志賀櫻のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
タックス・ヘイブン、お金持ちや企業が税金をごまかすのに使う国、地域、という乱暴な認識しかなかったので、とりあえず買ってみた。
著者は、税金を取る側、後には税金逃れを取り締まる側の方。何事によらず第一線のプロ(だった)方のお話は興味深い。
(そちら側からの視点である、ということは差し引かなければいけないかもしれない。)
タックスヘイブンとは何か、どんなことが行われているか、どんなふうに取り締まろうとしているか、実例を上げながら解説されていてとても面白い。
岩波新書ということで堅いお話を覚悟したが、ものが犯罪、テロ関係だけにキナ臭くて、門外漢には興味深いエピソードが多い。諜報機関という単語が -
Posted by ブクログ
ネタバレ男なら一度はなりたやタックスイーター(´・ω・`)
彼らの大好物
①予算、特に特別会計は予算統制が緩くガバガバ
②財政投融資、一般会計並みの規模
③租税特別措置、利益誘導のくせに減税呼ばわり
(100%減価償却で街並みの商売に異変あるぜ)
④国債、GDPの規模を考えずに未来へ負担押付け
タックスイーターの正体
①族議員、農林・建設・厚生・文教・郵政
②官僚、財投対象機関(公的法人)
③鉄のトライアングル(政官業)
本書にないが今問題視されているNPOは?
あと対策も専門機関頼みであるが、個別問題への
対応が一番得意なのは予算を作り執行する担当者
なので【使える金が少ない】状態にすれば自ずと
削 -
Posted by ブクログ
税金、いっぱい取られてるよね。買い物をすればもれなく消費税を
取られるしさ、お酒には酒税、煙草にはたばこ税、温泉を利用すれば
入湯料、ホテルに宿泊すればサービス税。その他諸々。
納税は国民の義務だけれど、その使い方についてはまったくと言って
いいほど知らされない。政治家やエライお役人様が、まるで自分の財布
のごとく、湯水のように税金を無駄遣いしている。
時折、会計検査院の調査でとんでもない無駄遣いが判明して報道される
ことがある。その無駄遣い、誰が返してくれるのかと言えば誰も返済して
くれない。
そうして国は言うんだよね。「財源がないから増税します」って。
消費増税 -
Posted by ブクログ
魑魅魍魎。税を逃れようとする資本家と、多分それでもいいと思っている多数の政治家、官僚。これは、「思想」の問題か?
資本主義も民主主義も「公平」なルールに基づいて運用されているという了解のもとにあるから、その結果としてある程度の不平等や自分の思いとは異なる主張や制度も受け入れざるを得ない、というのが現在社会の基本的な「了解」ごとなんだろう。しかし、「公平」なルールに基づいてないとしたら・・。
情報とヒト・モノ・カネの移動が国境を簡単に越えていくようになった現在、そしてそれはテクノロジーの発達とともに人間の本性としても不可逆的な動きであることはおそらく明らかで、だからすべての仕組み・制度 -
Posted by ブクログ
現在の財政赤字のいったいどのくらいが、タックス・イーターの口に入り、全くの無駄になったのだろうか。本書には「絶望」しかない。この国を支配している政治家、官僚と資本家たち。税の再分配こそが政治・行政の最も重要な仕事のはずが、実際には中間層から「巻き上げた」税金は、政治家、官僚と資本家を富ませるだであった、と本書はいう。政治家と官僚、資本家が税金を食べていく、その手口は凄まじいばかりに多様で、ある意味税制、予算はそのためのつくられている。このことを知ると、税制や予算に関するニュースが全然別の見え方をしてくる。
国民は怒らなければならない。しかし、新聞や出版が軽減税率(この場合、新聞や出版はタ -
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タックスヘイブンについては、なんとなく「ケイマンのことでしょ。んで、そこをなんかうまく使って税金の支払いから逃れるんでしょ」ぐらいの認識であったが、果たしてその通りだった。
ただ、ケイマン以外にもタックスヘイブンは様々なところに存在していることがわかったと同時に、シティの連帯感やマネロンがどのように起こっているかもかいつまんでおり、内容が多岐に亘って面白かった。
ただ、筆者の半ば自慢話のようなものも混じっていて、ややぼやけている感じも否めない。もっと絞って書いてくれた方がありがたかったなと思う。
そしたらそんなに面白くはなかったかもしれないけれども。