内田響子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ友人から借りました
ファンタジー。目まぐるしく、あちこちに行く、お姫様の話。
弱き者、汝の名は女。
という言葉で始まるこの物語。
姫の一人称で、進む。
この世界の女に名前はない。誰々の娘、誰々の女、誰々の妹と呼ばれるだけ。
北の地の、さして裕福ではない領地の姫として生まれた主人公は、南の地の従兄王子と結婚することになる。「橙(食べ物)」につられて(笑)。
が、王子は攫われてしまう。姫は果敢にも、王子を探しに行く。坊様見習の乳兄弟を伴い、近くの国の王子様も巻き込んで。
けっきょく、彼女は冷静に世界を見詰め続けて、自分というものがどうであり、世界が求めるものが何かわかっていて -
Posted by ブクログ
最後まで読み終わって初めて、その意味がわかる。
主役の王女に名前はないが、姫様なので支障がないというかそれほど意味はなかった。情緒に欠けるので王女に向いていないと自己分析する、妙に冷めた姫様なのが珍しい。結婚式の最中に掻き消えた夫王子を探しに、乳兄弟の坊主見習いのイーサンを連れて旅に出る。また共に旅する北方の王子マンフレートはちっとも優しくなく、王女と憎まれ口を叩きあう。恋が生まれる期待はもてそうにない雰囲気だが。
旅の道中の出来事は、少々ご都合主義と言わざるを得ない。登場人物の背景も性格も面白いのに、再登場するパターンは少なく、活躍シーンもないのが残念。祖父はくせ者ぽいし、父親もキャラク