犬丸幸平のレビュー一覧
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ネタバレ(あらすじ)
1920年、中国。北京在住で日本人絵師の一条剛は、紫禁城に住む廃帝・溥儀に水墨画の師として雇われた。しかし溥儀には、城に眠る水墨画を贋作にすり替えて真作を秘密裏に売却し、清朝復興のための資金を調達する目的があったのだった――。
使用人の宦官のひとりが密室で不審死を遂げた事件を皮切りに、龍の絵に何者かの手で描き加えられていた目、ある時を境に感情をなくした宦官など、一条はさまざまな謎を少年廃帝とともに解き明かすことになる。立場を超え、ふたりの間には徐々に友情が芽生えていくが……。
紫禁城で起こる事件に、身分も国も超えた友情×歴史ミステリー!!2026年「このミステリーがすごい」大賞 -
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第24回本屋大賞受賞作。本編と関係ない溥儀の日記が、段落ごとに入る。なんか年齢相応で可愛らしい。それとこの作品はミステリーが本題ではなかったのだ。
一条剛は北京で暮らす日本人。水墨画を得意とする。宦官に連れられて紫禁城に向かうと、溥儀から紫禁城に眠る水墨画の贋作作成依頼を受ける。ところが出勤1日目に血生臭い死体が皇極殿に転がっていた。
死んでいたのは太監のひとりで、遺体のそばには小刀、粉末、すり鉢、すりこぎがあった。病床に臥した者に肉親の血肉を用いて薬を調合すると病が治るとの言い伝えがあり、それをしようとしていたらしい。贋作を模写しつつ、事件を調べることになった。
また謎がひとつ。事件前 -
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タイトル通り溥儀と交流を持つ一条剛が語り手です。産婆である李美玲に育てられた剛は日本語も中国語も同じように話すけれど、中国ではやはり日本人として、敵視される。水墨画を嗜むことから溥儀の教師として召し上げられるも、役目は紫禁城にある水墨画の贋作を作り資金を得ることだった。
紫禁城で溥儀と少しずつ打ち解けながそこで働く太監(宦官)たちとも交流していく。そんな中いきなり宝物殿に死体があったりと、事件が起きていき、一条剛が探偵となって解決する、という流れ。ミステリとしての本作より、もしかしたら、あったかもしれない物語としての面白さを感じました。当時の日本と中国、廃れ行く中国の皇室、宦官という制度などが -
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1920年中華民国建国後の紫禁城、廃帝と日本人水墨画家が様々な事件に挑む #最後の皇帝と謎解きを
■あらすじ
1920年、中華民国が建国。清朝の皇帝であった溥儀は廃帝となり、紫禁城に居座っていた。北京在住の日本人、一条剛は溥儀に水墨画の先生として呼ばれるも、実際は清朝復興の資金調達ために紫禁城にある水墨画の贋作づくりとして駆り出されたのだった。
ある日、紫禁城で宦官のひとりが殺害されてしまう。一条が事件解決に乗り出すと、溥儀も彼に興味を持ち始め…
■きっと読みたくなるレビュー
面白いし、学びになるし、まとまってるし。新人先生とは思えないバランスの良さですね。
なにより舞台設定が素晴らし -
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第24回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。
友情×歴史ミステリーということで、あまり読んだことがない感じなので、どんなもんかと手に取った。
舞台は1920年、中国・紫禁城。北京在住の一条は廃帝・溥儀の水墨画の師として雇われる。しかし溥儀には、城に眠る水墨画を贋作にすり替えて真作を秘密裏に売却し、清朝復興のための資金を調達する目的があった。側近の一人が密室で殺された事件を皮切りに、ふたりはさまざまな謎を解き明かし、立場を超えた友情を育むが…
仕方のないことだけれど、中国人の名前が読みづらく、似たような名前も多いので、あれ?どっちだっけ?ってなる。途中から諦めて普通に漢字読みをすることに -
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2026年第24回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞受賞作。王様のブランチでも紹介されて興味を持った一冊。
舞台は1920年の北京。廃帝となった溥儀と日本人絵師一条剛が紫禁城内で起こる殺人事件に挑む。溥儀と言えば映画「ラストエンペラー」。幼くして母親と引き離され、皇帝となった彼は誰からも怒られることなく、愛情や友情を知らない青年になっていた。ところが、一条と殺人事件を紐解くという交流を通して、はじめて友達という概念を知り気持ちの変化に気づく。ところどころに差し込まれる溥儀の日記が素晴らしい。
この本は、殺人事件の解決だけではなく、人間に必要な愛情や友情も丁寧に伝えている。
また中国独 -
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心優しい宦官、翁徳。日本人に嫌悪感を抱いている宦官、宝徳。皇帝でありながら15歳で思慮の浅い溥儀。こういった人間の関係性が事件を追うごとに目まぐるしく変化していく。ミステリーの醍醐味だと思った。
日本人絵師の一条剛は贋作づくりのため紫禁城に出入りするようになる。贋作づくりは溥儀の復辟を目的とした資金集めのためのもの。溥儀自身は日本人を好ましく思っていないが、復辟のために嫌々、剛に出入りを許す。
最初こそ毛嫌いしていたものの宦官とは違う接し方や態度に徐々に心を許していく。剛に「孫犬」という字をつけるなど友人といえる関係にまでなる。
この作品は溥儀が皇帝でありながら15歳であることを思い出させ