フウのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
たわわに実ったオレンジの樹木と黄色いドアのある群青色の壁の建物。大きく開いたカウンター窓に頬杖をついて天真爛漫な笑顔を見せる著者。
どうやらnoteに投稿されたエッセイが書籍化されたものらしい。
どんな内容なんだろう。
雰囲気的には小川糸作品みたいな、なんとも爽やかで自然豊かな優しい暮らしぶりを想像させる装丁。
タイトルは【ヨルダンの本屋に住んでみた】
いや、小川糸作品ではなく内田洋子氏の時にシリアスな情勢なども含まれるドキュメンタリーだったりするかも……。
ページをめくると、予想してた趣きとはまったく違った、
ジャパニーズガールのドタバタ!ワーホリ(?)滞在記
が繰り広げられていました。
『私は普通の日本人として当然のごとく、行ったことがなかった。それどころか、何も知らなかった。
ヨルダンとはどこにあるのか。行っても大丈夫な国なのか。どんな言語を話すのか。大丈夫な国なのか。
何を食べているのか。そして、大丈夫な国なのか。』(p.10)
20か国をフラフラと旅してきた大学生が、ふと思った。
ワクワクすることがしたい…ここで働かせてください!みたいなやつ。
そんな勢いで、
行ったこともなければ位置も知らない。言語も食文化も知らないまま、ヨルダンにある本屋に「たのもーーっ!」と身を投じた、なかなかのアクティブガールの人生が変わるきっかけになった大きな大きな第一歩を記したエッセイ。
『最後に、もしこの本に何かしらのメッセージ性があるとすれば、それは決して「みんなもヨルダンの本屋に行ってみてね」ということではなく、「全く想像できなかった環境でも、本当に心が動いたなら勇気を出して飛び込みさえすれば、そこにはやっぱり自分と似た者同士が集まっていて、お互いを尊敬し合いながら面白がって暮らすことができる」ということだ。本書ではただ、アラブの片隅でポツリと起きた私の一例をご紹介したのみである。』(p.286)
住み込み先で、どんな出会いがあって、どんな生活をしたのか。どんな刺激を受け、どんな気付きがあったのか。
読む人のほとんどが、こんな経験してみたい(かも)(してみたかった)と薄っすらでも思うであろう、ポジティブでハッピーでヘルシーでラブリーな描写が満載。束の間だけでも人間の闇って何だっけ?とケロッと忘れさせてくれる若さ迸るエネルギーを放つ作品かと。
いやしかし。
だいたい、どうやって検索したら遠く離れた中東ヨルダンでの住み込みバイトの情報が出てくるのやら、とか、親御さんはよく許したな、とか、実際のところ不自由や危険は無かったのかな、とか。
世間擦れしたミドル世代からしたら、ちょっと嫉みが混じった心配なぞしてしまう。
ピュアに飛び込んでいける勢いと体力気力が眩しくて、羨ましい、というだけなんだけど。
興味本位でInstagramを見に行ってみたら。現在の彼女はグッと垢抜けていて美しくなっていました。
遡ってみると、フウ氏が何故こんなにも伸び伸びした人物になったのかが窺えました。なるほど。素敵だわ。 -
Posted by ブクログ
本好きさんならば、「本屋に住みたい」と思ったことがある人は多いだろう。でも、実際に行動に移したことがある人はどのぐらいいるだろうか?
ましてや、言葉の通じない、どこにあるかもよく知らない異国の本屋にいきなり飛び込んで行く勇気のある人って???
行動力を誉めるのか、無計画さに眉をひそめるのか。その両方の気持ちでもって読み進めた。
だって本当に行き当たりばったりで、もうちょっと考えたらいいのにと思う一方で、とにかく行動あるのみの一念で、問題をひょいひょいとクリアしていく身軽さに尊敬の念を覚えたり。恐らく運もとてもいいのだろう。出会った人にとても恵まれていて、でもそれは彼女の気の持ちようというか、物事を見つめる目がきっと美しいからなんだろう。
行動力に脱帽の一冊。