犬丸幸平のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ2026年度の「このミステリーがすごい大賞」を受賞したということで、興味を持って読んだのが本作になる。
舞台となるのは、清朝が滅亡した後の中華民国であり、主な登場人物は最後の皇帝にして、後に満州国の皇帝となる愛新覚羅溥儀と、その皇帝に水墨画を教えるという立場で、応急に入ることになる主人公一条剛だ。
主人公の一条は、実は隠された使命を持って溥儀に近づいているのだが、物語の当初ではそれは明らかにされておらず、単純に清朝の復興を画策する溥儀のために、美術品の贋作を作り、本物の美術品は売却をすることを手伝うという仕事を行うために王宮に入ってくる。
そして二人は偶然発生した王宮の中で発生する様々な事件を解決していくことになるのだ。
物語としては、大きくこのミステリー的な要素と、この主人公の一条と溥儀の交流が並行して描かれていく。溥儀は元皇帝ということもあり、周囲には友人と呼べる存在も一切なく、周りにいるのは彼の補佐をする宦官のみです。
とはいえすでに中華民国により権力は失い、資金も乏しくなった王朝では、宦官たちをコントロールすることもできず、彼は孤独に苛まれている。
その元皇帝にとって一条は数少ない自分に敬意を持たない人間であり、そして年齢も近いということで、やがて二人は少しずつ友情と呼べるようなものを築いていく。
しかし、一条が彼に近づいたのは実はある巨大な目的があったためであり、その目的はやがて彼らの友情に幕を下ろすきっかけとなっていく・・というのが本作の大まかなあらすじだ。
自分は中国文化に一般の人と比べてやや知識が深いということで、評価がやや辛くなってしまうのだが、ミステリーとしては物語を牽引する「提示される謎」の力が弱く、一方で中国文化を描くにしてはやや底が浅いということで、どうしても全体としての評価は低くなってしまう。
新人が取った賞ということでこれからの活躍を見守ってあげたいという気持ちもあるのだが、このままだと2作目が出たとしても、その後尻すぼみになってしまうという気もする。
もう少しどこかの領域で尖った方が、作品としても面白いものが書けるだろうし、作家としても面白い経歴を歩んでいけるのではないかと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ宮廷とは無縁の日本人の画家がひょんな事から宮廷勤めになって色々起こる不可思議な事象や殺人事件を解決しつつ皇帝と仲良くなっていく……まあ「薬屋のひとりごと」の友情版かなーって思って読み始めた
初っ端から色んな人物やら役職やら中国語の単語が出てきて覚えられる気が全くしなかったので「なんとかなるやろ」精神でとりあえず読み進めると、意外と字面と口調で誰が誰か分かるようになってて助かった
ちなみに最後まで主人公以外の名前の読み方は覚えていない
が、なんかラストに向けて不穏な空気が出てきてビターエンド
はあーーーー?!!!
史実がどうとかそんなん知らねーーー!!!
なんだよーーー!!やめろよこういう展開!!
こういうマイナスなどんでん返しというかビターエンド展開はまどマギ辺りの流行で終わっといてーー!!
お前(主人公)の心より私の心のが10億倍いてぇわふざけんな!!!自分に酔うな!!!!
ってなりました。
でもまあ小説としては読みやすかったです
面白かったけど、今ひとつこう、ミステリーとしてあっと驚くというか感心するような展開は無かった気がする
そういう意味でも「薬屋のひとりごと」っぽかった -
Posted by ブクログ
ネタバレ1920年代の中国、激動の時代を舞台にした、ある孤独な皇帝と日本人水墨画家のお話です。
城内で起こる不穏な事件を、主人公の剛が解決して行くミステリ作品なんですが、
やっぱりこのミスとの相性が悪すぎる……。
毎度大賞だし期待!!!と思って読むのに
全然刺さらないからちゃんと学習しよう。
主人公への、どうしても拭えない胡散臭さが
最終章を読むことでなるほどとはなるんだけど
もう少し皇帝との身分差の友情が描かれるのかと思いきや、そこも深くは描かれず、ミステリ要素も衝撃!となるほどストーリーにハマれず、目新しいトリックもなかったので印象に残らなかった。
この時代らしい、哀しいお話ではあった。