江村洋のレビュー一覧
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ネタバレCSのチャンネル銀河で放送中の「カルロス」を観ていて
予備知識が必要だと痛感し、読みました。
故・江村先生の本は前にも読んだことがあり
時々読み返しているものの
カルロス一世(カール五世)に特化した本は今回が初めてで
予備知識を得る本として実にありがたかったです。
(ドラマは第二話から観たので
誰だか分からない人物も多く
セリフを元に、本とネット検索で調べて、この人だ! と分かったり。英語版のサイトも役に立ちました。)
庶子と言われている(異説もある)ジェロニモ少年、
後のドン・ファン・デ・アウストリアに関しても
ちょこっとだけ触れられています。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ私にとって謎の一家、ハプスブルグ家について知りたいと思いこの本を選んだ。ついでによく一緒に語られる謎の集団、神聖ローマ帝国についての本「図説神聖ローマ帝国(河出出版書房)」も並行読みした。これは正解だった。おそらくこの本だけだと神聖ローマ帝国が謎過ぎてあまり理解できなかったと思う。2冊を同時に読むことによって中世からのヨーロッパ史がよく理解できた。ハプスブルグ家という内側から見ているので、この本を読むと宗教改革やフランス革命など歴史上の大事件を当事者感覚で味わう面白さがあった。また現在の東ヨーロッパ諸国の問題を理解する上でも興味深いことが多い。人物像などはかなり作者の主観が入っていて、公正な記
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Posted by ブクログ
オーストリア旅行の予習に新書3冊を購入。江村洋氏の「ハプスブルク家」と「ハプスブルク家の女たち」、中野京子氏の「ハプスブルク家 12の物語」です。世界史は大の苦手で、ハプスブルク家なのかハスプブルグ家なのかもよく分からない私ですが、江村氏の2冊は素人にも分かりやすく面白く読み進めることができました。
700年もの長期間、ヨーロッパで覇権を握ってきたハプスブルク家。素人考えで、やり手で強欲で傲慢なイメージを持っていましたが、実態は正反対。神聖ローマ帝国の国王を継承したハプスブルク家の君主たちは、神に選ばれし一族として勤勉にその役割を果たし、ときにお人好しが馬鹿を見るような憂き目にも会っているので -
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六百数十年続いたハプスブルグ家をこの一冊にしてしまうことが無理があるが、最初に手に取って読むには最適。
言語能力に長け、そしてマリア・テレジアに代表されるような多産で、しかも長寿。これによって血縁関係を広げきたことが、王朝安泰と、政権維持につながってきたことが良くわかった。
愛とは関係なく血縁だけが大切にされ嫁いでいった王女たち、マリー・アントワネット、ナポレオンの妃となったマリー・ルイーズ。庶民との心の乖離が生まれるのは自然のことのようにも思う。
時代錯誤ではないが、最期まで王朝復興を夢みた未亡人が1989年まで存命だったとは、驚きだった。
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「フランツ・ヨーゼフ」を読んだ余韻をもう少し楽しみたくて この本を手に取った。
インドのネルーが『父が子に語る世界歴史』の中で「チャシャ猫」と呼んだ国、それが神聖ローマ帝国であり、オーストリア帝国だった。インド民族主義を掲げて大英帝国からの独立を目指していたネールにしてみれば、12の民族を数百年も支配し続ける帝国など理解不能だったに違いない。しかし何故チャシャ猫は生き長らえることができたのか。歴史上、一血統の王朝は長くても三百年が通り相場と思うが、ハプスブルグの場合は何代経てもまた中興の主が現れ、時代の変化に見合った改革を施してきた。他の王朝と何が違うのかといえば、結婚政策といった戦争に -
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王とは何か、更に皇帝ともなれば、如何に振る舞うべきか。民主主義が定着した現代ヨーロッパにおいても、残された王家の継承者たちは頭を悩ませ続ける。フランツ・ヨーゼフは500年近い歴史を誇るハプスブルグ帝国で、その最晩年を68年も支えてきた。気の遠くなるような年月、目覚める民族意識、欧州列強の虚々実々の駆け引き。崩壊しようとする帝国に日々真摯に向き合う姿は年月を経てむしろ神々しささえを帯びていく。
フランツ・ヨーゼフは一日10時間以上働き続けた。それは18歳で帝位に就いてから86歳で生を閉じるまで不変だった。この人ほど仕事熱心だった役人はいない。(194ページ)
19世紀のウィーンといえば、世界 -
Posted by ブクログ
旅行の予習に、これと続編の「ハプスブルク家の女たち」を読みました。
キンドル版があるのに紙の本を2冊とも買ってから気づいたという不覚…。
重要人物別に、年代を追って描かれているのですが、それぞれの人物に焦点を当てていることで人間的興味もわいて読みやすく、読むうちに歴史的背景が頭に入ってくる、という、新書に求める「読みやすくてためになる」感がありました。
これまで「神聖ローマ帝国(なんでローマ?)」「マリア・テレジア」「スペイン・ハプスブルク家(フェリペとか?)」「戦後はただの人(フランツ・ヨーゼフが最後だったっけ?)」など切れ切れのキーワードでぼんやりとらえていたハプスブルク家が、短い本だけ -
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ネタバレオーストラリア・ハプスブルク帝国の女帝、マリア・テレジアの生涯を記した著書。
コミック「ヴェルサイユのばら」の影響からか、
フランス革命で断頭台に散ったマリー・アントワネットの母、という認識しかありませんでした。
本書を読めば、政治家としてのマリア・テレジアを知ることができます。
軍事力強化のために、身分の壁をとりはらった革新的な政策を採用し、
国土のすみずみまで教育をほどこした。
医療の充実もはかる。
これらは長い時間をかけて実行にうつされた素晴らしい実例で、現代にもつながるもの。
単に当時の国力を増強させるだけるための政策ではないところが、さすが女性政治家の視点は違うとうならせられ