あらすじ
外国籍の児童など様々な文化的背景をもつ子どもたちが多く通う横浜市の公立小学校.ここでは国際教室を中心に多様性を尊重した学校づくりが行われている.習熟度別に分けられた小人数クラス,さまざまな国の言葉が貼り出された昇降口,多文化を意識した華やかな運動会….長年にわたり国際教室を担当してきた著者がこれからの多文化共生のあり方を語る.
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Posted by ブクログ
「外国につながりのある子ども」という言い方、他の本でも読んだのでどんどん広まっているんだなと思った。
日本「で」住みやすく、から、日本「が」住みやすくなるよう、考え方を変えていかないといけないんだろうな。
Posted by ブクログ
横浜市の飯田北いちょう小学校の、多文化共生教育の実践を紹介した本。
東南アジアを中心に、日本に移り住んできた人が集住する地域であり、小学校には国際教室がある。
日本語に不慣れな子どもには、日本語教育をするだけではなく、母語維持の取り組みも必要だ。
日常生活での会話力はすぐに身に着くけれど、学力につながる思考力は、母語の力が欠かせない。
さらに、保護者にも援助をする。
ここまでできる学校は、なかなかない。
今や国際理解の時代ではなく、多文化共生教育の時代だと本書にある。
その社会では、外国語を母語とする人は、「言語資源」として尊ばれるべきだと。
人を「資源」と呼ぶことに抵抗を覚える向きもあるだろうが、多様性を尊ぶべきだという考えはすばらしいことだ。
これがトランプ大統領が率いる国の姿だと思うと、驚きだ。
実際、これを読んだ直後、仕事で出張して、現地の学校の先生の話を聞いた。
母語維持がうまくできなくて、親御さんが心配しているケースがあった。
まさしくこの本の話。
しかし、小学生中学年くらいまでが、この問題にとって、重要な時期だという。
でも実際には、小学生低学年以降に、多文化に編入するとは限らない。
日本に帰ってくるのも大変だ。
こういう境遇のケースが、もっと注目を集めでもよい。
Posted by ブクログ
国を跨いで育つ子どもが、幸せに暮らしていけるためには・・・を考える本。周りにそのような子がいなかったから、あまり考えたことがなかったkれど、市内でそういう子どもたちが増えている。学校で日本語が何とか離せたり、勉強でも使えるようになってきたとしても、母語を忘れてしまい、親と話せなくなってしまったら悲しいことだ。母語も日本語も、十分ではない状態で大切な人とコミュニケーションを取るのは、難しいだろう。移住する人たちは、子供の成長段階をよく考えたほうがいいんだろうなと思った。
Posted by ブクログ
多国籍学校ならではの多くの課題を、今日もにぎやか!のタイトルでとても前向きに語られている。
多様性について考えさせてくれる。
言葉の問題では、日本語の習得レベルの違いだけが問題かと思いきや、その先に自国の言葉を忘れ、自分の親ともコミュニケーションが不足するという問題には驚いた。
アイデンティティを育むことの大切さ。
自分のルーツを知ること(失わないこと)は、自己肯定の一歩だと感じた。
日本の人口が減って、国を支えるためには、多様性は避けられない。急速に発展したシンガポールを知ること、多様性の歴史の長いアメリカなどを知ることは、これからの日本人に求められる知識なんだろうと感じた。