櫻本真理のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
心理的リソースという切り口で物事を捉えることで、能力(アセット)と業務難易度だけでは説明できない、組織成果や組織状態を構造的に理解できる一冊だった。
リーダーとして実践する行動の選択肢自体は大きく変わらないかもしれないが、構造を理解することで、自分・相手・組織・業務の状態をより正しく捉え、適切な打ち手を選ぶ確率を高められると感じた。
特に、心理的リソースは節約するだけでなく、生み出すこともできるという発想や、人によって「充電タスク」が異なるという視点は、これまで十分に意識できていなかった。人間を善悪や能力だけで見ず、有限な存在として捉えることの大切さを改めて感じた。
GRITという本を読んだときに、「やり抜く力」は重要だが、一部の人に強く備わる資質という印象があり、日々のマネジメントにそのまま活かすのは難しいとも感じた。
一方で、心理的リソースはより一般化しやすく、誰にでも増減するものとして扱える。能力や意欲だけでなく、アタマ・ココロ・カラダのリソース状態を見れば、成果や不調をより構造的に捉えられる。
マネジメントにおいては、GRITを求める前に、まず心理的リソースを無駄に消耗させない環境や、リソースを生み出す関わり方を設計することが重要だと感じた。 -
Posted by ブクログ
「メンバーのメンタル不調」や「離職」、「ハラスメント」、「モチベーションの低下」、「パフォーマンスの低下」など最近の企業のチームで起きている事象を、「心理的リソース・マネジメントの失敗」と捉えると、何を管理職はしたらよいのか?わかるのでは?という指摘。
就職仕立ての1995年ごろ、まだオフィスにはいろんな人がいて、そこには、職場のお母さん的な人がいた。給湯室などで、「大丈夫?」と声をかけてくれたりしたものだ。
ではなぜ2025年現在、そうした存在が居なくなってしまったのか?
働き手の多様性が進んだこと。オフィスのOA化が進み、職場のバッファー人数が減り少人数で作業をこなせるようになった。
1995年頃、上司はチームの数字だけを追っていればよかった。
2025年の今は、上司もまた一人で何役もこなさないと行けなくなった。
「タイパ」や「コスパ」という概念はわかっていても、短期的には不利益しか生まない心理的リソースへの関心は見過ごされてきた。
しかし、心理的リソースが整えられて初めてチームは機能できる。そこへの時間の投下は、コストではなく、投資と捉えるべき。
思い出すのは今から10年以上前に工場責任者を務めていた方の働き方。実に、みんなが「あと一息頑張ろう!」と思える行為をしていた。夏には、アイスの差し入れをしてくださったりしていた。 -
Posted by ブクログ
個人のスキルや時間の管理(タイパ・コスパ)ではなく、「心理的リソース(心のエネルギー)」を経営資源として管理するという考え方を提唱した本です。
自分のチームに活気がない・うまくいかないと感じた時、私たちはメンバーのやる気や能力のせいにしがちです。しかし本書はその背景に「心理的リソースの消耗」がある可能性があるということに気づかせてくれます。
心理的リソースが枯渇すると、脳は「節約モード」に入り、複雑な思考を放棄するというメカニズムが働きます。本書ではそのリソースを奪う原因を「ココロ・アタマ・カラダ」の三つの軸から整理し、リーダーが実践すべき4つのステップを解説しています。
【実践のポイント】
リーダー自身のセルフチェック: まずは自分自身の心理的リソースが消耗していないかを確認することから始まります。
「有限説」のマネジメント: 人を善悪で判断するのではなく、リソースは「有限」であるという前提に立つ考え方です。
「仕組み」によるリソース温存: あえて仕組みでルーチン化し、思考の負荷を減らすことで、重要な場面にリソースを残しておきます。
多角的な背景分析: 問題が発生した際、表面的な解決で終わらせず、「①個人要因・②関係性要因・③構造要因」という3つの背景を探ります。
さらに、メンバーの「充足度」と「消耗度」を掛け合わせて関わり方を変えるというアプローチも紹介されています。たとえば私自身は、心理的リソースの充足が小さく消耗も小さい「やる気なし×元気あり」タイプ。このタイプには「できるよ型」のアプローチ、つまり小さな成功体験を積み重ねることが効果的だそうです。
一方で「仕組みによる思考の省力化は、メンバーから自立性を奪うのでは?」という疑問も浮かぶかもしれませんが、目標・役割・ルールといった強固な仕組みがあるからこそ、メンバーは安心して自分の「願い」を追えるようになります。
リーダーが仕組みを作る目的は、メンバーを管理・統制することではなく、「チームの心理的リソース配分を最適化すること」です。リーダー個人が危機感を煽って人を動かそうとすると、メンバーは「恐れ」でリソースを消耗します。一方、目標や数字といった「構造」から適度な緊張感が生まれるように設計すれば、リーダーはメンバーの実行を支援する「味方」としての役割に徹することができるというわけです。
「仕組み」の力がチームの安定と成長を支えるのだと改めて感じました。 -
Posted by ブクログ
本書を通じて最も大きな学びとなったのは、「心理的リソース」という概念である。仕事に向き合うための精神的なエネルギー、いわば自分自身の中に残されたHPのようなものだと理解した。上司の曖昧な指示や無茶ぶり、不公平感、他者から尊重されていないという感覚、さらには私生活上の問題などによって、心理的リソースは少しずつ消耗していく。その蓄積が仕事への意欲や集中力を奪い、チーム全体のパフォーマンスにも影響を及ぼす。
著者は、リーダー自身がメンバーの心理的リソースを奪う「心理的リソース泥棒」になっている可能性を指摘する。自分の日常的な態度や機嫌、言動、業務指示、進行管理が、意図せず他者を消耗させているかもしれない。重要なのは、自分の意図と相手の受け止め方は必ずしも一致しないという認識である。
そのためには、自分自身の思考や行動の癖を理解するとともに、メンバー一人ひとりの状態を注意深く見つめる必要がある。特に印象に残ったのは「コーチャビリティ」という考え方だ。他者からのフィードバックを受け止め、自己修正につなげる力を意味する。リーダーという立場では率直な意見を得にくいからこそ、相手の言動や反応からも気づきを得ながら、独りよがりになっていないかを省みたい。ただし、相手の様子を勝手に解釈するのではなく、対話を通じて理解を深めることも欠かせない。
また、リーダーは周囲を消耗させるだけでなく、心理的リソースを回復させる存在にもなれる。笑顔や穏やかな態度、適切な声かけ、感謝や承認、相手へのリスペクト。こうした日々の小さな積み重ねが信頼関係を育み、チームに前向きなエネルギーをもたらす。
その前提となるのが、リーダー自身の心理的リソースを満たすことだ。良質な睡眠、適度な運動、栄養に配慮した食生活、趣味を楽しむ時間。自分が日頃から大切にしている生活習慣は、単なる健康管理にとどまらず、仕事における判断力や他者への接し方にも影響する。仕事と生活が互いに良い影響を及ぼし合うという「ワークライフハーモニー」(越川慎司氏)の考え方とも通じる。自分の機嫌は自分で整え、心身の状態を定期的に内省する習慣を持ち続けたい。
一方、心理的リソースへの配慮は、部下に負荷をかけないことを意味しない。組織として成果を上げるためには、時に厳しい指示や改善要求も必要となる。ここで重要なのが、著者の説く「恐れは構造に委ね、リーダー自身は支援に徹する」という考え方だ。個人的な感情や威圧ではなく、組織の目標やルールという客観的な基準によって規律を保ち、リーダーはその達成を支援する。必要な業務負荷と不必要な心理的消耗を区別し、成果への責任と相手への配慮を両立させることが求められる。
著者はチームづくりの基本として、心理的リソースの「消耗を止める」「増やす」「使い方を見直す」という三段階を提示する。さらに、投入した心理的リソースに対してどれだけの価値を生み出すかという「サイパ」の視点も興味深い。単なる作業時間の短縮ではなく、無用な消耗を取り除き、限られたエネルギーを価値ある仕事に振り向けることが、本質的な業務改善につながるのだと思う。
自分のチームを振り返ると、各メンバーは日々の業務を着実にこなしている一方、多忙さゆえに個々の仕事に埋没し、チーム全体の目標や成果とのつながりを実感する機会が不足している。また、互いの貢献を認め合う機会や、直接的な業務関係を超えた交流も十分ではない。
ここで心に残ったのが、「非効率に見える営みからしか生まれない価値がある」という著者の主張だ。雑談や何気ない対話、互いの仕事への理解を深める時間は、短期的には非効率に映るかもしれない。しかし、そうした営みこそが信頼や相互理解を育み、長期的なチームの力を高めるのではないか。
今後は、チーム全体の目標と進捗を共有し、個々の貢献を可視化するとともに、メンバー自身が感じている課題や問題意識に耳を傾けたい。自分の課題認識を一方的に押し付けず、率直な対話を通じて修正していく姿勢も大切にしたい。
優れたリーダーとは、部下に負荷をかけない人ではなく、必要な負荷と不必要な消耗を見極め、成果と心理的リソースの維持・回復を両立できる人なのだと思う。
自分と他者を誠実に見つめ、いたわり、尊重し、必要なときには支える。そして、メンバーが自らの仕事に意味と誇りを感じられる環境をつくる。本書から得た学びを、これからの日々のマネジメントの指針としていきたい。 -
Posted by ブクログ
チームの戦闘力を高めるために
→ 心理的リソースに注目する
心理的リソースは見えない経営資源
心理的リソース = メンバーの願い
価値観違うのでぱっと見わからないが全員何らかの「願い」がある
心理的リソースは放っておけばこぁつしてくる
願いを叶える姿勢が心理的リソースを回復させる
心理的リソースが減ってきたことに気づいたらすぐ対処することが必要
コミニュケーションを取る
否定しない、間違った言動は詫びる
アプローチを変える: 元気もやる気もあれば 任せる
元気がありやる気がなければ 励ます
元気がなくやる気があれば 助ける元気もやる気もなければ 休ます
緊急対処は雑談と休ませる が有効
放っておくことはしない
願いは組織の制約があり叶えられないことはある その時は否定せず受け取る
メンバーの対して性善説、性悪説いずれの立場でもない、ただ人有限であることは理解する。= 心理的リソース枯渇していれば性悪説に近づき逆なら性善説に近づく
メンバーの心理的リソースを枯渇させるリソース泥棒はリーダー
状態の特徴から心理的リソースの状態を知る。
満たされてる時
・現実を複雑なまま捉えられる(ゼロか100かではなく)
・戦略的に考え、行動できる(場当たり的ではなく)
・今に集中、未来に向けて考えられる(過ぎたことにこだわらず)
・他者の結果、プロセス広く想像できる(見たままではなく)
・バイアスをメタ認知できる(バイアスに気づけないのではなく) -
Posted by ブクログ
自分自身はリーダーでも課長でもないが、上司がダメ過ぎて、ほぼ担当が勝手に対処してる状態。
その中で最年長のため心理的リソースを削って対処していたからか、ストレスでグッタリ。
最悪な時期が終わってこの本を読んだ。
いない方がマシな上司がいるとそれだけで実は効率がかなり悪く、良くしようとする者も、段々ととりあえず目先の処理だけに集中。
自分がやるよりも他人にまかして、というような他人事が増え、結局自分がやらないと後で大変というスパイラル。
上司を取り替えることはできないから、上司抜きで
取り敢えず、お互いに干渉しないよう、仕組みづくりから考えるべきと判断。
そして笑いを増やしたり、話すことをもっと増やそう! -
Posted by ブクログ
ネタバレ・チームマネジメントは、何かを主体的に「思考」「判断」「制御」するベースとなる「心理的リソース」という考え方を用いると上手く行くのでは、という提案
・京大(教育)→モルスタ→GS→起業(カウンセリング/コーチング)の櫻本真理さん
・なるほど!この捉え方は正直目から鱗で、自身の今までの経験と照らし合わせて「そういうことだったのか」「こうすれば良かったのかも・・・」と反省することしきりだった
・まず現時点で理解しておくべきは以下辺りか、、、
①性善説、性悪説ではなく、心理的リソース有限説(余裕があれば前向き、無くなれば後ろ向き)
②自身の心理的リソースはどうなっているか
③チームメンバーの見えている世界がどうなっているか/メンバーの印象に残っている場面を聞いてみる
④リーダーとメンバーで違う世界が見えている可能性/耳の痛い指摘も聞き入れる
⑤サイパの良い仕事、悪い仕事
⑥数字以外の価値判断軸
・仕事のパフォーマンスを「技」X「体」X「心」で改めて捉え直したい
(アタマ、カラダ、ココロ、夫々に心理的リソースを削る可能性も知っておく) -
Posted by ブクログ
マネジメントに精通した著者がチーム全体をうまく機能させるために心理的リソースの視点からリーダーが取るべき行動について自身の経験やコーチングの内容などをもとに解説した一冊。
心理的リソースがチームに与える影響と様々な要因が心理的リソースに影響することを本書で知ることができました。
アタマ、ココロ、カラダの3つが繋がっていることや心理的リソースが枯渇すると衝動的になったり思考力が落ちることなど心理的リソースについて組織に与える影響だけでなく、心理的リソースの状況に気づくためにチームの異変を見逃さないことが大事なことや人間を数字として扱わないことなど組織やメンバーについてのことも書かれており勉強になりました。
また、リーダーについては自身のランクを意識することやコーチャビリティーを持つことなどが大切であることやモードやフィルターを意識して部下と接するなどが大事であると感じました。
メンバーの状態に応じて対応することやメンバーを受け入れることや個人の役割を明確にすることが大事であることなどチームのメンバーについて心理的リソースを消耗させないための配慮についてやチーム全体についてもコスパ、タイパだけでなくサイパについても考えることや構造化して心理的リソースを消耗しない仕組みを作るレバレッジポイントを見つけることなど全体で心理的リソースを意識し管理する工夫も知ることができました。
そんな本書で人はうつ状態になるとグレーゾーンを認めなくなるや性善説や性悪説ではない有限説で考えることや長期的な「投資」を行う覚悟を持つことも大事であることなどは実践でも使えると感じ印象に残りました。
リーダーには気付くことが大事であると本書を読んで痛感しました。
また、自身の気分をポジティブにすることも大事であるとも感じました。
そして、リーダーが人間らしさを出してメンバーと接することや恐れを過度に出さないこととともに安心感や信頼感を持ってもらうことが大切であると感じました。
本書で学んだ心理的リソースについて意識しながら人と付き合うことで対話が深まるのも感じました。チームを運営していき生産性を上げていきたいと感じた一冊でした。