染野太朗のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
#染野太朗 #くどうれいん
短歌教室でご指導くださってる染野太朗先生とくどうれいんさんの恋愛に関する連作が掲載。
忘れていた恋の断片や泣きたくなるような苦痛を伴う記憶が鮮明に浮かぶよう。
誰かと恋愛について語りたくなる、もしくは秘密をのぞき見しているような衝撃的な歌もあったりする。
生活雑貨や日常場面がドラマチックに詠まれていて、まねしたいけどまねできない美しさ。
好きな歌を抜粋
今世をあなたは先にあきらめてどこで待っても自転車で来る
この恋は海に行きたくない恋だ もういい、深いのもとおいのも
どこへでもいけるだなんていわないであなたと行けるかを聞いてるの
くしゃくしゃに笑うあなたとぱん -
Posted by ブクログ
歌人のくどうれいんさん、染野太朗さんのお二人の往復歌集。
内容は「恋」一色。
タイトルも『恋のすべて』
ⅠとⅡ、二つのパートがあり、Ⅰは始まったばかりの恋から恋の最中。
Ⅱは終わってしまう恋。
歌集中程にはお二人が同じものをテーマに贈り合う贈答歌もあります。
くどうれいんさんはまだお若い歌人の方で「きゃー」と何だか顔を赤らめたくなるような恋心の歌がたくさんありました。
気持ちや情景が想像できるわかりやすい歌が多かったです。
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Ⅰ
真実はいくつもあっていいと思ういちども触れずに選ぶアボカド くどうれいん
だきしめられてお湯だった思いだすわたしお湯だった、どう -
Posted by ブクログ
恋の海に溺れてしまいそう。
一つの言葉をテーマに繰り広げられる短歌の世界。男性、女性、それぞれの歌人の思いを読むことができる魅力。工夫された装丁。言葉のテーマが変わるごとに、ページのデザインが変わる。この変化が、別世界に読者をいざなうきっかけにもなっている。色調はモノトーン。なんて素敵なんだろう。
恋愛中の感情は、本当に複雑。それを31文字で凝縮させてしまうことの不思議。読むことで、込められた思いが溶け出すようで、幸福感に浸れました。
くどうれいんさん、1994年生まれ。染野太郎さん、1977年生まれということで、少しばかり時代の空気感の違いも感じられました。
実際にお二人が喫茶店で詠 -
Posted by ブクログ
本当に本当にすばらしかった。恋の楽しさ苦しさままならなさが詰まった短歌はもちろんのこと、本そのものの作りもとてもこだわりが感じられて、ページをめくるごとにうっとりする。どこを切り取ってもドラマのワンシーンのよう。まさに"恋のショート・フィルム"な短歌集。
どうしてこれが恋のうたとして詠まれたんだろう?と思うような短歌もあったけれど、日常のどんな一部分でも恋の場面でありえるんだということに気がついてたまらなくなった。35文字の奥にある匂いや想いをたくさん想像させてくれます。
おもうだけではあなたはぼくになってしまう触れたいのだと何度も気づく
スカートを買ってひろがるこ