岡本真一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面と向かって、あるいは電話やメールでもコミュニケーションで中心的役割を果たすのがことばである。
情報だけではなく、自分の気持ち、相手への思いを伝えあうツールだ。
ことばによって伝わるのは、文字通りの内容だけではない。文字通りとは矛盾するようなもの、言い回し、非言語的コミュニケーションも含まれる。
私の相方は読解力が絶望的に欠如している。空気を読むとかいう以前に、行間を読むことも文脈も読めない。会話が成り立たないことなどしょっちゅうである。
「私は、読めないのではなく読まないのよ」が口癖だが、それは相手の意図を推測するという作業をし、相手の視点に立って熟慮を重ねなければ到底出てこないはずのことばだろう。
とまあ、しばしば発生することばの問題を社会心理学的な観点から捉え直したのが本書である。
社会心理学は、実験や調査のような実証的手法で人の社会的行動の法則性を捉え、その背後にある心理的な要因を究明しようとする心理学の一分野である。本書は語用論、社会言語学や心理言語学の研究成果を念頭に置いた上で、ことばに対して社会心理学的な立場からアプローチする。
具体的には、ことばが対人過程の中でどのように発話され理解されるか、またことばの形式的バリエーションが対人関係とどのように関わり合うかについて、さまざまな研究を紹介していく。とくに実験社会心理学の特徴を生かした、変数を統制し、統計的技法を用いた実験、調査からの知見を重点的に扱っている。
なぜ文字通りにしか伝わらないのか、もしくはなぜ文字通りに伝わらないのか、相手に気を配ったり、対人関係の裏側にひそむ皮肉や攻撃、伝えたいことを伝える方法論、さらには効果的な怒り方、や謝り方、などなど。
実のところ「あなたは言っていることがよくわからないから、こうやって役に立ちそうな本を買い与えているんでしょ」と、かの相方に言われて読むにいたりましたの。ことばに難があるのは常に私のほうなの。とっても勉強になりました。78点。 -
Posted by ブクログ
ネタバレことばと社会や対人関係に関して、社会心理学の立場から解説する本ということのようです。実験や調査のような実証的手法から得られた知見をまとめています。日常のコミュニケーションを取り上げて、敬語や皮肉など、さまざまなコミュニケーションについて、解説しています。研究結果に関しては非常に実情に合っていて、そうだろうな、と思うことばかりなのですが、そこから得られる示唆は、何か目新しいことは少なく、前から分かっていることばかりという気もしました。ただ、ことばに関して新しい視点を提供してくれるという点で面白いと思います。当たり前かもしれませんが、「人の呼び方に関して、年長者に対しては、親族名を対称詞とするのが普通で、年少の人物に対しては、名前や代名詞で呼ぶのがふつうである。父親を子供がお父さんと呼んだりはするけど、長女を親が娘とは呼ばないし、逆に父親を子供が名前では呼ばないけど、長女を親が名前で呼ぶ」。このようなことを解説・整理してくれる本です。