菊地章太のレビュー一覧
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購入済み
中身の編集の仕方もとてもわかりやすいです。
いろいろな作品が集められていて、気になった作家さんはまた、別にフォーカスしている本を買えば深く知れるので、とても気に入っています!ありがとう! -
Posted by ブクログ
おもしろい。耳馴染みのある赤ずきんちゃんや、眠れる森の姫など、童話やメルヘンが少しずつ紹介されて、今までとちがった目線で読むことで発見がある。物語には、その時代のその土地のものしか出てこない。悪いことも、その時代の困りごと(雹が降ってきて農作物が育たないとか、牛の乳が出てこないとか)である。
その時代の人々が考えた反社会的なものが魔女に託されている、という。魔女は、困ったときは頼りになる、力のあるものの象徴だけども、同時にその力が恐ろしいと感じていた人々。そういった、かつての時代の精神を読みといていく。キリスト教の布教と、魔女の迫害というのも、おもしろい図式で今までにない見方だった。言われてみれば、キリスト教は父であり、迫害された魔女が女性だったというのは、男女の優位性を位置付けるもののように思われる。
しかし、魔女が、どこか闇に惹かれてしまう私たちが作り出した存在であるのと同様に、マリアさまという聖母も、キリスト教が押し付けようとしたものではないのに、民衆は強く慕ったという。そこには、やはり母への想いがあるのだろうなあと思う。また、支配するとは言っても民衆の心が離れていってはいけないわけで、利や理屈に走りすぎたりしても人はついてこないのだなあと思った。
そもそも、民衆の心にあった隅をつつくように宗教というのは生まれるわけで、民衆の気持ちとは切っても切れないものなのかもしれない。
極端な宗教や思想、政治は、そのものや担い手たちだけのせいにはできず、それを誕生させ成り立たせているというのは、その土地であり人々の想いであるような気がする。魔女なるものを、私たちが心のどこかで求めているのと同じように。
エピローグでの、日本の魔女考察も面白かった。暗闇がなくなって、静けさがなくなって、魔法が減っていく。でも魔女には知恵がつまっている。今の常識とは違うかもしれないけれど、それを生かすも殺すも、私たちにゆだねられているように思った。 -
Posted by ブクログ
良書。
現代の日本の葬儀や、神社お寺を含む宗教観が、儒教道教仏教の影響が絡み合って日本化されているということを丁寧に書いている。
位牌というのは死者の魂の依代(よりしろ)である。依代は位牌だけでなく、さまざまなものに用いられた。現代でいうところのお墓もそうだし、折口信夫の論文を引き合いに出して語られた、かつて葬列で使われたさまざまな葬具も、依代である説明されている。
依代としての葬具や祭具や仏具が用いられるということは、死者の魂、という存在が大前提であって、昔の人はそれを大真面目で信じていたのだ。いや、信じる以前に当たり前のように畏怖していた。現代人の宗教離れは、単に霊魂の存在を信じれなくなった、というところに根本原因がある。科学万能主義、唯物主義の時代である。
だけれども、私たちは、周りの人の死に接した時に、自分自身が死にかけた時に、未曽有の大災害に見舞われたときに、非情にして理不尽な仕打ちを受けた時に、自分たち人間よりもはるか大きな存在を仮定せざるを得ない。そうしなければ心が折れてやっていけない、そんな時に、霊魂というものがいるのかもしれないと、感じさせられるのである。
さて、この本、とても良書なのだが、随所に書かれるセンチメンタリズムと、中途半端な脱線が少々鼻に突いた。
それでも、霊魂の依代の位牌の生成過程や意義を中心に据えて、儒教、道教、仏教と言う3つの角度からのアプローチ、そして現代的な問題へと、とても有意な構成ですばらしいと思いました。 -
Posted by ブクログ
映画『エクソシスト』 映画『エミリー・ローズ』 秘跡(サクラメント) 準秘跡(サクラメンタリア) ソクラテス(神は存在するかという問いに即座には否定しなかった) アネリーズ・ミヘル(エミリーローズの元になった人物) 不可知論者 メソジスト派 「恐れおののいて救いをまっとうせよ」 聖痕(スティグマ) 皮膚描記症(ダーマトグラフィア) ヴォルテール「貴方の考えは気に入らないが、貴方が発言する自由は、私は命をかけても守りたい」 悪魔パズズ(エクソシストに出てくる悪魔) ダミアン神父(ジョゼフ・ド・ヴーステル) 映画『尼僧ヨアンナ』 ナントの勅令 シュラン神父『神の愛の勝利』 静寂主義(キエティスム) カテキズム 明けの明星(ルシファー、カルシファーの事) トム・チット・トット(民謡に出てくる妖精) テルトゥリアヌス『護教論』 プロテスタントにおけるマリア像 禁書目録 フィリップ・ピネル/エティンヌ・エスキロール デモノマニア 解離性トランス障害 ジュリアン・ジェインズ『二分心の崩壊における意識の誕生』 トゥレット症候群 マドレーヌ・ル=ブック
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Posted by ブクログ
某大学で正規の講義科目として設けられている「妖怪学」、この本はその科目を担当している菊地教授が書かれています。
一般に「妖怪」と聞くと、日本由来のお化け(妖怪といえば「ゲゲゲの鬼太郎」。この中に出てくる「ぬりかべ」や「子なき爺」のような)だけを想像してしまいますが、この本では日本だけに限らず、吸血鬼や魔女、オオカミ男、それにあのムーミンなんかも出てきます。辞書的な定義を見ても、妖怪とは「人の理解を超えた不思議な現象や不気味な物体。(goo辞書による)」とされていて、別に日本だけに限ったものではないようです。
絵本に映画、アニメに小説。ファンタジーにこうした妖怪・お化け・モンスターは付きものです。この本を読んで、「妖怪」というものについて+αの知識を得ておけば、ファンタジーがもっと楽しくなるかもしれません。
本自体は会話(あるいは講義)の内容をそのまま文章化した感じで、すらすらと読めてしまいます。 -
Posted by ブクログ
折しも過激集団「イスラム国」のインターネットをつかった
日本人人質事件の渦中だった
自己責任や首相の中東訪問時期、日本の立場など
わたしの頭はめまぐるしくめぐるのだが
いちばん思うのは平和ボケ鎖国日本にとっていいチャンスだということ
あの敗戦後、苦しかったけれどもなんとか繁栄し
きれいに近代化された日本、自由を謳歌しているよう
バブルははじけたけれど、世界にも経済進出して
なんとか、かんとかあっぱれに生きているような日本
しかし、世界は甘いものではない
この本にもあるのだが
中東にただひとりの神があった
ユダヤ教が一番最初、枝分かれしてキリスト教、イスラームの順番だ
そうして元がおなじ神を畏れた人々は
おなじように寛容と不寛容を繰り返しているのだと
相手、つまり枝分かれした神々信者は枝分かれを絶対許さないらしいのだ
お互いとことん根絶やしにしないと気が済まないらしい
わたしなどは神社に詣で、帰りにお寺に参るなど平気
そういう節操ない日本人にとって想像もできない憎しみの連鎖、連環
に、飛び込むのはやっぱり大変なことなのである
いや、この距離がなくなった地球に
日本という国だけが縮まってはいられないから
すこしでも西欧や中東や亜細亜や阿弗利加のことを知らなければならない
本当に知っているかどうかを知らなければいけない
わたしという歳も歳で何役立つわけでもないのだけれども
すこしでも勉強して知ることだけでもいいのではないかと思う