斎藤信治のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
キェルケゴール 「死に至る病」
絶望について論じた本。死に至る病=絶望=地獄 として、キリスト教による救済につなぐ構成
絶望から解放されるにはキリスト教による救済しかないという結論だと偏狭さや他人任せを感じるが、フォイエルバッハ 「キリスト教の本質」のように「神が人間であり、人間が神である」として読むと、信仰の意味が自己対話的になり、主体的に絶望から脱け出す方法が見えてくる
著者の結論
*絶望=自己の病→自己の喪失=神との関係の喪失
*絶望は 精神の領域=自己自身との関係 において起きる
*絶望を通じて、神の前に現存する自己を意識することで 絶望から解放される
人間は 追いつめ -
Posted by ブクログ
死に至る病とは何か、1ページ目をめくった瞬間に答えが出た、と思ったのにそこからが遠かった。
最初が論文口調でいて自分の意見を世の中全てに当てはまるように話しているだけなのか、「自己自身とは自身の自己に関する関係である」云々のようにトートロジーっぽくて抽象的で何を言っているのかわからない。結論から言うと、最初の数ページは飛ばして読むでも大丈夫だった。そして絶望の類型のあたりから意味がわかってくる。
絶望の先にある唯一の救済はキリスト教の信仰にある、という点で相容れないものはあるけれど。貴賎や行動でなく、自分に対する自分自身の認識、意識によって絶望のランク分けがされるという(解説によると実存主義の