菊地章太のレビュー一覧

  • 妖怪学の祖 井上圓了
    井上圓了って名前よく聞くけどあんまりちゃんと知らないな、と思って手にとってみた本。
    妖怪学って妖怪の迷信を打ち払うために始まったんだとか、でもその中に「真怪」がある可能性は否定していないとか、某ラノベの設定って結構事実に即してるとこあるんだねーとか思いつつ流し読んだ。
  • エクスタシーの神学 ――キリスト教神秘主義の扉をひらく
     宗教改革以後、聖女となる修道女を、彼女たちを描いた彫刻や絵画をもとに、その恍惚のありようを読み解く。さらに、精神分析黎明時の同様の恍惚感を示す女性まで、同じような冷静な分析で読み解いてゆく。
  • ユダヤ教 キリスト教 イスラーム ――一神教の連環を解く
    ユダヤ教、キリスト教、イスラームをそれぞれ比較するのではなく、これらの絶対唯一神の宗教から聖戦、福祉、平等、寛容・不寛容がどのようにしてもたらされたのかを解説。とりわけ筆者が絶対唯一神宗教の完成形と捉えているイスラームに割かれる内容が多いが、キリスト教に比べ抽象的な印象を受けがちなイスラームのイメー...続きを読む
  • 悪魔という救い
    映画のエクソシストなどを題材に悪魔と悪魔祓いの解説が長く続く。本の題名に近づくのは最終章。ここを読むと悪魔が人の救いとなることが理解できる。悪いことは全て悪魔のせいにして自分の心を救済する。
  • 妖怪学の祖 井上圓了
    タイトルが妖怪学の祖となっているが、哲学者・宗教学者・妖怪学者として突き進んだ偉人のお話。
    妖怪学者といっても、妖怪として信じられている迷信を打破することに邁進した学者で柳田国男とは対極の存在。

    とにかく幕末〜明治時代の人の話はどれを読んでも凄い。
    活力と不屈の精神に圧倒される。
  • 妖怪たちのラビリンス 西洋異界案内
    「妖怪学」の先生である著者が、(たぶん自身の専門とはちょっとずれた)西洋の妖怪について記述したエッセイ風の本。
    ギリシャ神話の怪物とかドラキュラとかのおもしろ話もよかったのだけど、個人的にはもうちょっとマニアックなものを取り上げてほしかったなあという思いも。

    とはいえこういう「異界のもの」を論じる...続きを読む
  • 悪魔という救い
    悪魔というテーマというよりは、エクソシスト作品の紹介という感じ。もっとエクソシストや悪魔に対する考え方が具体的にかかれているかと思ったけど、「〜なのだろうか」「〜なのかもしれない」という文体ばかり。結局なんなんだ!てなる。
    それぞれの作品に対する考察は面白いけれど、内容としてはストーリーの解説と豆知...続きを読む
  • 儒教・仏教・道教 東アジアの思想空間
    東アジア(主に中国)における宗教のあり方を、欧州のものやインドのものと比較しながら、わかりやすく説明した本。
  • 儒教・仏教・道教 東アジアの思想空間
     本書のサブタイトルに言う東アジアとは、主に中国のことである。儒教による統治システムと、それに対するアンチテーゼとしての道教、そして庶民の生活に寄り添う仏教という3つの要素が混じり合って互いに補完し合い、ひとつの社会を作り上げている。そんな様子を、パラパラといくつかの例を参照しながら語っているのが本...続きを読む
  • 儒教・仏教・道教 東アジアの思想空間
    3つの宗教を3頂点のピラミッドに例えている.頂点ではそれぞれの特色が見えるが,底辺ではお互いに混じり合っているのが,中国の状況.理解するのがむずかしいはずだ.
  • 儒教・仏教・道教 東アジアの思想空間
    著者の方が、阿部サダヲさんに似てました(笑)
    快調な言葉使いに、かいつまんで、愉しく講義を聴いているような感覚だった。
  • 悪魔という救い
    [ 内容 ]
    信者11億のカトリックの世界では、どうして「悪魔祓い」という摩訶不思議な儀式が、生き続けているのだろうか。
    解くカギは、「癒し」であり、「救い」であった!
    そして、その知恵は、現代日本の閉塞感打破につながっていく。
    「悪魔祓い」の、日本初の学術的入門書。

    [ 目次 ]
    第1章 悪魔祓...続きを読む
  • 悪魔という救い
    宗教について学んでみたくなった。

    信仰の立場からではなく
    理性的な面から。

    この新書は初めてというくらい夢中になって読めた。
    リアルな描写にのめりこんだ。

    ただ、最後のまとめ方がなんかあっさり。
    前半が最高だったために、もっと心に迫る結論を期待してしまった。

    まあ、こういうまとめ型だよな、っ...続きを読む
  • 儒教・仏教・道教 東アジアの思想空間
    結構読みやすい。
    東アジアの思想空間はシンクレティズム。さらに日本は東洋と西洋のシンクレティズム、ということになるのか。道教についてもっと知りたくなってきた。
  • 儒教・仏教・道教 東アジアの思想空間
    09/2/26
    エティエンヌ・ラモットの邦訳単行本はない?
     62 なぜ先祖をおまつりしないといけないのか?/儒教は霊魂の存在を肯定する(霊魂がないと考える宗教なんてあるのだろうか)。死者の霊魂は「鬼神」と呼ばれる。その鬼神なる霊魂はどこにいるのかというと,仏教の六道のような次元を異にする世界は想定...続きを読む
  • 悪魔という救い
    2008/3
    キリスト教における悪魔という存在はどんなものか。日本でも狐に憑かれるなどという言葉もあるが、宗教的側面から人の心の問題に触れている。