佐々木健一のレビュー一覧

  • 神は背番号に宿る
    テレビの番組企画が原点らしいけど、こういう切り口の野球本もなかなか興味深い。既知の話が多い中で唸らされたのは、阪神の「20」を背負った人のこと。「眞鍋、眞鍋ねえ。眞鍋っていう野球人は一人知ってるけど、まさかねえ」。で、読み進めて、その「まさか」だったと判明したときには、コーヒー吹き出すかと思った。い...続きを読む
  • 辞書になった男 ケンボー先生と山田先生
    サンキュータツオ経由で本書の存在を知り、長く気になっていた。
    思い切ってもとになったテレビ番組を見てみたら、これが一大ミステリースペクタクル!
    大興奮して本書を読んだ次第。

    「明解国語辞典」
    金田一京助の名義のもとに、ケンボー先生がほぼ単独で作り、山田先生が「助手」を務めた。
    ふたりの理想は食い違...続きを読む
  • 神は背番号に宿る

    プロ野球好きにはたまらない

    読んで楽しいですよ、プロ野球好きにはたまらない。
    リラックスして一気に読めます。
  • 神は背番号に宿る
    プロ野球選手の背番号にまつわる話をまとめたノンフィクション。
    江夏や池山のエピソードや早逝した選手のエピソードなど興味深い内容が多く、単なる番号として片付けられないような不思議なものを感じた。
  • 辞書になった男 ケンボー先生と山田先生
    一冊、面白く読んだ。
    山田忠雄と、見坊豪紀(ひでとし)という、不世出の二人の辞書編纂者の生涯を追った本。
    一時は共に学び、ともに仕事をした二人が、個性の違いや、大人の諸事情により、やがて袂を分かっていく。
    少し切ない部分もある。

    さて、赤瀬川さんの『新解さんの謎』もあって、新明解にはなじんできた。...続きを読む
  • 「面白い」のつくりかた(新潮新書)
    ドキュメンタリーをもっと観てみたいと思った。「取材」という概念はジャーナリストだけのものでなく、今すぐに自分の日常に取り入れられる事だと知った。日々取材に取り組んで生きていきたい。
  • 「面白い」のつくりかた(新潮新書)
    「面白いとはなにか」、クリエイターという立場で“個性”や“視点”を養ってきたつもりだったが、突き抜けた「何か」を見出せなかった。そんな暗中模索状態の中、シンプルに出会ったこの題名の本。求めていることが書かれているのではないかと、手に取ると早速目から鱗。ページ数も少なく、すぐに読み終えられるわかりやす...続きを読む
  • 「面白い」のつくりかた(新潮新書)
    テレビ番組ディレクター経験者による仕事の哲学

    ドキュメンタリーの作り方論が主となるが、
    表現や仕事に対する思いが熱く、
    作り手側としてでなくても多くのことに参考になりそう。
  • 雪ぐ人 えん罪弁護士 今村 核
     日本の刑事裁判の有罪率99.9%に挑み続ける弁護士、今村核さんのドキュメンタリー。2016年に放送されたNHKの番組の取材内容を盛り込んだもの。
     冤罪がどう作られていくのかという点に関して、『証言の心理学』という中公新書と、『虚偽自白を読み解く』という岩波新書で読んで興味を持っていたが、弁護士の...続きを読む
  • Mr.トルネード 藤田哲也 航空事故を激減させた男
    書評サイトで高評価。興味ありのため

    藤田哲也、日本ではほぼ無名の気象学者。
    シカゴ大学教授、アメリカの気象界、世界の航空業界で名前を知らない人はいないくらいの有名人。

    竜巻の規模を示す「Fスケール」の発案者。FスケールのFはFujitaのF。

    飛行機が着陸寸前に失速、墜落する事故が相次ぎパイロ...続きを読む
  • 美学への招待 増補版
    非常に正しく適切な日本語で書かれていて、この本を3回読めばそれなりに美学+アルファについて理解できるようになる本。
    ただ、軽い気持ちで読むと「困ってしまう」本です。
    文法的にも内容的にも正しい日本語なのだけど、やはり美学は奥が深いらしく、頭のなかで文章をかみ砕かないとちょっと難しい。落ち着いた気分で...続きを読む
  • 辞書になった男 ケンボー先生と山田先生
    私は三国育ち(見坊先生)。

    仕事と真摯に向き合う先生たちを尊敬せずにはいられない。言葉とは、辞書とは。日常では深く考えない点に思索を巡らせることができるすごく面白いノンフィクションでした。

    でも、この本では触れられていないけど、この人間模様の根底にはこれほど知的を極めたひとたちに対する労働対価(...続きを読む
  • 美学への招待 増補版
    内容は哲学っぽい。確かに藝術、美学とは哲学に近いものがあるかも。しかしやはり、その定義を語る導入の1章が難しい。そこを乗り切れたら、その先は難しいところあり、なるほど!と思えるところありだったのですが。
    読んで面白いと思ったところ。4章コピーの藝術。(p.77)コピー、複製品とオリジナルの差。ここは...続きを読む
  • 「面白い」のつくりかた(新潮新書)
    テレビ番組(主にドキュメンタリー)の面白さとは、という視点でまとめられた本。

    興味深かった点はいくつかあったが、最も納得したのは以下の点。
    ===
    テレビは、googleの逆をいけ。
    多くの視聴者がテレビに求めているのは、いい番組や面白い番組を見せてくれること。dボタンで何ができたり取ってつけたよ...続きを読む
  • 辞書になった男 ケンボー先生と山田先生
    三省堂国辞典と新明解国語辞典、2つのベストセラー辞書をそれぞれ生みだした2人の辞書編纂者の人生と描く。大学の同級生であり共同して辞書づくりをしてきた2人が、何ときっかけに袂を分かち別々に歩むこととなったのか。2人の足跡をたどりながら、謎を解いていく。多くの証言をつなぎあわせ、あるいは2つの辞書の語釈...続きを読む
  • Mr.トルネード 藤田哲也 航空事故を激減させた男
    竜巻の強度を示すフジタスケールの事は知っていましたが、それを考案したフジタ博士の事は全く知りませんでした。

    この本によれば、フジタは北九州の生まれで、のちにアメリカに渡り、かの地で生涯を閉じている。

    その生涯において、フジタスケールのほかに、ダウンバーストの発生を解明し、航空機事故を激減させたと...続きを読む
  • Mr.トルネード 藤田哲也 航空事故を激減させた男
    藤田哲也氏という気象学者をご存知の方は少ないのではないでしょうか。アメリカで多発する竜巻のスケールを表す「Fスケール」という指標があり、そのFは藤田氏の頭文字なのです。竜巻研究で知られる藤田氏ですが、日本ではあまり知られていないもう一つの業績は「ダウンバースト」の解明でした。
    1970年代、アメリカ...続きを読む
  • 「面白い」のつくりかた(新潮新書)
    ギャップや意外性におもしろさを感じるという話は納得いく。共感の話はまさにインサイトにつながる話という理解。
    テーマは決めないが、絵は考える。このあたりのバランスは難しいようにも感じた。
    一見、番組等コンテンツ制作文脈で語られているので、ちょっと縁遠く感じてしまうが、本質的なメッセージは他でも共通する...続きを読む
  • 「面白い」のつくりかた(新潮新書)
    著者はテレビ番組制作会社のディレクターとして、これまで主にNHKの番組において綿密な取材に裏打ちされたドキュメンタリーを数多く手がけてきた。

    代表作として、実在の国語辞書編纂者の秘話に迫った「ケンボー先生と山田先生~辞書に人生を捧げた二人の男~」等、その守備範囲は実に広く、「言葉」「哲学」「医学」...続きを読む
  • 「面白い」のつくりかた(新潮新書)
    ・「見るつもりはなかったのに、偶然見たら面白かった」
    受動メディアとしてのテレビが生き残るには、
    逆説的に、コンテンツの質を上げること。
    そのために、事前の下調べをすること、制作主体を明らかにすること、
    チームのモチベーションをコントロールすること。

    ・面白さは、共感×差異

    ・インタビューで問わ...続きを読む