犬丸幸平のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
【“空っぽの最後の皇帝”に芽生えるもの】
舞台は1920年の中国。北京在住の日本人絵師・一条剛は、紫禁城に住む溥儀に水墨画の師として雇われる。目的は、清朝復興の資金を得るための贋作制作だった。
権力も金もなく、さらには人としての感情すら欠落している溥儀と、一条という異色のコンビが、紫禁城で起きる様々な事件を解決していくストーリー。
謎解き自体はテンポよく進み、当時の国際情勢も適度に織り込まれているため、全体を通して読みやすい。(※因みに清朝側の登場人物は似た名前が多くて、やや混乱しやすい)
物語が進むにつれ、溥儀の人間性は少しずつ揺さぶられ、次第に“人間らしさ”が芽生えていく。しかしその裏で -
Posted by ブクログ
紫禁城を舞台にした歴史と、友情と、時々ミステリー。
日本人の主人公目線で物語が進むので、特殊な宮廷内のルールも(比較的)飲み込みやすく解説してくれる。
唯一覚えづらかった中国の人名も、各々の性格が分かりやすく『この人はこういう人』と、混乱することはなかった。
章が進むごとに人間関係が進展して、登場人物達のことがどんどん好きになってくる…けど。
清朝の行く末を知っていると、読み進めるのが楽しくもあり、寂しくもあった。
ラストエンペラーの映画を見た時、この中に孫犬が居たら…と妄想してみるのも良いかもしれない。
全体的に読みやすくサクッと読めてしまうのでお勧めです。 -
Posted by ブクログ
タイトル通り溥儀と交流を持つ一条剛が語り手です。産婆である李美玲に育てられた剛は日本語も中国語も同じように話すけれど、中国ではやはり日本人として、敵視される。水墨画を嗜むことから溥儀の教師として召し上げられるも、役目は紫禁城にある水墨画の贋作を作り資金を得ることだった。
紫禁城で溥儀と少しずつ打ち解けながそこで働く太監(宦官)たちとも交流していく。そんな中いきなり宝物殿に死体があったりと、事件が起きていき、一条剛が探偵となって解決する、という流れ。ミステリとしての本作より、もしかしたら、あったかもしれない物語としての面白さを感じました。当時の日本と中国、廃れ行く中国の皇室、宦官という制度などが -
Posted by ブクログ
1920年中華民国建国後の紫禁城、廃帝と日本人水墨画家が様々な事件に挑む #最後の皇帝と謎解きを
■あらすじ
1920年、中華民国が建国。清朝の皇帝であった溥儀は廃帝となり、紫禁城に居座っていた。北京在住の日本人、一条剛は溥儀に水墨画の先生として呼ばれるも、実際は清朝復興の資金調達ために紫禁城にある水墨画の贋作づくりとして駆り出されたのだった。
ある日、紫禁城で宦官のひとりが殺害されてしまう。一条が事件解決に乗り出すと、溥儀も彼に興味を持ち始め…
■きっと読みたくなるレビュー
面白いし、学びになるし、まとまってるし。新人先生とは思えないバランスの良さですね。
なにより舞台設定が素晴らし