ヨハン・テオリンのレビュー一覧
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ネタバレ大好きなシリーズの四作目。静けさの中で物語が淡々と進行していくこの感じがとても好き。舞台が海外に飛び出してスケール大きくなったなあと少し驚いたけど、イェルロフの穏やかで独特の人柄が相変わらずでとても落ち着く。悲しい出来事もあったけど、最後まだ希望を見いだせる雰囲気が漂って終わったのが心に残った。
でも春夏秋冬で、これでシリーズも終わりなのかなあと思うと寂しいです。
こんなふうに年を重ねられたらいいなと思ってしまう。私は女だから少し違った感じになるかもしれないけど、憧れる晩年。
H29年12月6日再読
何度読んでもジーンと来るこのシリーズ。またきっと読み返す私は。イェルロフとヨンのような、長年 -
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北欧圏発、上質ミステリ小説。
「ミレニアム」とか北欧圏の作品に注目集まるようになったようですが、
本書はわりとまっとうなミステリ小説です。
でも、なんですかね~。
日本の北国出身者としては、過疎地で暮らす日常の風景や
人のリズムとかが本当によく描かれていて、
イギリスやアメリカの作品よりもずっとしっくり読み込めました。
人物や風景の描写力は半端なくありますし、書き方にも品があります。
結構な量のページ数ですが、一旦読むとじっくりと時間が
かかってもいいな、とゆっくり読める、行間リズムに取り込まれます。
なので、ハイスピード展開などお好みの読者には、
この作品の持つゆったり感がもったり感とし -
Posted by ブクログ
エーランド島シリーズ三作目。「黄昏に眠る秋」も「冬の灯台が語るとき」もとても良かったが、これもしみじみ味わい深く、北欧の香気たっぷりのミステリだ。
結構派手な展開をするところもあるのに、全体の印象はとても静かで、モノトーンの世界を見るようだ。登場人物は皆、何かを諦めているような雰囲気を漂わせている。翻訳者あとがきで「無常の感覚がつきまとっている」と評されていて、ああ、本当にそうだなあと思った。
荒涼とした長く厳しい冬の後、ゆっくりと島に訪れる春の気配がとても美しく描かれている。エルフとトロールが人びとの生活の中に息づいていた、今や失われた暮らしへの哀惜の念が底を流れていると感じた。 -
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(No.13-25) スウェーデン・ミステリです。シリーズ3作目。
内容紹介を、表紙裏から転載します。
『エーランド島の石切り場のそばのコテージに暮らしはじめたペール・メルテル。ある日彼のもとに、疎遠にしていた派手で傲慢な父ジェリーから、迎えに来るように求める電話が入る。渋々父の別荘に赴くと、そこに待っていたのは謎の刺し傷を負った父だった。そして直後に別荘は全焼する。なぜこんな事件が起きたのか?娘の病気などの悩みを抱えながらも、ペールは父の暗い過去を探りはじめる・・・。
エルフとトロールの伝説が息づく島で、人々の切ない記憶と過去が交錯する。』
今回の主人公ペールは、シリーズを通して登場す -
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ネタバレ読み終わるまで凄く時間がかかりました。'45の殺人事件、'70年代 の幼児失踪、を'90年代に解決するという、3つの場面が交錯するので、なかなか集中できませんでした。
'45に殺人事件を起こした男の望郷の念がまず理解できない。なぜそんなに故郷に固執するのか。凶暴で行き当たりばったりの行動する力があるのに、その割には自分で帰郷しようとしない。
それと気になったのは解決に向かう場面で携帯電話がでてくるところです。'90年代前半は日本ではまだまだ携帯電話よりポケベル主流だったと思いますが北欧はすでに携帯電話が行き渡っていたのでしょうか?