佐藤俊哉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
医療統計と聞いても未知の世界の学問と感じていたものだが、昨今の感染症で医療統計がとても重要だと日々実感するようになった。
この本は医療統計で地球征服を企む宇宙怪人しまりす(りす)が、地球の統計学者(人間)に統計の基礎を教わりながら、侵略後にするであろう統計を使った税収取得のために奮闘?する話なのだが、内容は統計のノウハウが詰め込まれて
いて、また会話形式なので理解しやすく読みやすい書籍となっている。特に最初に出てくる比・割合・率の違いがなるほどで、打率は率ではなく割合で、率とは何かをわかりやすく書かれている。
統計を知ることで報道や新聞で書かれている統計が少しでも分かるようなそんな気にさせ -
Posted by ブクログ
ざっと本文に目を通すと、得体の知れない「宇宙怪人」が登場する、一見掛け合い漫才のようなヨタ話にも見える。それなのに、テーマは「医療統計」(「疫学」と言ってもいいと思う)という難しそうな世界である。格調高い(?)岩波科学ライブラリーの一冊としては、このギャップに違和感をもつ人もいるらしい。しかし、本書は、気鋭の疫学者が、「率と割合の違い」「年齢調整の意味」「前向き研究と後ろ向き研究」など、「疫学の考え方」のやや面倒なポイントをかみくだいて説明しようとした他に例のない試みである。正直なところ、難しい概念はあいかわらず難しいし、気楽な文章でさらっと読めるために分かった気になるだけかもしれないが。