佐々木健一のレビュー一覧
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ネタバレサンキュータツオ経由で本書の存在を知り、長く気になっていた。
思い切ってもとになったテレビ番組を見てみたら、これが一大ミステリースペクタクル!
大興奮して本書を読んだ次第。
「明解国語辞典」
金田一京助の名義のもとに、ケンボー先生がほぼ単独で作り、山田先生が「助手」を務めた。
ふたりの理想は食い違い、改訂のタイミングを巡って三省堂編集者の作為も悪く作用して、仲たがい。
「三省堂国語辞典」
独特な性格も相俟って言葉の海に飲まれてしまったともいえるケンボー先生。
辞書は鑑となる前にまずは鏡であるべきだと考え、凄まじい量の用例を収集した。
「新明解国語辞典」
「学生のひねたような」山田先生が、 -
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一冊、面白く読んだ。
山田忠雄と、見坊豪紀(ひでとし)という、不世出の二人の辞書編纂者の生涯を追った本。
一時は共に学び、ともに仕事をした二人が、個性の違いや、大人の諸事情により、やがて袂を分かっていく。
少し切ない部分もある。
さて、赤瀬川さんの『新解さんの謎』もあって、新明解にはなじんできた。
山田先生の、タラの語釈に、「美味、うまい」とすればよい、と主張し、編纂仲間の金田一春彦さんに笑われて激高したエピソードが強烈な印象を放っている。
あの独特な語釈は、実際、奇を衒ったものではなく、純粋にそれがいいと思ってなされたものだった、ということに、やはり衝撃を受けた。
そして、山田先生は、ビア -
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敬体で書かれた、丁寧で易しい入門書、かと思えばそうでもない。専門用語の詳しい解説を省いて日常生活や身近な事例の中からトピックを拾ってくるというスタンスをとっているし、自分の経験を交えて少しエッセイ的に語る……という形を取っているから、一見とっつきやすそうではある。しかし、その印象に従ってスイスイ読んでしまっては理解できない。話が少し分散することがあるから、話の構成を意識しなければいけないし、個々の用語(概念)の説明は詳しくないし索引もないから、ぼんやりとした理解で終わってしまう。
通勤時や寝る前に読んでいたからあまり集中できていなかったというのもあるかもしれないが、すっきり理解した気分にはなら -
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日本の刑事裁判の有罪率99.9%に挑み続ける弁護士、今村核さんのドキュメンタリー。2016年に放送されたNHKの番組の取材内容を盛り込んだもの。
冤罪がどう作られていくのかという点に関して、『証言の心理学』という中公新書と、『虚偽自白を読み解く』という岩波新書で読んで興味を持っていたが、弁護士の立場から、否認事件を担当するとはどういうことなのか、99.9%になってしまう(暗数を含めるとこの数字がさらに上がってしまう)司法の構造的な問題点がどういうことなのか、ということを全く分かっていなかったということが、本当に恐ろしいことだと思った。つまり、この本で取り上げられている痴漢の冤罪事件のような -
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書評サイトで高評価。興味ありのため
藤田哲也、日本ではほぼ無名の気象学者。
シカゴ大学教授、アメリカの気象界、世界の航空業界で名前を知らない人はいないくらいの有名人。
竜巻の規模を示す「Fスケール」の発案者。FスケールのFはFujitaのF。
飛行機が着陸寸前に失速、墜落する事故が相次ぎパイロットのミスとされていたが、これを気象現象の「ダウンバースト(マイクロバースト)」であることを発見し、証明した人。
本書の副題でもある「航空事故を激減させた男」は大げさでも何でもない。
残念なのは本書でも述べているが、気象学にノーベル賞がないことだ。
もし、該当する賞があればとっていてもおかしくない -
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非常に正しく適切な日本語で書かれていて、この本を3回読めばそれなりに美学+アルファについて理解できるようになる本。
ただ、軽い気持ちで読むと「困ってしまう」本です。
文法的にも内容的にも正しい日本語なのだけど、やはり美学は奥が深いらしく、頭のなかで文章をかみ砕かないとちょっと難しい。落ち着いた気分で読みたい本です。
哲学や神学などにも造詣が深いほうが美学を理解しやすいものなのだな…とも思いました。
それと「美」を知るには知識だけではダメで実践が必要。
平面上の図録も悪くないけれど、立体感がわかる美術館や博物館に赴いて自分の感性を磨く経験を増やしたいと思いました。 -
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ネタバレ内容は哲学っぽい。確かに藝術、美学とは哲学に近いものがあるかも。しかしやはり、その定義を語る導入の1章が難しい。そこを乗り切れたら、その先は難しいところあり、なるほど!と思えるところありだったのですが。
読んで面白いと思ったところ。4章コピーの藝術。(p.77)コピー、複製品とオリジナルの差。ここは、前回の読書会「音楽の聴き方」でも興味を持った内容だし、普段からも考えていた部分。読書会でも感想を言った人が多かった。昔なら複製品が品質は下がるものでしたが、今の技術を利用したら個々の職人芸を再現したり、表面的な形だけでなく内部も成分も全く同じ複製品を作れそう。そうなると、オリジナルの強みは「美しさ -
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三省堂国辞典と新明解国語辞典、2つのベストセラー辞書をそれぞれ生みだした2人の辞書編纂者の人生と描く。大学の同級生であり共同して辞書づくりをしてきた2人が、何ときっかけに袂を分かち別々に歩むこととなったのか。2人の足跡をたどりながら、謎を解いていく。多くの証言をつなぎあわせ、あるいは2つの辞書の語釈や用例からヒントを見い出しながら核心に迫っていくさまは推理小説のようで一気に読んでしまう。
しかし、2人の人生を見るに、何かを成し遂げようとするならばその代償が必要となるんだということを痛いほど感じる。そして、その代償を代償とも思わない、あるいは代償があろうとなさずにはいられない、という、強迫観念じ -
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藤田哲也氏という気象学者をご存知の方は少ないのではないでしょうか。アメリカで多発する竜巻のスケールを表す「Fスケール」という指標があり、そのFは藤田氏の頭文字なのです。竜巻研究で知られる藤田氏ですが、日本ではあまり知られていないもう一つの業績は「ダウンバースト」の解明でした。
1970年代、アメリカでは離発着時の航空機の墜落事故が平均18か月に1度の頻度で発生していました。その多くが「原因不明」とされたり「パイロットの過失」として処理されていました。当時アメリカで竜巻研究で実績のあった藤田氏が事故原因究明に取り組み、「ダウンバースト」という局所的な下降気流が原因であると突き止めたのです。その後 -
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昭和に誕生した2冊の国民的国語辞典「三省堂国語辞典」「新明解国語辞典」。この2冊の源流というか母胎は
昭和18年に出版された「明解国語辞典」。
この2冊「客観」と「主観」、「短文」と「長文」、
「現代的」と「規範的」、とにかく編集方針から
記述方式、辞書作りの哲学、それらすべてが性格が
異なり、似ても似つかぬ姉妹辞書が同じ親から誕生。
「辞書なんてどれも一緒である」は、この二冊限っては
小説同様「文は人なり」の言説が辞書にも通じること
なんだと教えてくれる。そこには編纂者の思いや性格が
ありありと滲み出ているからに他ならない。
本書は「明解国語辞典」を共に編纂してきた東大の
同級生であり、理 -
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子どもの頃、他球団でも主力選手の背番号を
覚えていたのに、今やタイガースの選手でさえ
おぼつかず、僕の中では縦縞は6・22・25・28
31・44…、あたりで止まっている。
さて本書。日本プロ野球の80年の歴史を、
選手の「背番号」にフォーカスし、
そこにまつわる不思議な因縁・奇縁・魔力
奇譚・逸話を丹念な取材ですくい取った
スポーツ・ノンフィクション。
取り上げられている選手は、
江夏豊28・村山実11・鈴木啓示1・池山隆寛36
谷沢健一41…。
◉あの文藝春秋が企画運営した江夏豊の
東京多摩市一本杉球場での引退試合
◉球団合併で永久欠番1が消滅した鈴木啓示
◉年俸アップを勝ち取るため -
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プロ野球選手の背番号から生み出される数奇なドラマを描いた一冊。
プロ野球を観ている時に自分たちが何気なく目にする背番号にここまでのドラマがあることに感動するとともに選手の番号へのこだわりや数字の持つ魔力など本書でプロ野球の新たな一面を知ることができました。
永久欠番についても初めて知ったことや絶対数や語呂合わせで数字が意味あるものになっていたりなど本書を読んで知ることが多くありました。
また、各球団で数字の持つ意味が異なったり、不吉と言われた背番号を背負って発奮し活躍したものや名選手の後を継いで重圧に負けた者など能力以外の部分で成績に影響しているところがあるところも驚きでした。
本書のエ