立川談笑のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
家元談志が「落語が能かなにかのような伝統芸能になってしまう」ことに危機感を抱いていたのに対して、談笑が論じるのは「元来、落語はその時代その時代に応じて変化してきたものだ」という点だ。
そもそも、落語における「伝統」らしきものを作ってしまったのは、録音技術があらわれて生まれた「名人上手のレコードである」という視点が目新しくうつる。名人上手の、ひいては(先達に)教わった通りにやればいい、という思考は、ある部類の人にとってはとてもありがたいもので「それさえやっていれば食いっぱぐれない」という姿勢を産み、行く末としては停滞しか産みださない。このあたり、きわめて卓見だと思った。
ただ、ファンか