高根正昭のレビュー一覧
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一気に読みきり、自分でも意外なのだが、何度か読み返した。
とても約40年前の本とは思えない。
大切なのは、「何を知るか」ではなく、「いかに知るか」と訴えられている。
あとがきには、日常の生活や職場で出会う問題を自分で整理し、考えそして解くための手引き とある。まったく異論なし! もっと早く出会いたかった ^_^
巷には、様々なハウツーや手法であふれているが、これらに振り回されそうなら、まずこの本を読んだ方がいい。知的生産のための基本的なルールのルーツオブルーツだ。
以下はあとがきの一部。。。現代もなんら変わりない。
われわれは、科学における知的生産のための基本的なルールを、常識として、手 -
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①仮説とは、「研究の課題を”結果”としてとらえるところから出発して、その現象を生み出す”原因”にさかのぼり、”原因”と”結果”の論理的な関係を設定すること」p44
そのためにまず問題(結果)を設定し、そのための「原因」を考えるのである。
仮説の概念から考え直し、研究の必要性に取り組もうと思った
②因果法則の確立には、(1)独立変数の先行、(2)独立変数と従属変数の共変、(3)他の変数の統制、他の重要な変数が変化しない、ことが条件。これは、比較する際にも重要になってくる。
③「何を知るか」の日本と「いかにして知るか」のアメリカの大学。このような違いが、現在の日本の学部での方法論の軽視に表れ -
Posted by ブクログ
2012夏学期 高等教育調査の方法と解析(1)の参考文献として読んだ。理解度は、まだまだ予習の域を出ないが、残り13回の授業の中で深めていきたい。
本書を一読し、教育社会学から分化した高等教育論は、社会科学・社会調査の手法を体得することが必須であることを痛感。これを知らないと修論執筆に着手できないのだ。M1向けには研究の方法論に関する科目の開講が多いのはそのためかもしれない。
本書では、著者のスタンフォード大留学時の経験が、かなり細かく紹介されている。例えば、18頁に「組織的読書」が触れているが、アメリカの学生の様子を紹介することで、日本の学生・読者への啓蒙の要素になっている。大学院での生 -
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本書は社会科学を学ぶ人(もしくはより広く文系の人間)が、科学の方法論を学ぶうえで非常に有用な一冊である。
読者によっては、「要点がまとまっておらず読むのが面倒だ」という印象を受けるようだ。たしかに一般的な方法論について述べるだけでなく、著者がどういった経緯で方法論の大切さを学んだかなどの個人的なエピソードがふんだんに出てくるので、人によってはそれをまどろっこしく感じるのかもしれない。しかし、私はむしろこの本の魅力は、その筆者の個人的なエピソードにあると思う。読み進める中で筆者の苦しみや失敗、それを乗り越え前に進もうとする意志を感じとり、次第に筆者の人柄に惹かれていく…そのようなところにこの本 -
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社会学の先生の、原因と結果の分析方法、それと解決策の見つけ方といった基本的な思考法。
師匠の木下さんの推薦だったと思う。
昭和54年の本だけで、きちっとしている。
逆に、PDCAとかかっこよくいっているけど、あまり政治学、社会学の方法論って進んでいないのではないか。また、経済学など、数理的な分析に偏っていて、かえって質的な分析がおろそかになって、具体的提言が少ないのではないか。
大塚久雄氏の社会科学の方法と同じく、社会科学の学ぶにあたっての古典ではないか。
そんな感じがした。もっと、これからは、原因と結果の関係の分析から、新しい解決策へのジャンプの手法をみがかないといけな