坂本湾のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
好き嫌いが分かれる作品かもしれないが、自分はとても面白い作品、好きな作品だと思った。
単純労働に従事していると、自分がロボットや機械の歯車の一つに過ぎないのではないかという思いに高確率で駆られることになると思う。
時間が流れるスピードが遅く、体が惰性で動き続ける中で、意識はあちらこちらに浮遊していく。
労働はお金を得るためという目的が一番大きいのは間違いないが、そこに思いを振り切らせるには、あまりにも拘束されている時間が長い。
この作品に登場する人間たちも、様々な鬱屈した思いを抱えて業務に向き合っている。
そんな中で魔が差してしまうのも、気持ちは分からなくはない。
さすが、芥川賞にノミネートさ -
Posted by ブクログ
ネタバレなんだか読んでいて、いや〜な感じのするストーリーでした。舞台が「霧の立ち込める宅配所」というのがすでにゾッとしました。その宅配所で働く人たちのストーリーなのですが、とにかく話がありえないような展開で「職場ホラー」でした。
その宅配所に出てくる登場人物はほぼ全員が非正規社員で、宅配所に入ってくる荷物を窃盗し放題という実際にあったら怖い話で始まっていきます。宅配所は24時間やっていて日勤と夜勤ではスタッフが違って、夜勤ではベトナム人ばかりだそうでした。とにかく日勤夜勤全員が窃盗の容疑者という、自分はよく宅急便を使っているのですが、もし宅配所がこんな舞台だったら・・・と考えるとゾッとします。
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Posted by ブクログ
ネタバレ純文学を純文学だと認識した上で読む初めての純文学。なんとなーく純文学って総じて陰鬱な雰囲気があって手を出しづらかったけど、読んでみるとちょっとクスリとする場面もあったし、おもしろかった。でもやっぱり陰鬱な印象は変わらない。それがダメってわけじゃもちろんないけど、初めからそうだとわかってるとなんか抵抗があるんだよね。
それぞれの心象風景を描くのがメインだからそういうふうに感じるのかなぁ?学のない私がいくら考えても詮無きことだけども。
霧に覆われた宅配所で働く人たちがそれぞれの心に抱える不安や衝動によって緩やか~に破滅に向かっていく感じが胃に棘を刺されているようで読んでて重苦しかったなー。終盤に -
Posted by ブクログ
ネタバレ運ばれてくる箱を選別する部品のようになった4人の話。
物流倉庫という設定が面白そうだったので読んでみました。こういった場所に霧が立ち込めている、というのは人間関係を表してるよう。
芥川賞候補作ですがかなり読みやすくサクサク読み進められました。でも、全員の行動の理由が凡人の私でも理解できるという不可解な部分がなかったために受賞に至らなかったのかもしれない。
この作業、1日2時間ほどでしたが短期間、似たような仕事をしたことがあってノリノリでやれる日となんとかこなしていくだけの日がありました。箱は開けられる仕事だったんですが持ち上げたときに小さい箱なのに重い分銅が入っていたときに脳がバグってギ -
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一昨日、実家の小物を整理(捨てる??)するという単純作業をしながらAudibleで。
宅配所でベルトコンベアーを流れる箱を相手にする4人のお話。
アンは箱の中身を想像することに楽しみを覚えていたが有ることがきっかけで箱の中を確認するときに盗みを働く。イナモリは派遣職を得るまでのつなぎに働いている。斎藤は妻が病気で酒を飲みながら働く。神代は非正規を管理する非正規職員で煩わしい事は避けたい・・そして頭痛に悩まれ続けている。理不尽な労働、霧に立ちこめる宅配所。危うい危うい。
そんな中で4人が少しだけお互いを知る。その中であの忌々しい放送係の社員が自慰をするところを見て爆笑する。
そうこうするうち、盗 -
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ネタバレ●感想
以下のことが著者の主張と受け取った。
宅配所という箱があり、宅配所の中に物理的なダンボール箱がある。社会という箱の中に会社という箱があり、その中に人という箱がある。
最後の小さな箱の中には様々違うものが入っているのに、外からは見えないし、中身のわからないまま、右から左へ流している。人との関わりも、同様である。人は、中身のわからないダンボールと言え、見た目は同じ、交換可能。だれも気にしない。
私たちを取り巻く労働環境は交換可能すぎて、自分の存在意義が見出せない。
コンビニ人間を思い出した。
社会の歯車としてきちんとやれていることに安心感を覚える人もいる。 BOX BOX BOX B -
Posted by ブクログ
ネタバレ薄霧が蔓延する宅配所で、流れてくる箱の仕分け作業に追われる作業員は単純で朦朧とする労働の時間を凌ぐため箱の中身を妄想する内に開けて覗き込みたいという禁断の衝動を抱き始めるが——
昼間でありながら薄曇りで、じっとりとした湿度に包まれた空間。しっとりと濡れたようなコンクリート壁に囲まれた薄霧の蔓延する宅配所で、終わりのない仕分け作業が今日も続いている。
本作は、ベルトコンベアを流れる箱の中身に禁断の執着を抱いていく若手作業員の安を中心に、激務にすり減る神代、持病の痛みを抱える稲森、そして精神の限界を迎える斉藤といった登場人物たちの姿を描き出す。彼らを覆い尽くしているのは、どうしようもない倦 -
Posted by ブクログ
全体量は多くないため、サッと読めたのは良いところ。
内容については終始疑問を感じさせる。
ほとんどの場面で【濃霧】による視覚的な曖昧さが背景にあるが、実際の荷物出荷所は建物内にある?と思うので、この濃霧は周りが見えてない登場人物の心象風景?なのかなとも思う。
濃霧によって視野が狭まった登場人物達が、派遣社員やバイトとして単純作業の低賃金でこき使われる。登場人物達は上昇志向など持ち合わせてないのでそれを受け入れている。
現実には濃霧に包まれた宅配所など存在しないが、その手の工場で働く人々の心の中は濃霧の中ということを主張したかったのかなと考えている。