犬丸幸平のレビュー一覧
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ネタバレ1920年の中国宮中が舞台。最初は登場人物の中国語読みが難しく、とっつきにくさがあったが、水墨画の定師として雇われた主人公の青年・一条剛とまだ幼さのある皇帝溥儀がぶつかりながらも仲を深めていくやり取りが微笑ましく、謎解きも面白くて吸い込まれるように読んだ。
章ごとに溥儀の心の成長が感じ取れる日記が挟まれている珍しい演出があり、我儘な溥儀が素直に自分の気持ちを記していて心の動きが分かり素敵だった。
皇帝を支える宦官達もそれぞれキャラクターが立っていて、彼らの友情ストーリーも心が温かくなった。
そしえ最初のあの人のあの一言、なんだか違和感がありつつもさらっと読み流していたけどそんな意味があったと -
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ネタバレ結末が切ない。何も説明せずに去る主人公とその後に龍と犬が寄り添う水墨画を見つけた皇帝。自問自答を繰り返したであろう皇帝の心中を思うと辛い。
本編は短編連作のように一つの章で扱った謎が絡み合って繋がって行く。舞台が舞台だけに政治が絡まない訳ないのだけど、一見そうと見えなかった謎が最終的には全部政治的に絡め取られてしまう。フィクションとは言え実際に存在した人物、時代を扱っているので、そうなってしまうのかと嘆息。耳慣れない外国名で冒頭こそなかなかすんなり頭に入ってこないが、段々と登場人物達に愛着が湧いてくるだけにこの結末は寂しい。
廃帝、宮廷、宦官と特殊な舞台にとても興味を唆られた。 -
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ネタバレ1920年の中国。世界全体が混沌としていた時代ですが、中国も例外ではなく、滅亡した王朝を復活させようとする企てに巻き込まれた廃帝溥儀と、その企てに利用される形で紫禁城に勤めることとなった日本人とのひとときの淡い友情を描いたお話。
最初こそ反発しつつも、他の従者からはない反応を見せる剛に対する興味が次第に大きくなり、芽生えた感情が『友情』であることに気づく溥儀。
城から出ることを許されなかった15歳の少年は、剛から得る新鮮な刺激に、少しずつ人間らしさを身につけていきます。
きっと、彼を操ろうとする周囲の大人からすると、人間らしさなんて無い方が都合がいいのでしょうが。
紫禁城で起こるいくつか -
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清朝の廃帝(宣統帝・愛新覚羅溥儀)が紫禁城に宦官らと住まう1920年の北京で、廃帝の帝師となった日本人絵師が巻き込まれる事件と謎解き。
日清戦争(1894-1895)、三国干渉、日露戦争(1904-1905)、第一次世界大戦(1914-1918)のすぐ後で、満州国建国(1932)に向けて日本が動いている時代背景であればこその事件であった。
それぞれの事件が絡み合う展開もいかにもだったが、事件にまつわるエピソードや小道具がピタピタッと噛み合ってくるのは伏線回収の満足感よりも、できすぎだと感じられた。
このミス大賞受賞作『龍犬城の絶対者』の改題・加筆・修正ということだが、元タイトルだとさらに出来す -
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1920年、中国。北京在住で日本人絵師の一条剛は、紫禁城に住む廃帝・溥儀に水墨画の師として雇われた。しかし溥儀には、城に眠る水墨画を贋作にすり替えて真作を秘密裏に売却し、清朝復興のための資金を調達する目的があったのだった――。使用人の宦官のひとりが密室で不審死を遂げた事件を皮切りに、龍の絵に何者かの手で描き加えられていた目、ある時を境に感情をなくした宦官など、一条はさまざまな謎を少年廃帝とともに解き明かすことにー。
このミス大賞の作品です。紫禁城のことがわからなくても読めるところは好印象です。でも残念ながら一条家の考え方が好きにはなれません。ミステリーとしては面白いのですが。