ヤマケイ文庫 秘境釣行記

ヤマケイ文庫 秘境釣行記

1,210円 (税込)

6pt

4.5

「激しさと穏やかさが、さも当然といった風に共存する山の姿を垣間見て、私は心の殻がはがれて、それがむき出しになるような戦慄(おののき)を感じていた。川の流ればかりではない。ここでは、魚も獣も人も、死と背中合わせに生きている。ちょっとした油断、そして恐らくは抗いようのない偶然が、それらの生を死へとすり替えてしまうのだ。」(本文より)

濃霧の中の山越え、沢を走る鉄砲水の恐怖、掴み取りできるほど大量のイワナ、一日で百匹を超すヤマベ釣り、暗闇にひそむヘビ・タカ・ヒグマ、目の前で宙を飛び滝壺に消えていった巨大イワナの勇姿――かつて北の奥地にあった圧倒的な自然を描き、「喰う・喰われる」の掟に従ってひしめきあう生命に心が震える。
解説/服部文祥


■内容
1 母なる川よ
染退川へ/無言の教え/行く人、来る人/自然の戦い/ふたたび東の川へ/鱒の群れ/大きなヤマベ/ペンケホカイ/大水/迷い人

2 奥地へ
悪夢/三叉へ/岩上の危機/濃霧の山越え

3 燃ゆる渓
他流試合/巨大魚/渓流に帰る/雨の徳富川/黄金川

解説 服部文祥

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ヤマケイ文庫 秘境釣行記 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    北海道の圧倒的な自然に、少しの荷物で臨む著者とその家族たち。
    釣りや釣れた魚の保存、小屋を作る時の手際がよく、読んでて気持ちがいい。

    特にP250「せせらぎの音。遠くで鳴く夜鳥の声。それらが耳に留まっては退き、ひときわ大きく耳についたとき、ふと目が覚めた。」が好きだった。
    自分自身もたまにキャンプ

    0
    2025年08月08日

    Posted by ブクログ

    当たり前のように山中の道なき道を往き、時にありあわせの材料で小屋を掛け、幾日も歩き通して、人跡未踏の渓流で釣りを続けながら何週間も滞在する…失われてしまい二度と取り戻すことのできない、昭和の里山の原風景がここにあるのは、「アラシ」や「羆吼ゆる山」と同じく。
    "バリ"どころではない

    0
    2025年08月05日

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