菊池聡のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人の認知機能にはバイアスがあり、誤りを起こすようにできている。このことに意識的でないと、正常な判断ができないので注意すべきである。当然、ビジネスの場でも気をつけなければならない。
この原因は、省エネルギーの認知情報処理をしているためで、人の能力が低いからではない。同様の誤りは、自分自身が体験、記憶したことにも起こる。さらに、自分の予期に合致するような情報が選択的に知覚されるバイアスがかかり、認知が歪められる。
これを防ぐためには、自分の見つめる上位のメタ視点を持つことが大事であり、自分と反対の視点に立ち、4分割表などで確率を論理的に議論すべきである。 -
Posted by ブクログ
良書。この一言につきる。
唯一気に入らないのは、なぜこんなタイトルにしたんだろうってこと。
これだと超常現象に興味のある人しか手に取らないと思うなあ。
内容はもっと広い範囲をカバーしてて、いわゆる「クリティカルシンキング」の基礎的な態度や技術が、平易な記述で語られている。
そうだなあ。大学1年生くらいの人たちが、ちゃんと考えるための教科書として精読するのに、最適の本だと思う。
それにしても、ここ数年で
「こんなことが脳科学的に明らかになりました!」
と叫ばれてきたもののほとんどが、ずっと前に「心理学的に明らか」になっているのだなあと感慨。
「脳科学」の権威を相対化するにもよい本なのかもしれな -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
UFO、虫の知らせ、星占い…。
科学的には証明できないことも、実際の体験をとおして信じてしまう。
しかしその「体験」は、本当のできごととは限らない!
超常現象の実在を信じてしまうのは、人の思考システムの本質がかかわっている。
[ 目次 ]
第1章 「信じる心」はどこから生まれるのか?
第2章 「自分の目で見たもの」は信じてよいのか?
第3章 体験していないことをなぜ「体験」できるのか?
第4章 その考え方は正しいのだろうか?
第5章 それは本当に「めったにないこと」なのか?
第6章 「信じる心」を生む「体験」のあやうさ
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ -
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Posted by ブクログ
横浜市の飯田北いちょう小学校の、多文化共生教育の実践を紹介した本。
東南アジアを中心に、日本に移り住んできた人が集住する地域であり、小学校には国際教室がある。
日本語に不慣れな子どもには、日本語教育をするだけではなく、母語維持の取り組みも必要だ。
日常生活での会話力はすぐに身に着くけれど、学力につながる思考力は、母語の力が欠かせない。
さらに、保護者にも援助をする。
ここまでできる学校は、なかなかない。
今や国際理解の時代ではなく、多文化共生教育の時代だと本書にある。
その社会では、外国語を母語とする人は、「言語資源」として尊ばれるべきだと。
人を「資源」と呼ぶことに抵抗を覚える向きもあるだ -
Posted by ブクログ
UFO、心霊現象、血液型性格診断、予知夢(虫の知らせ)。そういう、オカルト・疑似科学的な現象をひっくるめて、ここでは「不思議現象」と呼ぶ。本書で繰り返し述べられていることであるが、著者は、こういった不思議現象の存在を否定しているのではない。その可能性を否定することは、原理的にできない。そのため、不思議現象について議論しようとすると、たいてい水掛け論に陥る。
不思議現象が科学的に認められない訳は、それが科学的知識に反しているからではない。そうではなく、信頼性と妥当性が欠けているからである。(信頼性と妥当性が何か分からない人は、本書を読んで欲しい。)まずはそのことを認めた上で、では、人々はなぜ不 -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
週刊誌の占いページやテレビのオカルト番組の語り口に、つい「なるほど」と納得してはいませんか?
私たちの日常生活に深く浸透しているこころの錯覚を巧みに利用した論法を知ることは、社会を揺るがす様々な問題を見据えるための、大切な手がかりとなる。
認知心理学の眼をたよりにしながら、オカルトや超常現象、占いや通俗心理学に隠された、危険なこころの落とし穴を覗きこむ。
[ 目次 ]
客観的事実と「こころの真実」
宇宙からの使徒
超常現象研究の危うさ
真夏の激闘
血液型性格判断という錯覚
心理学者の悩み
占いとカウンセリング
クリティカルな思考のために
[ POP ]
[ おすすめ度 ] -
Posted by ブクログ
▼100文字感想▼
自分の考えることなんてホントに疑わしいものだと
知った。結局、自分の体験が強力に記憶にこびり
ついてるんですね。さらに、自分が目で見たことや、
過去の思い出さえも疑わしいという事実に驚いた。
相手の意見を受け入れられずに悩むあなたへ!
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▼3つの共感ポイント▼
■人はそれぞれ「自分の見たいと思っているように
ものを見る」知覚システムを備えているのです
(P54)
■なんとなく気になるという気持ちから物事を見ると、
そこに確証バイアスが働き、やがて -
Posted by ブクログ
オカルトを信じること自体ではなく、思考停止状態に陥り、もっともらしい説明を信じてしまう姿勢を批判しているので、占いや霊能力などを信じている人でも読みやすい最良の入門書だと思います。
「広い宇宙には人間以外の知的生命体がいるに違いないから、未確認飛行物体のうち、調査をしても正体がわかないものは宇宙人の乗り物かもしれないじゃないか」と言うのは、井の頭公園で目撃された不審者が「海の向こうにアメリカ大陸があるのだから、そこから来た人に違いない」と言うくらい、無茶だ。・・・といったわかりやすい例を挙げて、オカルト信者の思考停止状態や論理の破綻を解説しています。
また、UFO・霊能力・血液型性格診断・占い