新書 世界現代史 なぜ「力こそ正義」はよみがえったのか

新書 世界現代史 なぜ「力こそ正義」はよみがえったのか

ビジネス・実用
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ロシアによるウクライナ侵攻、世界的な移民排斥運動、権威主義的国家の台頭、トランプ2.0、そして民主主義制度基盤の崩壊……。
「なぜ世界はここまで急に揺らぎはじめたのか?」。共同通信社を代表する国際ジャーナリストが、混迷する国際政治の謎を解き明かすために、国際政治学者や評論家、政治家や現場を知る実務家へのインタビューを敢行。辿り着いた答とは?

プロローグ 「警察官」の退却
第1章 覇者の驕り―「無敵」から「Gゼロ」へ
第2章 「格差」の超大国―アメリカを蝕む病
第3章 リバンチズムー「大ロシア」再興の野望
第4章 百年国恥 ー中華民族の偉大な復興
第5章 「南」の逆襲ーBRICSの論理と心理
第6章 白人の焦燥ー「人種置換」の世界観
第7章 SNSと情報工作ー民主主義の新たな脅威
第8章 「警察官」の犯罪―時代遅れの戦後秩序
第9章 逆流する歴史―よみがえる伝統主義
エピローグ 「19世紀」へ向かう歴史

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新書 世界現代史 なぜ「力こそ正義」はよみがえったのか のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    レコンキスタというキーワードを使いつつ、リベラル自由貿易の世界から、力をむき出しにして自国優位を確保しようとするパワーポリティクスへと変化しつつある、現代の国際社会を論じている。

    各国の研究者、有識者へのインタビューが素晴らしい。例えば、トランプ大統領支持者のベースになっている、グローバル化による格差拡大への反発については、今後大きな変革に繋がる可能性があり、それは1930年代の世界大恐慌からのニューディールや、1950-60年代の公民権運動に例を見る事が出来る、との事。こう言った過去に学ぶ事は、扇動的な情報でフィルターバブルが形成されやすいSNS時代においては、特に重要であると感じる。

    0
    2026年09月28日

    Posted by ブクログ

    積読状況からようやく読めた。ちょうどドイツではAfDが第一党になったっていうニュースが流れたけど、そういう流れがあったんやってこととか、アメリカ、ロシア、中国、その他の国々の動きもよく分かった。文章も読みやすく、興味深い内容でした。

    0
    2026年09月27日

    Posted by ブクログ

    ロシアのウクライナ侵攻以来、米国の関税見直しやイスラエルによるパレスチナ攻撃、米国とのイラン攻撃など、えっ、えっ、と驚きを感じる事態が続いている。
    少し前に普通だった民主主義や自由貿易がどんどん姿を変えて時代が巻き戻されている感覚を覚える。
    そして世界はこんなに不安定な状況を抱えながら、不思議なほど平常心を保っているようにも見える。

    この本を読み、ただ自分が気づかなかっただけで、今の状況はなるべくしてなったことを知った。
    一つ一つの出来事が世界の潮流を形造っていることに気づかなかっただけなのだ。

    2013年にオバマが「米国は世界の警察官ではない」と宣言したこと、ソビエト連邦やKGB解体に直面したプーチンがヨーロッパでの立ち位置を持てず東欧諸国のNATO加盟の動きに直面していたこと、習近平が「一体一路」を掲げ中国を利する外交を続けてきていること。

    2025年1月、第二次トランプ政権の国務長官を務めるマルコ・ルビオは、第二次世界大戦後の国際秩序は時代遅れであると断じ、自由貿易や移動の自由を否定する発言をした。

    「力こそ正義」の時代、日本と日本国民は何を信条に生きていくべきなのだろうか。

    0
    2026年09月27日

    Posted by ブクログ

    トランプ、プーチン、習近平、ゼレンスキー、ヨーロッパの極右、BRICS、第三世界などの様々な異なる思惑、毎日のニュースを見ているだけでは分からない時代の流れや行動原理が、著名な人物へのインタビューとして大変わかりやすく描かれていた。
    この一冊があれば冷戦終結から2026年の今日までの世界の流れを把握することができるだろう。

    我々日本人はアメリカの民主主義の顔しか知らない。大手メディアの流すニュースは西や東海岸の成功したリベラルな人々によるもので中西部の人々の生活や思いを知らない。だから初めてトランプが当選した時も再選した時も驚いたが、それは単に我々日本人がその内情を知らなかったに過ぎず、今のアメリカではそれがメインストリームなのかもしれない。
    そんな日本人の知らないロシア、中国、ヨーロッパ極右などの思想などを公平な視点で教えてくれる。

    かつて力のあった者達が新興勢力に押され衰えていく段階で、失地回復としての行動原理に説明ができるものが多く、目から鱗だった。

    世界は常に均衡を取ろうと、ある一方向に急激に流れが向かい過ぎると反対の流れが自然と生まれる。

    冷戦終結時に「歴史の終わり」とされ、民主主義が人類の統治の最終形になると説き、西側の勝利で終わり、アメリカ一強が続くと思われていたがまたしても群雄割拠の新たな勢力図に塗り替えられていくのだろう。
    我々はまさに「その力こそが正義」という歴史の渦中にいるのだ。

    -------------------

    ツァイトガイスト(時代精神)と呼ぶべき時代の精神
    多くのメトロノームを一斉に起動させると最初はバラバラだが時間と共に同調してリズムが揃っていく。同期現象、シンクロ現象
    万物は共鳴する。異なる国に暮らしていても相互に作用し合いメトロノームのように同調し、一つの時代潮流(トレンドライン)を形成する
    プーチン、習近平、トランプを突き動かしているのは失地回復(レコンキスタ)
    強権指導者(ストロングマン)


    プロローグ 「警察官」の退却/
    アメリカは世界の警察ではない、我々の力だけで全ての悪を正すことは不可能だ。オバマの2013/9のシリアに向けた演説で、超大国アメリカが退却モードにあると捉え、中ロが南シナ海埋め立てやウクライナ南部のクリミナ併合を行った。

    第1章 覇者の驕り──「無敵」から「Gゼロ」へ/
    歴史の終わり
    WW2でファシズムを、冷戦で共産主義に勝利したリベラルな民主主義は人類の統治の最終形で歴史における思想上の終点
    ネオコンサバティズ新保守主義 国際社会の同意がなくとも自由と民主主義のためなら、アメリカ単独で行動し軍事力を行使することも厭わない
    テロを根絶するには世界を民主化する必要がある。過激思想を醸成する土壌を取り除き自由を育む新たな土壌と入れ替え独裁を倒し民主主義を作る必要がある。独裁を倒すためなら武力行為も辞さない
    リベラル帝国主義 多国間協調で国際的な合意を取り付けた上で行動することを好む
    アメリカは人類を進歩に導く例外の国とみなすのは諸刃の剣
    他国の文化や宗教に配慮せずに独善を押し付ける可能性がある
    スンニ派 フセイン 2014年 イスラム国IS
    シーア派
    ダグラスルート 私たちはアフガンに関する基本的な理解を欠いていた。人口構成は?経済のエンジンは?100億ドルの資金でアフガンで何かやるつもりなのか?
    独裁者を追放し民主主義体制への転換を目指すというのは、主権国家征服の試みに等しい

    市民的自由や民主主義の伝統を持たない国に西洋の思想を押し付けても、土地に合わない作物を植えてもうまく育たないのと同じようにうまくいかない。

    イアンブレマー G0 主導国なき世界 どの国も国内の問題に足を取られ国外における責務を積極的に果たそうとしないために結果的に弱肉強食のジャングルの掟が罷り通る世界になった

    ウクライナ、ベラルーシ、カザフスタンにはソ連の残した核兵器が大量に残されていたが1991年のブダペスト覚書で核兵器を引き渡せば主権領土を尊重して武力行使をしないと約束した。その20年後の2022年にクリミア併合
    ノーマンズランド 主なき荒れ野
    イギリスのEU脱退、ヨーロッパのポピュリズム、アフガンからの米軍撤退、泥沼化するシリア内戦、ミャンマー軍事クーデター
    G0は新しい秩序が生まれるまでの過渡期であり、不安定な地政学的な後退期

    第2章 「格差」の超大国──アメリカを蝕む病/
    上位1%の超富裕層国富の30%を占有する
    格差への不満は左右を問わず煽動家が登場する余地を生む


    第3章 リバンチズム──「大ロシア」再興の野望 /
    シュタージ
    KGB

    プーチン 東ドイツ ザクセン ドレスデンに勤務

    冷戦期の世界を二分していたアメリカとソ連は対立しながらも対等の立場から両国と世界の安定に責任を持つ。

    フリーダムアジェンダ フセインの独裁体制を打倒してイラクを民主国家に作り替えるのを危険視した

    色の革命
    2003年 グルジア 現ジョージアのバラ革命
    2004年 ウクライナ オレンジ革命

    2007年 ミュンヘン安全保障会議 一極世界を批判
    NATO
    1990 統一ドイツ
    1999 チェコ、ハンガリー、ポーランド
    2004 バルト3国などの7カ国
    ソ連が東欧から立ち去った後アメリカがドン底状態のロシアに押し付けた秩序。かつての勢力圏が次々と西側の陣地に塗り変わった

    グルジアとウクライナのNATO加盟承認はロシアへの宣戦布告に等しいと考えメルケルは反対した

    国家消滅と再建 1989冷戦終結、1991 ソ連崩壊
    米欧と協力模索 2000プーチン大統領就任
    米欧と対立 2007NATO東方拡大を批判、2008グルジア侵攻
    失地回復 2014 ソチ五輪、ウクライナクリミア併合、2015 シリア軍事介入、2018 サッカーワールドカップロシア大会 2022 ウクライナ侵攻

    ピョートル1世に自らを重ねる

    第4章 百年国恥──中華民族の偉大な復興 /

    洋の東西を問わず政治とは利害調整でおる。権力を目指す者は各集団の力学を把握し均衡に腐心する
    文化大革命で四回投獄され農村で農作業をする下放運動で15〜22まで働いた
    2013年1月 南方週末では憲政の夢の社説で言論、出版、集会、結社、行進やデモの自由を主張したが弾圧を受けた

    第5章 「南」の逆襲──BRICSの論理と心理 /
    ヨーロッパ諸国は欧州の問題こそ世界の問題であり、南の問題は自分たちの問題ではないという発想から脱却しなくてはならない。新型コロナのワクチンの配布に先進国と発展途上国とで差があり、命の格差がある
    南の阻害感

    アメリカはロシアに制裁を科して、キャスティングボードを握るグローバルサウスにも加えるように求めたが、ロシアのエネルギーに頼っている国々であり関わりたくないという言い分。

    「相手が誰であれ名指しで非難し恥をかかせ、孤立させようとしても望ましい結果をもたらさない。そうした向き合い方は逆に態度を硬化させ建設的な対処法になり得ない」

    南アフリカのスークラルが、ロシアのウクライナ侵略行為に対してなぜ西側と一緒にロシア非難に加わらずに決議案に棄権票を投じるのか、に対する回答。89年の冷戦終結後にNATOを拡大しないと言質をソ連側に与えていたのに約束を違えて東方拡大した事にも大局的に考えて一因はある。

    BRICSは権力の再配分を目指す。
    既得権を握っている者は新参者にそれを譲ろうとしない。権力の上座にいる人を追い出そうというのではなくテーブルを広げ椅子を増やすように求めているだけだ


    第6章 白人の焦燥──「人種置換」の世界観 /

    1619 黒人奴隷が初めてアメリカ大陸に連れてこられた
    2045年には白人は半数を割り人種的少数派に転落すると予測される
    1965 移民法改正ビザの発行をヨーロッパ出身者への優遇枠をなくし、アジアや中南米からの大量移民に道を開いた
    ポリティカル コレクトネス 人種、性別ら性的指向に関する差別偏見を避けるために言動に気をつけること
    かつて、白人、アングロサクソン(イギリス系)、プロテスタントのワスプWASP
    大量の移住は大量の敵対心を生み出す。よそ者に対する恐怖心は最も本能的な人間の反応
    政治や経済界の支配集団が少数にとどまる「マジョリティマイノリティ」
    多様性の中の統一「エ・プルリズム・ウヌム」

    ドイツ 最近の世論調査でAfDの支持率は最大29%に達し、​メルツ氏率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)の約22%を上回っている

    エコーチェンバー 閉鎖空間で互いに反響し増幅しながら共振し時空を超えて同期していく

    第7章 SNSと情報工作──民主主義の新たな脅威 /
    クロスポリネーション 他家受粉
    本来植物は自身の個体に受粉するが風や虫によって花粉が運ばれて別の個体に付着して受精する事
    SNSでグローバルに展開した
    自由より統制、民主主義より権威主義を志向する者たちのレコンキスタ
    個人の権利を重んじる民主主義は西側の価値観に基づく政体。ロシアでは中世の農奴制に始まり長らく個人が国家に従属してきた。西側の価値観は自分たちの伝統を破壊しロシアの偉大さを否定する悪。全権力を指導者へ
    ジョージオーウェル 全体主義を鋭く批判した

    第8章 「警察官」の犯罪──時代遅れの戦後秩序/
    リヒテンシュタイン ウェナウェザー
    安保理決議と異なり中小国の多い総会の決議には限界があることは十分承知している。それでも特権乱用に異を唱え説明責任を果たすよう粘り強く働きかけることで拒否権の正当性や影響力を削ぐことはできるのではないか?
    そもそも普通の人にとって安保理の決議か総会の決議かなんて大した問題ではない。大切なのは巨大な危機に対して誰かが何かを決めるかどうかなんだ

    中国 腰の低い韜光養晦から急速に存在感が高まった


    第9章 逆流する歴史──よみがえる伝統主義 /
    冷戦終結後に歴史の終わりでフランシスフクヤマがリベラルな民主主義が人類の統治の最終形になると説き、西側の勝利で終わったはずだった。冷戦終結から35年、アメリカ主導で築き上げてきた国際秩序を塗り替え新秩序の形成を狙う権威主義、独裁国家による反米の枢軸の中ロ朝

    都市に対する農村の、エリートに対する大衆の、ウォークに対する常識の、自由陣営の店子(同盟国)に対する大家(盟主)の失地回復
    近代に対する伝統主義や修正主義の失地回復

    0
    2026年08月02日

    Posted by ブクログ

    なぜいま、国際政治の前面に、再び「力」が姿を現しているのでしょうか。

    ロシアによるウクライナ侵攻、中国による台湾や南シナ海への圧力、アメリカで繰り返される「偉大な国を取り戻す」という訴え、各地で強まる移民排斥や伝統主義。一見すると別々の問題に見えるこれらの現象を、本書は「レコンキスタ(失地回復)」という一つの言葉で結び直します。

    本書は、共同通信社が2022年3月から2025年4月にかけて隔週で配信した大型国際インタビュー連載「レコンキスタの時代」を土台に、書き下ろしとして全面改訂したものです。

    #### 【目次】
    プロローグ 「警察官」の退却
    第1章 覇者の驕り―「無敵」から「Gゼロ」へ
    第2章 「格差」の超大国―アメリカを蝕む病
    第3章 リバンチズムー「大ロシア」再興の野望
    第4章 百年国恥 ー中華民族の偉大な復興
    第5章 「南」の逆襲ーBRICSの論理と心理
    第6章 白人の焦燥ー「人種置換」の世界観
    第7章 SNSと情報工作ー民主主義の新たな脅威
    第8章 「警察官」の犯罪―時代遅れの戦後秩序
    第9章 逆流する歴史―よみがえる伝統主義
    エピローグ 「19世紀」へ向かう歴史

    0
    2026年08月01日

    Posted by ブクログ

    本書は、現代の複雑極まる国際情勢の核心に位置するロシア、中国、アメリカという3大国の混迷と動向を、「失地回復(レコンキスタ)」という共通の視点から紐解いた壮大な考察である。

    世界を左右する主導権を握る3カ国の動きが、それぞれ「レコンキスタ」という固有の情念と目標に向かって連動し、共振していくダイナミズムには終始惹きつけられる。同時に、その巨大な振幅に我が国・日本もまた巻き込まれ、共振しようとしているのではないかという戦慄を禁じ得ない。

    多士済々の専門家に対するインタビュー形式の記述も充実しており、多角的な視点が立体的に配置されている点も秀逸だ。過去の各時代において発生した個別の問題が、一本の伏線として現在へとつながり、今日の混迷を結実させているという構造的な分析は極めて興味深い。

    不透明さを増す現代の国際情勢を、感情論ではなく巨視的な視点(マクロな視界)から俯瞰するために、決して欠かすことのできない「必読の一冊」であると断言したい。

    0
    2026年07月31日

    Posted by ブクログ

    まためちゃくちゃ時間かかっちゃった。

    高い文章力、引き込まれながら読めた
    トランプはアメリカの本流であると、腑に落ちたな、、
    日本はアメリカに頼りきることなく、自らの国を守る力を蓄えていかなければならないね。

    0
    2026年07月22日

    Posted by ブクログ

    三年かけてインタビューを重ねて連載してきた集大成と言うべき良書だと思います
    世界の動きへの理解が深まると思います

    0
    2026年07月06日

    Posted by ブクログ

     なるほど。そうなのか。
     その思いの連続でした。

     例えば、ウクライナやイランの側から。また、ここには触れられていないイスラエルは。
     
     国際関係が、本当に身近な話題として学ぶことができた。

    0
    2026年07月04日

    Posted by ブクログ

    「レコンキスタ(失地回復)」という言葉から現代史を読み解く。
    いろいろな視点や考え方があると思うが、各国が「失地回復」しようとしていると考えると、一本の線で繋がり、今起きていることがしっくりする。

    世界政治の話だけど「人間とは何だろう」という気持ちにもなった。

    第7章はSNSと情報工作の話だが、「ここまでか…」と、強く驚いた。
    まさに「事実は小説より奇なり」である。

    0
    2026年06月27日

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