坂本湾のレビュー一覧

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    ネタバレ

    芥川賞候補作の中で一番おもしろそうだったので読んだ。
    四人の登場人物の視点が次々に入れ替わり、時に交わり、或いは全員の立場を冷笑的に俯瞰しながら、何も起こらないままの労働を続けている。彼ら彼女らは全員、それぞれに全く異なるバックグラウンドを持つ人間であるはずなのだが、彼らの個性は極限まで捨象され、誰ひとりに感情移入することも出来ない。
    最初に読んだ時、属性に応じた一人称や口調の区切りが一切なされていないことに戸惑いを覚えた。登場人物全員の属性を把握して尚、今だれの視点に立っているのか分からなくなることがしばしば起こった。
    彼らは本質的に何者でもないと同時にあらゆる人間であり、全く異なる存在であ

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    2026年03月06日
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    面白くてサクッと読み終わった。一時、物流業界を志望していた身としては、正直この領域で心身の健康をうまく保てる気がしなかった。単調な作業とオーバーワークは、人から意志を奪い取る。この環境で引き起こされる過ちは「魔が刺した」なんてものではなく、「そうすべきだから、そうした」というニュアンスの方がきっと近い。
    終わり方も良かった。とある宅配場で異常が起きようと、変わらずどこかで荷物は集積され、どこかへと出荷されるべくベルトコンベアに真顔で流れてくる。労働、という行為に付随する地獄の1形態が、ひどく乾いた、それでいて妙に身体性を伴って提示される。

    作者は日芸の劇作コース出身らしい。読んでいる最中立ち

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    2026年02月28日
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    これは誰かの、あなたの、わたしの頭の中で働いているということ。人生とは単純作業である。何かあるかもしれないし何かあった風になっているかもしれないし、若くは夢の中の出来事かもしれない。

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    2026年02月25日
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    読み終わって、仕事してる時を思い出しました。単調な作業の中、現実か幻か分からなくなるような感覚。本当にあったことか夢の中のことなのか。ちょっと難しく、短いながらも読み応えがありました。

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    2026年02月23日
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    第174回芥川賞候補作。地上波初放送が先日発表された映画『ラストマイル』よろしく大量の荷物を仕分ける宅配所の作業員たちを描いた物語。もし作業員に魔が差して荷物を盗んでしまったら?という一応のサスペンス設定はあるものの、建物内を濃霧が立ち込めた辺りから現実と虚構の境界がどんどん曖昧になり不気味な世界に誘われる。資本主義の下で心を殺して働く現代人を痛烈に批評する怪作。

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    2026年02月22日
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    私と何歳も違わない方がこんなにも解像度高く、でも謎に溢れた小説を書けるのか!と尊敬。

    ベルトコンベアで荷物の仕分けをする人たちの働く中での心の動き、もがき、葛藤...
    色んなものが煮詰まって装丁のようになっていく話。

    働き方を考え直すきっかけになったし、周りの人の人柄を考えて仕事選びをする大切さを教えてくれた1冊だなと感じた..!

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    2026年02月17日
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    語り手の視点が唐突に入れ替わり、現実と妄想の境界がなくて混沌とした世界。ループして抜け出せない感覚に陥って困惑した。陰鬱で殺伐として湿度高めの空気感、息苦しかったけれどこの雰囲気は好きだ。安がモノに妄執する様に「銃」を思い出した。次作が楽しみ。

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    2026年02月01日
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    気味悪い職場はデストピアかと思ったが、読んでいるうちに、これって現代の職場で感じるものそのものではないかと感じた。職場で何かあるとルールで縛られる閉塞感、正規と非正規の違い、仕事のやりがい、コミュニケーションがなくなっている現場。それによる孤立感、などなど。作品での描写は極端だけど、根底に流れているものを感じ取ると、自分が今置かれている状況とリンクする。ルールが作成されれば、現場では業務影響なければ許容する管理者も現実的で、これは閉塞感の中の救いみたいなものだろうか。

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    2026年01月18日
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    物流を担う現場を舞台にしたプロレタリア文学。設定が面白い。登場人物の鬱屈とした感情、無機質で居心地の悪い空間、現代ではなさそうと思わされる警報や怒号。いいバランスだ。霧がかかった室内も不気味さを助長していた。現実と妄想が混濁する展開にもう少し捻りが欲しかったが、真面目な安さんが盗みをはたらくまでに至る描写が良かった。

    単館系で上映している不気味な北欧ホラーのテイストで好み。

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    2026年01月17日
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    霧に包まれた宅配所で働く主人公。ベルトコンベアーで運ばれてくる箱の中身を想像することで単純労働に耐えていたが、ある日箱の中身を見る機会が到来する。
    芥川賞候補作。テーマの扱い方が上手くて題材も時流に即してるし面白い、巧みな現代の病理の詰め合わせ。六面体の内部に思いを馳せる人間の、ドロドロとした劣情を描くいびつな作品。混在する視点が1つの空間を暴こうとする試みと、コンベアに乗せられたような人間の労働を描く(110頁★3.8)

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    2026年01月15日
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    薄霧たちこめる宅配所で仕分け作業する安は箱の中身を妄想することで単純作業の憂鬱を紛らせていた。
    それがいつしか…
    夢か現か、4人の視点が交錯し不条理な会話劇を観てるような、霧の中で迷い続けてるような、困惑するけどクセになる読み心地。
    作品紹介を読んで面白そうだな、と思い読みはじめたら想像の斜め上を行く展開だった。
    終盤の三行に「え?」と声が出た。
    そういう、こと?と一瞬意味を掴みきった気になったけど、やっぱり霧の中、、まだ理解が追いついてないかも…?

    デビュー作にして芥川賞候補作、、
    今後の活躍が楽しみです。

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    2026年01月14日
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    いまの環境に耐えられなくなったとき、バランスを取ろうとして何かに逃避してしまう、せざるを得なくなる感覚が、事象は違えど自分の過去の感覚を呼び戻してくる感じがしてドシっと重さを感じる読み心地でした。

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    2026年03月07日
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    ネタバレ

    芥川賞候補作

    主語がいきなり変わって、あれ?となった。
    箱の中身が気になり、中身を盗むことが常習化してしまうことに、なんでそんなことしちゃうの?って思ったけど、単純作業をずーっとしていると、人間どこか狂ってくるのかな?ハラハラしてすぐに読み終わってしまった。

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    2026年03月04日
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    読みやすいけど、いまいち理解し難かった。
    人生で誰もが陥る悪い節目や、マイナスな感情を、宅配所に例えているのかもしれない。

    宅配所で働く作業員たちが話の中心となっている。
    そして上司や上の司令塔の人たちがあまり出てこない。
    例えば、口だけで指示をしていたり、隠れて物事を行うなど。
    それは現代社会そのものの構造なのかもしれない。
    社長などの子供の優遇、外国人の差別(区別も然り)。

    人間誰だって、しんどい時に何かを想像して上書きして、逃げ場を持って生きていかないと、死にぶち当たるのかも。

    読む人によって感想が左右される作品だと思った。

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    2026年02月27日
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    miletちゃんの影響で読んでみたけど、いまいちよくわからない内容だった。。

    部分的にはわかるような気もするけれど、全体的には「?」だった。

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    2026年02月27日
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    誰でもできる労働は死なのか?
    芥川賞っぽい、オープンエンドな作品。

    機械のように働いていると気が狂いそうになるよな、、

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    2026年02月25日
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    芥川賞候補作は肌に合わないと分かっているのに、つい手に取ってしまった。

    やっぱり、わけが分からない。
    でも、ベルトコンベアから流れてくる荷物(箱)の対応を延々としている登場人物たちの姿が、まざまざと目に浮かんできた。
    決して明るい職場ではない。むしろ、箱に嘔吐する奴がいれば、箱を盗む奴もいる。やばい職場だ。
    でもそのヤバさが、この職場では当たり前のように思えてきてしまう。何でだろう。

    まるで、箱と同様、登場人物たちも皆、職場にいる間は無機物なのではないかと疑えてきてしまう。
    この小説、読んでて何が面白いんだろう。けなしている訳ではなく、素直にそう思った。
    自分の知らない世界、自分の周りにい

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    2026年02月21日
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    霧が立ち込める宅配場という謎設定。
    レーンに流れてくる荷物をひたすら仕分けるという、単純化されたライン作業に、なんとかして刺激を与えようとする作業員達の淡々とした本能的な言動を読み進める感覚がフレッシュ。
    ポップなジャケに対して、中身は湿度が高く闇は深め。ページ数は少なくとも濃厚である。
    3.8点

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    2026年02月14日
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    霧に包まれた作業所のレーンに流れて来る荷物を別のレーンに載せるだけという作業を続ける安と稲森と斉藤、そして上司の神代。
    霧に包まれ朦朧とする中で全てが混沌として狂っていく摩訶不思議な世界。
    芥川賞候補、受賞は逃した。

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    2026年02月12日
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    ちょっと薄気味悪い??宅配所なんで霧が??隣の人が見えないくらいの霧??謎めいた宅配所での箱、箱、箱に翻弄され狂わされた人々の話。読みやすいはずのページ数に苦戦!!

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    2026年02月11日