アンドレア・アブレウのレビュー一覧

  • 両膝を怪我したわたしの聖女

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    何か言いようもない切なさを感じてしまったが、そのこと自体が彼女たちにとってはすでに傲慢だ。そんな安い感情は瞬時に切り捨てられるだろうから。10歳の少女たちは手探りで外の世界に足を踏み出そうとしている。粗削りな行動の中に一瞬垣間見える仄かな光。だが、それは振り返った者だけが見ることのできるものなのかもしれない。
    全篇を通して、空から落ちてくる息苦しいほどの空気の重みの中、主人公の「わたし」はこれからどこに歩いていくのだろう。

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    2025年07月22日
  • 両膝を怪我したわたしの聖女

    Posted by ブクログ

    カナリア諸島のテネリフェ島。といえば、かの悲劇的な飛行機事故しか知らない状態で読んだ。リゾート地として観光業が盛んでありつつ現地にはおそらく深刻な貧困問題があり、同じ国であっても大陸からの観光客を「ガイコクジン」と呼ぶ。どことなく沖縄と通じるものも感じた。
    そんな環境下、貧困地区で暮らす少女を描いた本作は、目を背けたくなるような不潔描写・性的描写・卑猥な言葉に満ちており、決して万人に薦められるようなものではない。しかしだからこそ、村の貧しさやどうしようもない閉塞感と、自身の未来の選択肢が限られていることを本能的に察している少女の満たされない思いや狭いコミュニティでの共依存的関係が、小綺麗に漂白

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    2025年06月08日