今野保のレビュー一覧

  • ヤマケイ文庫 秘境釣行記

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    北海道の圧倒的な自然に、少しの荷物で臨む著者とその家族たち。
    釣りや釣れた魚の保存、小屋を作る時の手際がよく、読んでて気持ちがいい。

    特にP250「せせらぎの音。遠くで鳴く夜鳥の声。それらが耳に留まっては退き、ひときわ大きく耳についたとき、ふと目が覚めた。」が好きだった。
    自分自身もたまにキャンプに行くので、この一文でキャンプで夜に目が覚めた時の、感じがよく表現できてるなぁと思った。

    今はもう存在しないような景色を、文章を通して見せてもらったような気がした。

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    2025年08月08日
  • ヤマケイ文庫 アラシ 奥地に生きた犬と人間の物語

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    泣いた
    著者が子供頃から共に暮らした犬達
    こんなに賢く強く従順な尊い生き物と一緒に暮らせた事が羨ましい
    川で溺れそうになってる飼い主を助けるクロ
    野生の掟に従い別れるアラシ
    人の言葉が通じるノンコ
    著者が生涯飼った犬は21頭だがそのうちこの3頭は特別な犬だったらしい
    犬好きは是非

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    2024年10月08日
  • ヤマケイ文庫 秘境釣行記

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    当たり前のように山中の道なき道を往き、時にありあわせの材料で小屋を掛け、幾日も歩き通して、人跡未踏の渓流で釣りを続けながら何週間も滞在する…失われてしまい二度と取り戻すことのできない、昭和の里山の原風景がここにあるのは、「アラシ」や「羆吼ゆる山」と同じく。
    "バリ"どころではない、まさしく山に生きるとはどういうことかという"リアル"を目の当たりにし、軟弱な現代人は慄くばかり。
    ノンコを始めとする兎や狐を狩る自立した犬たちや、アイヌの山人・清水沢造と羆の死闘等、これまた他作で見かけた題材が登場するのも嬉しい。

    科学技術の進歩と工業の発展に伴い、大概の河川

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    2025年08月05日
  • ヤマケイ文庫 アラシ 奥地に生きた犬と人間の物語

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    冒頭の"クロ"の巻から犬好き、動物好きとしては感情を揺さぶられ、読んでいるうちに自ずと保少年に感情移入、ともすれば同化してしまい、どっぷりと作中世界を味わうことになる。
    そして、続いて登場するアラシ、タキ、ノンコも含め皆に、"これぞ犬本来の姿なのだろう"と深く頷かされる。
    太古、人と犬との関係が始まった原初の絆がオリジナルの形で残るぎりぎりの時代であり、世の中だったと言えるのではないだろうか。
    リードに繋がれるなどという発想すらなく、一旦山に遊びに行けば数日戻らないことも多々、本能の赴くまま山犬と交わり獣と争い、その一方で極めて高い知性を備え、必要とあら

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    2024年09月29日
  • ヤマケイ文庫 アラシ 奥地に生きた犬と人間の物語

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    大正から昭和初期にかけて、北海道の山で炭焼きを営む家で育った著者が、幼少期から大人になるまでに出会った犬たちのうちの4匹のエピソードを記す。
    飼い主の家族にはよく従い、ヒグマや山犬たちにも立ち向かっていく。遠く離れた場所に預けられても、飼い主をしたって帰ってくる。信じられないような逸話が沢山。100年近く昔の山での生活は、想像するだけでも過酷。それでも、なぜか豊かさすら感じてしまうのはなぜだろう。
    現代のように、愛玩犬として都会に暮らす犬と、自然の中を自由に駆け回る犬と、どちらが動物として らしく生きているのか、ちょっと考えてしまった。

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    2025年08月11日
  • 羆吼ゆる山

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    相変わらずの記憶力の凄さに度肝を抜かれるが、伝聞の部分も同じようにあまりにも詳細なので、文章がうまいということなのだろう。ドキュメンタリーというよりは小説のように面白く読んだ。

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    2021年06月06日