梶原阿貴のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
父親は爆弾犯。いきなりハードモードであるが、語り口はポップで読み易い。そこは脚本家が故のスキルなのだと思われる。
夜の公園でリレー練習、くさや事件などハートウォーミングなエピソードの数々にニンマリすれば、映画好きとしては、コンプラ無視が当たり前だった頃の日本映画界をブッた斬る下りに唸った。
しかし、少女が成長すると共にダークサイドな一面が顔を覗かせ、家族という呪縛の解像度が高くなるわけで、やはりハードである。強烈。
物語の〆には、数奇な人生を体験してきた作者だからこその説得力ある文章にグッとくる。
無理だと思ったら無理をしない。環境や社会を言い訳にしても良い。やさしさを組織せよ。傑作です。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画『桐島です』(2025 高橋伴明監督)の脚本家の自伝というので、映画パンフで知って手に取ってみた。
映画で描かれた爆弾事件による指名手配犯桐島聡の逃亡劇というか、潜伏生活の大半が、著書自身の親(桐島ではない別の爆弾犯)と、家族の実体験に基づくものと知って驚きを隠せない。
事実は小説より奇なり、を地で行くような半生記だった。
素性を明かせない、名前も不明の謎の男が家に居る。それだけで異常な家庭環境で、著者幼少期の家庭には様々な掟が存在していたという事実が次々と語られていく。
幼い頃から「警察は怖い」としつけられていた、自宅に友だちを呼んではいけない、家の所在地も友だちに教えてはい -
Posted by ブクログ
インパクトのあるタイトルとカバー絵。
また、ノンフィクションだと知って驚いた。
非常に読みやすい。
想像とは違って、重苦しい濃厚な体験というよりも、序盤〜中盤までは逃亡生活の窮屈さと共に、昭和のレトロな雰囲気や、その当時の大都市部の子供たちの様子、両親や祖母とのコントのようなやり取りなどが、意図的にだろうか、著者の人柄なのか、非常に軽妙なタッチで描かれている。
子に責任はないし、親犯罪をも含めて利用していく著者のタフさも垣間見え、苦労の中に人との縁があり、今に至った経緯もサラッと書かれている。
クリスマスツリー爆破事件自体は、私が生まれるはるか昔の出来事であったものの、名前だけは耳にしたこ -
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タイトルの爆弾犯というのは、新宿クリスマスツリー爆弾事件などを起こした過激派グループの末端であった梶原譲治のこと。個別wikiはない。
梶原の罪としては、交番のトイレに爆弾を仕掛けたものの爆発もせず怪我人もなく、といったものなので爆弾犯といえるかどうかも微妙だが、とはいえ爆弾犯という呼び名以外には形容しづらい。爆弾自体は仕掛けているわけだし。
タイトルの娘というのは、梶原阿貴という役者兼脚本家のこと。個別wikiはある。本書は彼女の自伝に近い。
そもそもこの父親は逃亡中は家からも出ず、自首の後は刑務所へ収監され、出所後はわずか2年で家族からは離れ、そのまま25年ほど連絡も取らなかったそう。梶