菅谷明子のレビュー一覧
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12年前の本ですが、時間とともにメディアリテラシーの必要性が高くなると思います。
日本では、メディアリテラシーというとまだまだ大学教育学部の講義ですが、本書のように小中高の学生に早く取り入れてもらいたいと思います。
日本でも以前に、自分がポケモンだと思い込んで飛び込んだ少年や、ネットゲームに何万円も課金した子供、ネット上の悪口いじめなど、メディアが子供に悪影響と認知されやすくなっています。
アメリカやイギリス、カナダではそれらから、子供が自分の身を守るために、逆にうまくメディアを利用するためのメディアリテラシーです。
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Posted by ブクログ
ネタバレ2000年に出版されたのでやや古いが、内容は極めて新鮮な、文字通りメディア教育の観点からみた「メディアリテラシー」についての本。現場レポートというだけあって、イギリス、カナダ、アメリカのその当時の様子がつぶさにみてとれる。「教育論」の観点からは、ぜひとりあげるべき。
・メディアのコンテンツをとりあげ、分析、評価すること
・実際に制作する立場として、どう表現されたコンテンツが取捨選択されるかを見極めること
などが、初期的なポイントのようだ。
大前提としては、
・一つの真実などないこと
・多元的「現実」を製作側が一定の主観にもとづいて伝えていること
を踏まえてどうメディアに対処するかという視 -
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高校のとき、国語の指定図書で購入したのですが、そのころは真剣に読むことなく… 卒業し、数年たってからようやく興味がでて、読みました。
高校時代にちゃんと読んでおけばよかったと、内心後悔しています。ただ、あの頃読んでいたからといって理解できていたかどうか…
メディアは誰が、誰に向けて、どういうメッセージを伝えたくて作り出しているのか。
ニュースの報道は真実ではあるが、別の真実はあるのか。そもそも、事実は何なのか。
情報が溢れて、子供のみならず大人ですからなにが正しくてなにが間違っているのか判断するのが難しい今の時代に、メディアリテラシーの育成を進めない今の教育現場には疑問が残ります。
クリティ -
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
人生の大半をメディアとともに過ごすとされる現代生活。
報道の客観性や公正さ、暴力表現の影響などが議論になっている今、メディアのあり方を具体的に解読していくことの意味とその可能性とは何か。
各国で広がっている実践を丹念に取材し、教育現場での工夫や反応、メディアを監視する市民団体の活動などを報告、情報社会の今後を考える。
[ 目次 ]
序章 世界に広まるメディア・リテラシー
第1章 イギリスに根づくメディア教育
第2章 カナダに広がるユニークな実践
第3章 アメリカの草の根メディア活動
第4章 デジタル時代の「マルチ」メディア・リテラシー
結びにかえて―取材ノートの余白から
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Posted by ブクログ
自作自演との言葉があるが、メディアから大量に垂れ流される、そして一過性の新奇さを求めているような報道から自由でいるには、現代は困難な時代です。
そんな肥大したメディアの時代の必需品が、メディアリテラシーです。
メディアリテラシーは、「免疫力」にもなり、「善用」にも効果がある。
高等学校における「必修科目未履修問題」の際に、世界史と情報が大学受験との関係で取りざたされたが、学校においてはメディアリテラシー教育が始まっている。
本書は、手際よく学校から離れた社会人に、メディアリテラシーの基本的な考え方を世界の現場を紹介しながら、容易な理解に導きます。
単なるメディア悪者論では -
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メディアリテラシーとは情報を読み解くという能力。幼少からテレビの前に噛り付いてるような子供でテレビの情報がどのような意図で誰がどのようにいくらお金をかけて自分に届けられているんだろう?と常からから考えていたのが読むきっかけになりました。日本ではメディア教育は発展途上の為、カナダ、アメリカ、イギリスでのメディア教育現場からのレポートになっています。今後日本でメディア教育がされるときの良い判断材料になるんではないかと思います。
文章を読み取り、文章で説明することは想像できるんですが、3分の動画コンテンツを文章で全て書き出せということになるとどれだけの情報量になるのかというエピソードは考えさせられま -
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ネタバレ著者自らアメリカ、イギリス、カナダなど、いわゆるメディアリテラシー先進国に足を運び、各国のメディアに対する関心度、メディア教育への取り組みなどをまとめたものである。
1970年代、アメリカではこの頃からメディアリテラシーの重要性が語られ始めた。教育省は、子どもたちはメディアを積極的に読み解く力を養う必要があると感じて、メディア教育に重点を置いた教育プログラムを策定。これを教育機関を中心に配布。その結果、50州中46州がメディア教育を取り入れる結果となった。
しかし、世界で始めてメディア教育を体系的に取り入れたのは、カナダのある一つの州だった。1987年、オンタリオ州は、現在の日本 -
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この『メディア・リテラシー』は、アメリカ、カナダ及びイギリスにおけるメディア教育現場の取材を通して、それらの国におけるメディアの地位とその評価を明らかにしている本です。事例紹介のほか、それぞれ当事者の発言をもって「メディアの特性・危険性」や「その真意(企み)を読み解く必要性・方策」を提言しているように思えます。「思えます」と書くのは、おそらく著者の意図するところなのでしょうが、本作を読む限り、著者のポリシーが明確には伝わってこないのです。お題がお題だけに、そのスタンスは正解なのかも知れません。
本作は書名が示すように「メディア」を扱っていますが、そもそも「メディア」の定義は曖昧であり、こ -
Posted by ブクログ
副題「世界の現場から」の通り、アメリカ・イギリス・カナダの教育現場におけるメディア・リテラシーの教育方法や、市民団体によるメディアウォッチ活動など、取材結果が報告されている。客観的な視点で現場の状況が語られているので、メディア・リテラシー教育を受けたことのない自分にはとても参考になった。
メディア・リテラシーとは、本書によれば「メディアが送り出す情報を単に受容するのではなく、意図を持って構成されてものとして、積極的に読み解く力」のことである。情報氾濫、多メディア化、また報道側の手法が洗練されていく現代において、受け手側のメディア・リテラシーは本当に大切だと思う。その意味は、単に「メディアを疑