血に、かじかんだ両手を突っ込み温める。まだ脈を打つ羆の命の息吹を感じると共に、温かさから生命を引き継ぎ、彼が生きてきたことを忘れない。
    ランニング後のポカリからですら生の潤いを感じるのに、数週間かけて極寒の山中で山の主を対決した後の肝臓は、どんな味なのだろうか。

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    2012年04月30日
  • 羆撃ち

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    日本唯一の羆ハンターの話。
    本人が書いたノンフィクションのドキュメンタリー狩猟話でした。
    事実なだけにリアリティがあってまぁ面白かったかな。
    文体も癖がなくて読みやすかったです。

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    2009年10月28日