池田智恵のレビュー一覧
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【長安のライチ】 馬 伯庸 著
「6月1日の楊貴妃の誕生日に、嶺南(広東省)の新鮮なライチを、長安(西安)まで運び献上せよ」という「命」を受けた下級役人(できなければ「死」)。これをどう遂行するかを書いた中国版“ミッション・インポッシブル”。すでに映画化されているようですが、まさに映画に打ってつけの内容です。
「楊貴妃の何気ない一言から始まり、そして楊貴妃の一つの笑みで終わった」のですが、この二つの間に、どれほど多くの人の辛苦があるかを描いています。著者はパンデミックのときに、「決算! 忠臣蔵」「殿、利息でござる!」などの日本映画で下級役人から見た歴史を知り、その後、皇帝がライチを楊貴 -
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『西遊記事変』の“お仕事小説味”+『両京十五日』の“決死行味”をミックスした味わい(なんだそれ)。面白いし読みやすい。
唐の玄宗皇帝の天宝14年(755)2月。長安の下級官吏・李善徳は途轍もない仕事を押し付けられる。楊貴妃の誕生日6月1日に嶺南産の茘枝を長安に届けろというのだ。その距離2500km!生の茘枝は3日で腐るという。絶対に不可能な使命に李善徳が取った行動とは…。
著者は「後書き」に、インスピレーションを得た日本の映画を幾つか挙げています。確かに“社畜”とか“官僚主義の不合理さ”など、現代と相通じるものを感じます。
ましてや現代の“かの国”では、ここで描かれた以上に“官僚機構の理不 -
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ライチ!
漢字で書くと茘枝!
R-1グランプリ2025優勝!それはライパチ(最近こんなん多いぞひまわりめろん)
そして楊貴妃!
世界三大美女のひとりです
そしてライチ大好き!
そんな楊貴妃の誕生日に玄宗皇帝が新鮮なライチをプレゼントしようと思い立ったのが物語の始まりでございます
だがしかーし
ライチは南国の果物
楊貴妃が住む長安からはそりゃもう遠いのよ
しかもライチは三日で腐るという代物
最適解は冷凍して空輸
よし解決
なわけあるかーい!
冷凍も飛行機も影も形もない時代の話だわ!( ゚д゚ )クワッ!!
そして冷凍庫も空輸もない時代にこのとんでもない命令を受けた小役人の奮闘の物語なの -
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あの歴史上知らぬ人がいない楊貴妃さんが、ライチ好きだったのはわりと知られた話なのだが、そういえばライチは腐りやすく、蜜漬けならともかくどうやって生を食べたのだろう??という謎に迫った作品。
私が清のドラマを見た時は別の方法だったし、そっちで正解なのでは?と今でも思っているが、ドラマティックさでいえば本書ほどドラマティックな運び方はない。
それにしても、日本人でも生ライチが食べられる現代は贅沢だなぁと思う。
李善徳は家のローンを組んだばかりだった。職場に戻ると、ライチの蜜煮を皇帝が食べたがっているので無事に取り寄せるようにとの詔勅が下る。だが詔勅には細工がしてあって、蜜煮ではなく、生ライチを取 -
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映画版をとても面白く観させてもらったので、原作はどんな感じなんだろうと読んでみれば、こちらもサクサクとリズム感良く楽しく読めた、エンタメ社畜ドラマ(!?)でした。
映画でおおよその筋が頭に入っているという前提はあるにせよ、真摯でまっすぐな主人公の善徳の辿っていく悲喜こもごものライチを長安に届ける道程を、時に笑い時に泣き、そして終盤は悔しさと切なさを帯びつつも並走できました。無駄のないさっくりした文体と、漢詩や格言も練り込んだ言い回しの軽やかさもとても良かったです。作者の別作品も読んでみたくなりました。
映画とは筋書きは細かくは違いますし、蘇諒との顛末はちょっと切なさが残りましたが、それだけ -
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念願のマイホームを長安に得た主人公が嵌められたのは実現不可能な案件。長年可もなく不可もなく、ただこのまま出る杭ともならずにローンを返すためだけの人生を思い描いていたところに舞い込んだ任務。当初楽な仕事と思っていたのに嵌められた事に気づいた時には時遅し。なんと数ヶ月後には首と胴が離れる予定が立ってしまう。
中国の唐を舞台にした新鮮なライチを長安まで運ぶプロジェクト。唐でライチならいわずとも舞台に上がるべき役者は決まっている。しかし、そんな大物の影を感じつつも話はヒラ官吏の目線から下っ端の苦悩や切なさと共に語られて行く。実現不可能なプロジェクトを前にして家のローンと残されることになる家族を背水とし -
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「両京十五日」の馬先生の本ということで手に取りました。楊貴妃に生のライチをお届けするプロジェクトX小説とのこと。
読み終わった感想は、そうきたかー。って感じでした。もっと爽快痛快な時代劇を想像していたので、唐の官僚たちのドロドロとした足の引っ張り合いに嫌悪感すら感じました。でも、中国の作家さんが描かれたくらいだから、実際もこんな感じだったのでしょう。勧善懲悪の世界線ではないんですね。
あと、他の著作を読んだ時にも感じましたが、中国の地理や歴史に関する知識がもっとあれば、より楽しめたかなーと思いました。日本人としては平均以上の理解があると思うんですが、中国を母国としている方たちのレベルには遠 -
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唐の時代、生のライチを遠方から都まで届けなくてはならなくなった役人の話。
数学が得意な役人である主人公が、プロジェクトXばりに試行錯誤を繰り返し、遥か長安までライチを届けようとする過程が面白かった。無理なプロジェクトを任されたときの感覚がフラッシュバックする人は多いかも。。
また、一見頼りなさそうな主人公が義を重んじるところも良かったし、彼が自分ではどうしようもない力によって不義理を欠かされる描写は、その分つらいものがあった。大円団とまではいかずとも、最後は救いのある終わり方で良かった。
基本的にコミカルな筆致で書かれているが、それでも中国文化の奥深さを感じられた。史記からの引用も分からな -
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池澤春菜さんが出版区でおすすめされていた本。
中国の翻訳本を読むことがあまりないけれど、文字が大きくて安心。
人物や地名、名称が中国なので、翻訳文学としてのとっつきにくさはやはりあるものの、かなりリーダビリティがあり読みやすい。
中国の社畜の話、という前評判の通り。
社畜ではないけど、会社員というか組織で働いたことのある人には刺さりそう。
あらすじとしては、唐の時代の話。楊貴妃がライチを好きだったという逸話があるが、作中でも生のライチを食べたいという。しかも産地指定。
ライチは取ってから3日しか持たない。でも長安までは2500km、どう頑張っても間に合わない。
試行錯誤しながら、どうにか