佐々木健一のレビュー一覧
-
テレビ番組の現場から生まれた「面白いとは何か」という論考。「面白い」は”差異”と”共感”の両輪、アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ、良いアイデアは「制約」と「必然性」から生まれる、演出とは”状況設定”、作品の「質」の高さは情報量が支えている、”負荷”の少なさは(テレビの)強み等、納得のいく解説...続きを読むPosted by ブクログ
-
面白いとは?から始まり、ドキュメンタリーとは?取材とは?クリエイティブとは?と著者の「構成」者としてのこれまでの経験から語られる今の時代を生きていくために、忘れてはいけない大事な視点を示唆している。
無からは何も生まれない。既存のものの組み合わせで新しいものが生まれるのだ。そのためには、過去を、そし...続きを読むPosted by ブクログ -
空の安全に大きく貢献した気象学者の評伝。
今日当たり前に利用している飛行機、30年ほど前は1年半に一度大きな墜落事故が起きていた。主な原因は離着時に航空機を襲う謎の突風。今では「ダウンバースト」と呼ばれている。
類まれな行動力と観察眼で「ダウンバースト」を発見した男、藤田哲也。彼は日本人でありながら...続きを読むPosted by ブクログ -
昭和に誕生した2冊の国民的国語辞典「三省堂国語辞典」「新明解国語辞典」。この2冊の源流というか母胎は
昭和18年に出版された「明解国語辞典」。
この2冊「客観」と「主観」、「短文」と「長文」、
「現代的」と「規範的」、とにかく編集方針から
記述方式、辞書作りの哲学、それらすべてが性格が
異なり、似て...続きを読むPosted by ブクログ -
記憶している名プレイヤーのほとんどが網羅されていて,楽しく読めた.江夏と鈴木啓示の話が良かった.背番号にこだわりのある選手の話だが,テンポのある文体が野球の試合を表しているようで,面白かった.Posted by ブクログ
-
辞書編纂の人間臭い裏話。
ほぼ学者のような二人の編纂者にサラリーマンの出版社員が絡んで、二人の関係は修復することがなかった。
ただ、いずれにしても二人の関係は、遅かれ早かれ破綻することになったのだろう。
完成した作品である辞書を楽しんでみよう。Posted by ブクログ -
2023.03.26 部分部分は理解できたが、美とは何かという問いに対する答えをうまく見つけることはできなかった。そもそも一言で言えるようなものでもないとは思うが、自分にはベースとなる知識が不足しているせいか少し難しかった。Posted by ブクログ
-
面白いとは、差異と共感の両輪
差異=〇〇だったのに、××だった!
無知から知らなかったことをはじめて知る状態→差異
上記のプロセスに感動を覚える=面白い
差異を感じさせて心を動かした後に、共感させることで人々はそれらに魅了される
共感だけでは、一定数を集めることはできても、面白い作品にはならな...続きを読むPosted by ブクログ -
三省堂国語辞典と新明解国語辞典のそれぞれの編者について書かれた本。
面白かったけど、筆者の推測の部分は、そういう説も成り立つけど、根拠が弱いかなとは思った。
最近、ノンフィクション系の本について同じような感想を持つことが多いが、もしかしたら読み手側(つまり私側)の問題なのではないかとも思う。Posted by ブクログ -
舟を編むという映画を観て、辞書編纂者という存在を知り、他にも事実お二人の偉大な先生によって、辞書が産まれた様を読むことができ、辞書に対する印象が大幅に変わりました。実家にある国語辞典が何なのか早く確認したいです。Posted by ブクログ
-
佐々木健一さんという人は、テレビ制作をしていた人だから、ほんとに構成が上手い。人を惹きつける方法を知り尽くしている。この本もテレビ番組を元にしているので、まるでドキュメント番組を見ているみたい。
まず初めにCGマンガによるつかみ(映画の予告編みたい)があって文章が始まり、藤田哲也博士のダウンバースト...続きを読むPosted by ブクログ -
面白いとは、差異と共感の両輪である
差異とは、相対的なものである
作品のクオリティは情報量で決まる
ボケ足映像を美しいと感じるワケ
人間の網膜は中心部ほど視細胞の密度が高く、中心にあるものほどハッキリと見えて、周辺部はぼやけて見える
=主観的な現実"により近い見え方だから
作品のクオリティは...続きを読むPosted by ブクログ -
面白いに近道はない。全く同意見。
人の心を動かし、「面白い」と感じさせる二つの要素”差異”と”共感”は、どちらか一つではなく、”両輪”として機能することが重要です。
会議によってそれまで誰も思いつかなかった斬新なアイデアが生まれた、という例はほとんど記憶にありません。
業界や職種の異なる...続きを読むPosted by ブクログ -
タイトル名から難しいテーマを想像してしまうが、非常に分かり易い現代的なテーマを意識した内容で興味深い本だった。章立ての名称からも。例えば「センスの話」「カタカナからの美学」「コピーの藝術」「生のなかの藝術」「藝術の身体性」「しなやかな応答」…などから類推できる。15年ぶりの増補とのことで、そのあたり...続きを読むPosted by ブクログ
-
気象学者・藤田哲也。日本ではあまり知られていない藤田さんは、竜巻がよくおこるアメリカでは、亡くなった時にはニューヨークタイムスの朝刊に写真付きで追悼の記事が載せられました。竜巻の大きさを分類する単位F(フジタ)スケールは現在も世界中で使われている竜巻の単位の原案を考案した人である。そして、謎の航空機...続きを読むPosted by ブクログ
-
“現在、私たちは飛行機に乗って、安全に世界中を旅することができる。しかし、30年程前までは1年半に1度の割合で墜落事故が起こり、多くの人命が失われた。そうした悲劇を食い止め、現代に生きる私たちに空の安全をもたらしたのは一人の日本人でした。彼の名は藤谷哲也。その原点は長崎の原爆調査だった。アメリカで活...続きを読むPosted by ブクログ