ユーザーレビュー 聖者の異端書 内田響子 結婚式の最中に消えた王子を探しに世界中を旅する王女の話。 世界観的には、中世ヨーロッパのような世界で、「王女が一人で出歩くなんて論外」の世界で繰り広げられる冒険譚。 タイトルの意味は最後まで読んでようやくわかる。 基本的に淡々と進んでいく話。すごい盛り上がりはないが、テンポが良くて、話の端々でじんわ...続きを読むり暖かい気分になる様な所が良い。 最後の追記と、教皇の覚え書きがグッと来る。 自分はとても好きな話です。 次作品にも期待します。 Posted by ブクログ 聖者の異端書 内田響子 友人から借りました ファンタジー。目まぐるしく、あちこちに行く、お姫様の話。 弱き者、汝の名は女。 という言葉で始まるこの物語。 姫の一人称で、進む。 この世界の女に名前はない。誰々の娘、誰々の女、誰々の妹と呼ばれるだけ。 北の地の、さして裕福ではない領地の姫として生まれた主人公は、...続きを読む南の地の従兄王子と結婚することになる。「橙(食べ物)」につられて(笑)。 が、王子は攫われてしまう。姫は果敢にも、王子を探しに行く。坊様見習の乳兄弟を伴い、近くの国の王子様も巻き込んで。 けっきょく、彼女は冷静に世界を見詰め続けて、自分というものがどうであり、世界が求めるものが何かわかっていて、神様を盲信しないがゆえに、この宗教社会のただ中で、自分の中の神が遠くなり、ついには殺してしまうことになる。 でも、老いて死ぬ間際に、息子に一連の旅の手記を託して、乳兄弟に届けさせる。 乳兄弟は聖人となり、教皇の座についていた。 彼は覚書をしたためる。 「死んだ後、愛した男のいる天国に行きたいから、神を殺してしまった姫様のために、私に祈れ、というだね。私の分の祈りはすべてあげるよ、姫様」と。 優しい物語。 Posted by ブクログ 聖者の異端書 内田響子 名前のないお姫様の冒険物語。淡々と話が進んで行くのがいい、と私は思うけど、好き嫌い分かれそう。最初に読んだのはもう何年も前だけど、でもやっぱり今でも好き。全1巻 Posted by ブクログ 聖者の異端書 内田響子 面白く一気に読めた。個人的に好みのタイプの主人公だったのが大きいかも。 勇敢で知的な女主人公が好きだったら、素直に楽しめる話だと思う。 脇役もそれぞれ人間味があるというか一癖ある感じで、それもまた良し。 Posted by ブクログ 聖者の異端書 内田響子 C☆NOVELの『煌夜祭』がとても面白かったので、同じく賞をとっているこの本を読んでみました。なかなか面白い語り口で楽しめた。結婚式の日、式の最中に夫となるはずのパルジファルが消えてしまった…。そこからパルジファルを探して旅に出るお話。上下巻に分けられるくらいに、もう少し詳細に展開されれば☆5つだっ...続きを読むたかも。 Posted by ブクログ 内田響子のレビューをもっと見る