川北省吾のレビュー一覧
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アメリカ、ロシア、中国の動向を失地回復(レコンキスタ)の観点から解読する。
アメリカはグローバル化によって貧困に陥った白人男性たちの復権(MAGA)を、ロシアと中国は本来偉大なはずの祖国の復興を目的としている。
ロシアは偉大な国であるのにソ連崩壊によって不当に貶められた、というプーチンの意識についてはラックマン『聖なるロシアの復興』の記述と重なる。
習近平の場合、統治と国土拡大は四書五経に基づいた伝統的価値観に則っているという。
ロシアと中国は反アメリカの点で利益が一致している。
ロシアの西側への攻撃が恐ろしい。インターネットを利用した情報工作、極右政党への支援、難民の武器化。ヨーロッパを混乱 -
Posted by ブクログ
本書の核心は、現代が国際的なルールや協調よりも、軍事力や経済力といった「力」がすべてを決定する19世紀的なパワー・ポリティクスの時代へと先祖返りしている、という指摘です。
トランプ、プーチン、習近平といった大国指導者たちが、かつての栄光を取り戻そうとする「現代版レコンキスタ(失地回復)」の思想に突き進み、既存の秩序を揺るがしており、かつて世界の警察官だったアメリカの影響力が低下し、世界は指導者不在の「Gゼロ」時代に突入したそうです。(G7とかのGがゼロという意味らしいです)
現在は、古い秩序が崩壊し、新たな秩序がまだ見えない「狭間の時代」であり、紛争の形態も「圧倒的な強者による制圧」から、互い -
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【新書 世界現代史】 川北 省吾 著
著者は、共同通信の編集委員。ジャーナリストの本は、事実を中心に分かりやすく書かれていますが、いつも「それで?」の不満が残ります。これに対し、本書は、関係者のインタビューを交えて視点を複層化させ、俯瞰的な視点も持ち合わせています。現在世界で起こっていることは、歴史面での「レコンキスタ(失地回復)」であり、これが同期化して次々に起こっていると分析します。世界全体が歴史や人種の失地回復に取り組んでおり、これまでのグローバリズムから帝国主義時代に逆戻りし、この流れは留まらないと予測します。
「大国は帝国主義の動きとなり、小国はその狭間でうごめく」と書かれて -
Posted by ブクログ
テーマは本書冒頭にもあるように、
レコンキスタ(国土(覇権)回復運動)。
アメリカ、中国、ロシアの動きを中心に、
周辺国やグローバルサウス、SNSの影響などを描く。
こうした今の世界(政治)の動きの背後にある思想や思惑、そこに至る歴史的、個人的な背景などを歴史の目撃者、側近、メディア人、研究者、歴史書などの様々な観点から丁寧に解説されている。
日本の国際政治の動向が関係性にどう影響してくるのかなどが素人でもおぼろげながら分かる気がする。
そして本書が出たあともベネズエラやイラク戦など次々と現代世界史は侵攻(進行)している。
国際社会に組み込まれてる日本も、そこに暮らしてるいち生活者に -
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ネタバレ読んで良かったと思える作品
第1〜4章の「力こそが正義」とする為政者が生まれた背景は、よくよく読めば「失地回復」というよりむしろやっぱり「因果応報」
私にとって何より収穫だったのは、第6章の「ベッケンフェルデ命題」を知ったこと
自分がいる場所のはずのリベラリズムをどこか息苦しく感じていた理由がわかってホントすっきりです
で、よく言われる日本人としてどうしたらよいか、ですけど
エピローグに書かれた歴史家のジョン・ルイス・ギャディスと筆者の会話がすべて
「どうすればいいのか?」
「答えは自分自身で見つけなければならない」
今この瞬間に答えられなくても、幸いにして、
・今頭の上にミサイルが飛び交 -
Posted by ブクログ
これからの世界の方向性について、非常に示唆深い書籍だった。グローバル化、移民問題からくる軋轢により欧米で極右ポピュリズム化していき、そのことで世界の連帯が弱くなりGゼロ時代になってしまっている現代。また、国連が担う平和の担保についても考えさせられた。大国、中小国、防衛面で米国に頼っている日本、それぞれ戦略は異なってくるだろうが、妥協してでも組むべき協力体制はまだまだあるのだろうなと感じた。各国の強み、弱み、依存先などを把握して、リスクヘッジを加味した上で世界各国と対話していく必要がある。本書はAIの話には触れていなかったが、AIが発展した時代においてどうゲームチェンジが起こっていくのか、起こし