業田良家のレビュー一覧

  • 機械仕掛けの愛 1
    【人の在り方を見せつけるロボット達の悲しい物語】

    皆さん、今週末は壮大なテーマを優しい描写で包み込んだ作品
    を大切な方と一緒に読んで、もう一度お互いの愛情を再確認して
    みませんか??

    そんな今回は福岡県が誇る人情漫画家の業田良家氏の傑作、
    『機械仕掛けの愛』をご紹介します。

    この作品の主人公は...続きを読む
  • 新・自虐の詩 ロボット小雪
    舞台は近未来で、その世界は格差社会。その世界で、主人公であるロボットが人間の気持ちを持ってしまう漫画。基本的には、4コマで淡々と物語りは進んでいくのだが、主人公が人間の持つ感情に気づいてしまったときとか、4コマという表現の限界まで到達しているんじゃないかと思うぐらいグッときます。ちょっと左翼っぽいの...続きを読む
  • 機械仕掛けの愛 1
    安定の業田クオリティ。
    ロボットを相手にするがゆえに人間のエゴがむき出しになったり、逆にやさしさがにじみ出たりする。
    とても切なく、心に残る物語。
  • ゴーダ哲学堂 悲劇排除システム
    作中で繰り返されるスローガン、「悲劇、排除されるべし。」

    怖ろしい言葉です。
    何が怖ろしいって、自分が生きている現実の社会においても、いたる所からこの言葉が聞こえてくるところ。

    老いているよりも若い方がいい。醜いよりも美しい方がいい。
    生活習慣を改めなさい。病気になりたいんですか?死にたくはない...続きを読む
  • 機械仕掛けの愛 2
    九編からなる短編集。どの作品にも共通しているのは、ロボットの無償の行為を通して人間に大切な事を教えようとしていること。命の尊さだったり、愛とは無償の行為ってことだったり。最後の一編は、人々の営みを神の視点で俯瞰して、争いの虚しさや生きていることの尊さを諭す様な内容で、前八編がオムニバスに繋がる。宇宙...続きを読む
  • 新・自虐の詩 ロボット小雪
    『自虐の詩』同様、序盤はたいして笑えるでもないギャグ漫画なのに、いつの間にやら引き込まれ、序盤の内容が後半に効いてくるお見事な構成。テーマとしてはSFにありがちなものではあるけれど、視点が確かだから間違いない。左寄りな理想論が展開されて、いい話だけどどうなんだろうと読み進めると、安易な結論には持って...続きを読む
  • 機械仕掛けの愛 2
    戦わない男の戦争を描いた「丘の上の阿呆」が特に好き。切ないけど、最後にひとかけらの希望を残して終わる感じがいい。あと、この巻の最後に収録された「オオミルハナ」も秀逸。これまでのストーリーが幾重にも重なり、つながり、広がっていくような余韻がすばらしい。
  • 機械仕掛けの愛 1
    ロボットと人との交流が時に切なく、時にコミカルに、時に残酷に描かれる。読み終えて優しい気持ちになれる、愛おしい作品群。「リックの思い出」にほろりとした。
  • 機械仕掛けの愛 1
    人間でない機械が人間的感情を持つことにより、人間的感情のおかしみ、哀しみを更に際立たせている.
    業田良家の人間哲学は好みですねえ.
  • 機械仕掛けの愛 2
    9編からなるオムニバスだが、最終話「オオミルハナ」で、それまでバラバラにみえた各話が繋がってくる。う~む、これは凄い展開だ。第3集が楽しみ。
  • 機械仕掛けの愛 1
    第1話の「ペットロボ」でいきなりやられた。この切なさは反則だ。
    「ロボット小雪」を読んだ時も感じたやるせなさ。
    人間の、人間たる所以を、ロボットと対比してみせることで明確にしてる。
    「ロボットが心を持ったら」という設定は、アトムを生み出した日本人だから思いつくんだろうか。
    部屋を掃除してまわるルンバ...続きを読む
  • 川柳虎の皮
    「虎は死して皮を残す。
     人は死んだら川柳を残せ」をコンセプトとして

    一般より公募した川柳集。

    お題を与えられてから初めて、それを深く思う時に生まれる気付き、発見。
    それらを17文字の短文に納める為に厳選されたであろう言葉は、なるほど~!
    詠人は存知なくても、言葉は記憶に残りそうかも、と思った。...続きを読む
  • 世直し源さん(3)
    結局日本がどんな国になったか、そこは明かされないまま終了したけどこれでいいと思う。
    あとは読者が想像を自由に想像をふくらませていいということだろう。
    伊藤博文や大隈重信の銅像が動き出して説教するシーンやテレビ局をまるごと買い取って政治腐敗を全部ぶちまけちゃうシーンがすごく楽しかった分、最後の国民がた...続きを読む
  • 神様物語
    全1巻。神様の仕事はゆるす事。生身の身体で降り立った神様がまーったりとこの世のいろいろなものに感動したり、時には人の優しさにふれたり。僕は神様の事を信じたりしてはいないのだけれど、こんな神様ならいたらいいかもなーって作品。温かい気持ちになりますよ。
  • 世直し源さん(1)
    政治を扱ったマンガなのになぜサブタイトルに『童話』ってついてるんだろう?というのが最初まず疑問に思ったところだったが、読んでいるうちに納得した。
    主人公の源さんはステテコ姿で登院するわ、5人の女性と重婚するという犯罪を犯してるわで現実味がないのだ。
    マンガでしか、童話のような世界でしかあり得ない設定...続きを読む
  • 神様物語
    きっと本棚から神様が呼んだんだと思う。
    「関係あれ!」って。
    すごいへっぽこな外見の神様と妙に現実主義的なアンジェラ。
    神様が人間の世界にやってくる、という設定は「聖☆おにいさん」に似てなくもないが、業田さんの描く神様は、ストレートに神様である。でも地球上にいるときは生身の体(ロボットのような頭部だ...続きを読む
  • ゴーダ哲学堂 空気人形
    諦めてはいるけれど、諦めきれない。
    そんな矛盾がこの本の底流にはある。
    人は自己矛盾を抱えながら生きていくしかないものだ。

    ちなみにタイトルの空気人形は映画とはまったくの別物です。
  • 新・自虐の詩 ロボット小雪
    またしても業田さんの漫画で涙してしまった。
    心を持ってしまった「モノ」という点で、「ゴーダ哲学堂」の空気人形にも似た悲しさがある。

    駄目ロボット小雪と持ち主(彼氏?)拓郎との緩やかな関係性に癒される。(あ、でも拓郎くんは隙あらば他のロボットを買い換えようとしてる)
    前半のコミカルな印象とは裏腹に、...続きを読む
  • 世直し源さん(1)
    業田 良家は 稀代の名漫画家であると私は思っている。世相を斬り、ユーモアをそなえたこの作品。ぜひ現代(民主党政権)版を見たいものである。
  • 新・自虐の詩 ロボット小雪
    傑作『自虐の詩』から幾年かを経て、再び同名を冠した作品。
    これまでも『ゴーダ哲学堂』というシリーズの中で人間に使役するロボットをモチーフとした短編を何篇も発表しているが、『自虐の詩』同様の形式でギャグ四コマから怒涛のストーリーが展開されている。