ヨハン・テオリンのレビュー一覧

  • 夏に凍える舟
    エーランド島 4 部作の最終巻。
    とてもよいシリーズだった。
    過去が現在に浮かび上がってくる手法は磨きがかかり、
    細かい描写の積み重ねが物語に厚みを与え、
    北欧の夏を感じながら、心を動かされる。
  • 夏に凍える舟
    穏やかに、丹念に、そして切なく語られるエーランド島シリーズ4作目。
    心の中にゆっくりと波紋が広がっていく様な読書であった。
    エピローグ。
    風よ、彼を押し戻してくれてありがとう。
  • 黄昏に眠る秋
     ミステリというより、その島での生活というか歴史というか、登場人物たちが生きて死ぬ軌跡をみたような物語。シリーズ化されていると聞いたけど、どんなふうに続くんだろうか。気になる。
  • 夏に凍える舟
    大好きなシリーズの四作目。静けさの中で物語が淡々と進行していくこの感じがとても好き。舞台が海外に飛び出してスケール大きくなったなあと少し驚いたけど、イェルロフの穏やかで独特の人柄が相変わらずでとても落ち着く。悲しい出来事もあったけど、最後まだ希望を見いだせる雰囲気が漂って終わったのが心に残った。
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  • 黄昏に眠る秋
    ★4,5というところ。とても長いので、途中、ちょっとだけ飛ばし気味に読んでしまいました。それでも、充分に落ち着いたミステリーとして味わい深く、読み終わったあと、事件が解決してほっとしている自分がいました。シリーズ第1作のようなので、その他のものも読んでみようと思います。
  • 黄昏に眠る秋
    スウェーデンのエーランド島を舞台としたミステリーであり、二転三転する結論である。日本人にとっては土地勘があるのはイエテボリだけである。
  • 黄昏に眠る秋
    エーランド島四部作の第一作目にあたるらしい。舞台はスウェーデンのバルト海に浮かぶエーランド島で、時代は1990年代。1972年におこった5歳の少年失踪事件から話は始まる。その母親と祖父が20数年後に事件の真相を追う話。島の不審人物である男の生い立ちと事件にかかわるまでの様子が、本筋と交互に語られる形...続きを読む
  • 黄昏に眠る秋
    北欧圏発、上質ミステリ小説。

    「ミレニアム」とか北欧圏の作品に注目集まるようになったようですが、
    本書はわりとまっとうなミステリ小説です。
    でも、なんですかね~。
    日本の北国出身者としては、過疎地で暮らす日常の風景や
    人のリズムとかが本当によく描かれていて、
    イギリスやアメリカの作品よりもずっとし...続きを読む
  • 黄昏に眠る秋
    長かった!しかし歯を食いしばって読み進めると、どんでん返しがあるよ。80歳のご老人が活躍するミステリ小説でした。

    警官のレナルトが、途中から脳内でドラマ「キリング2」のストランゲになってしまって、いや、まさか、、と思って読み進めたら、"ストランゲ”だったという、勝手にセルフ・ネタバレでした。

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  • 赤く微笑む春
    エーランド島シリーズ 3 作目だが、
    ジャンル小説の枠を超えたじんわりと効いてくる良い作品群だ。
    「夏」が待ち遠しいが、それで終わりだと思うと寂しくもある。
    このタイプの作品、結構日本人好きだと思うな。
  • 赤く微笑む春
    KL 2013.7.21-2013.8.5
    エーランド島のシリーズの中では一番好きかも。
    春なんで、それなりに明るさがあるからかな。
  • 赤く微笑む春
    エーランド島シリーズ三作目。「黄昏に眠る秋」も「冬の灯台が語るとき」もとても良かったが、これもしみじみ味わい深く、北欧の香気たっぷりのミステリだ。

    結構派手な展開をするところもあるのに、全体の印象はとても静かで、モノトーンの世界を見るようだ。登場人物は皆、何かを諦めているような雰囲気を漂わせている...続きを読む
  • 赤く微笑む春
    (No.13-25) スウェーデン・ミステリです。シリーズ3作目。

    内容紹介を、表紙裏から転載します。
    『エーランド島の石切り場のそばのコテージに暮らしはじめたペール・メルテル。ある日彼のもとに、疎遠にしていた派手で傲慢な父ジェリーから、迎えに来るように求める電話が入る。渋々父の別荘に赴くと、そこ...続きを読む
  • 赤く微笑む春
    エーランド島四部作、第三弾。テーランド島に越してきた家族と、イェルロフの妻の日記を柱に、それぞれの物語が同時進行する。石切場のトロールなどファンタジーの世界や北欧の春の兆しを織り交ぜながら、静かに始まるが、終盤は怒涛の展開となる。
  • 冬の灯台が語るとき
    スウェーデン、エーランド島にある双子の灯台を望む古い屋敷に越してきた家族に訪れた悲劇。前作「黄昏に眠る秋」同様、ゆっくりと人間関係が剥がされてゆく。過去と現在を往復しながら、ブリザードの雪や暗い海に世界に引き摺り込まれるような錯覚を覚える。
    前作に続き、老人イェロホフも登場し、ほっとさせられる。
  • 冬の灯台が語るとき
    ストックホルムから島に移住してきた一家。
    越して間もない頃、妻が海で溺れて発見される。
    殺されたのか?事故なのか?

    同じ頃、島に来た警察官。警察官の大叔父がその謎を解く。

    #幽霊現象
  • 黄昏に眠る秋
    読み終わるまで凄く時間がかかりました。'45の殺人事件、'70年代 の幼児失踪、を'90年代に解決するという、3つの場面が交錯するので、なかなか集中できませんでした。
    '45に殺人事件を起こした男の望郷の念がまず理解できない。なぜそんなに故郷に固執するのか。凶暴で行き当たりばったりの行動する力がある...続きを読む
  • 夏に凍える舟
    シリーズ4作とも、とても面白かった。美しい北欧の島を背景に、土地の言い伝えを交え、過去と現在が交差する物語がスリリングに展開。4作を通して探偵役を務める老船長の人柄が素敵で、味わい深いミステリーシリーズになっている。
    現在の北欧というと、今まで読んだ本や見たドラマでは、もっと暗くて荒んだイメージだっ...続きを読む
  • 黄昏に眠る秋
    物語がなかなか進まずイライラしたけど、「むかしは、みんな、いつも時間をかけて物語を紡いだが、いまではなにもかもが、さっさと済ませねばならなくなって」って言葉が出てきて、はっとした。
  • 黄昏に眠る秋
    スウェーデンのミステリー。先にこのシリーズの最終巻を読み、ずっしりとした手応えが気に入って、初巻を手に取った。
    目の前で見ているかのような心理描写や 土地の風景に、再び引き込まれた。事件に派手さはないが、最後まで縺れた糸が続くので、退屈しない。
    主題は子を亡くした母。殺人者を含め、筆者の人間を見る温...続きを読む