坂本湾のレビュー一覧
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単調な仕事に就き、日々それを繰り返すことによる不安感や閉塞感が表現されていた。著者は、宅配センターの仕分け作業について自身の経験を通し「身体は疲れるけど、脳は暇」と言い表していたが、実感がわかない。
私は仕事を通して、勤務に関わらず責任が問われる緊張感や、終わりが見えず時間が侵食される感覚をおほえ、脳の疲労を感じている。
単純作業を生業とすることは、表面的には自由や開放感を与えるが、長期的には虚無感や孤独感に苛まれるのだろう。
無人島に身を投じることを想像したとき、自由と孤独の両方を感じる。だから、どちらということではなく、自由と孤独は表裏一体で、責任から逃れることは社会とのつながりを -
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ネタバレ濃霧が立ち込める宅配所で働く4人と【箱】の物語。タイトルの【boxboxboxbox】は4人の視点の物語だからわざわざ4つ繋げたのだろうか?
100ページ程でサクッと軽く読むことが出来る…訳もなく終始アクセル踏みっぱなしで突然視点が切り変わる上に登場人物の4人に1ミリも感情移入すら出来なかったので「おーい!!置いてくな〜〜!!」が度々起こり、これが芥川賞候補作品か…と洗礼を食らった気分だった。
最初こそ困惑したものの閉鎖空間で行われる単調な仕事に対する各々の感情の揺れ動きと薄くなったり濃くなったり変化を起こす霧がこの作品をダークで湿っぽく仕上げているのかなと感じた。
どこからが夢でどれが -
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ワタクシが排除される労働の観点では担保されない個人の有り様を書いた小説と私は読みました。立ち込める霧のせいで見通しが悪く、横の繋がりが断ち切られている宅配所で打たれた点のように流れ作業に励んでいる様子は、一見するとその場に個人が存在するように感じられるのですが、束の間、仕組みの外へ出て俯瞰してみると、すぐに代わりが補充され、作業が滞りなく進んでいることに彼は気付く。突きつけられる、その幸不幸含めて代替可能の労働力として消費され続けてゆく彼らは私であり、私ではない私たちではないだろうか。閉塞感が漂う明瞭ではないストーリー展開で好き嫌いがハッキリ別れそうな作品ではありますが、令和でも、というより令
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作品の構造が面白い。箱を閉鎖環境のメタファーとした労働小説。
宅配所で働く立場の違う4名の視点から、現代を生きる人々の心情を描く。この作品のタイトルは、この4名の箱から取ったものでしょう。
登場人物の1人である安は次々と流れてくる箱の中身を想像することで、退屈な作業をやり過ごしていた。そんな中、同僚の斉藤が嘔吐したことを起点として物語が動いていく。
箱や霧などのメタファーや三人称神視点の使い方などが面白く、読んでいて最後まで飽きませんでした。筆者の文藝賞受賞後のコメントを読むと、必死に考えて工夫して完成した作品だと分かります。
終わり方については個人的には好きですが、賛否あるところでし -
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比嘉姉妹シリーズを読破中だが、あらすじを読んでどうしても気になる棘が出来てしまい、普段文庫ばかりで単行本は買わないのに、いてもたってもいられず買ってしまった。
この、なんというもやもや感。
文章はパキッとしていて読みやすいのに、霧がかかったように先が見えないの何だこれは。まさしく我々がいる霧の中の宅配所が読んでる感覚を具現化していて没入感がすごい。
そしたらまさにブレインフォグの話で、なんだやっぱりそうだったのかと思いつつ、え、この病気を体験させられたの?文章で?となって驚きを隠せないわけで。
これは賛否両論めっちゃ分かれるだろうけど、私は好きよりの好きで興奮冷めやらぬ感じ。こんな変な -
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ネタバレ文藝賞受賞作。
やっぱり純文学はよく分からない。
途中夢のシーンが突如出てきて、そこからはどこまでが現実なのか捉えどころのないままラストまでいってしまった。
でも、霧にかこまれた宅配所という設定が分かりやすく、そこでの仕事の描写が興味深くもあり、わりと面白く読めた。
この手の軽作業は未経験なので、独特の空気感や閉鎖的な環境がなんだか薄気味悪かった。
4人の登場人物それぞれの思考回路の違いが分かりやすく、時々互いに接触し合うときに内面と外面の違いが垣間見えたりして面白かった。
最後がよく分からなかった。
一人ひとりの人間が集まって宅配所という大きな一つの集合体になって、それ自体に意志がある?み -
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霧がたちこめる宅配所。
ここではたくさんの荷物がベルトコンベアに載せられてぐるぐると回っている。割り振られた番号の荷物をとりあげてレーンに載せかえるのが安(あん)たちバイトの仕事。
主な登場人物は四人。
ここでバイトをはじめて二年になる安。新人で次の派遣先が決まるまでのバイトの稲森。肺を患って余命いくばくもない妻の医療費の為に働くアル中の斉藤。オーバーワークでノイローゼ寸前の契約社員 神代。
機械的な動作、繰り返しの作業、狭窄していく視野、そして真っ白。集中力が脳からこぼれ落ちていき、自我があやふやになっていく。時間はひどく遅れていき、なんど時計を見ても、いっこうに過ぎる気配がない……