中村玄のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
東京海洋大学の中村玄先生の、クジラ博士になるまでのエッセイ。先日読んだ同じクジラ研究者の田島先生のエッセイも大変に興味深かったが、こちらも相当に興味深い内容だった。
魚やハムスターの骨に魅せられて始まり、やがて留学先の南米で見かけたクジラを数年後に研究するに至る。小林快次先生もそうだが、今専門の研究をしている方が最初からそれに根差しているのかと思うと、ほとんどがそうではないと気付かされる。数奇な運命、とも言えるエピソードばかりだ。
本書は調査捕鯨のことに多くページを割いている。かの有名なシーシェパードの妨害、母船の火災(1人が亡くなっている…)からの避難、私たち読み手にも緊張が走る。鯨調査の正 -
Posted by ブクログ
本当に面白かった!読みやすい!
中村さんの別のクジラの本を読んだので
こちらも読んでみようと思った。
最近クジラのことが知りたくなって色々と読んでいるけれど、この本はクジラの生態や特徴だけではなくて、クジラそのものを取り巻く世界のことが書かれている。一歩引いた目で現在の地球におけるクジラという存在を知ることができる。
ますますクジラが好きになった、もっと知りたい。
クジラもそれを研究する人たちも海のことも、普段の生活とはかけ離れていてすこし遠い世界のこと、憧れの存在みたいになってしまいがちだけれど、海にはクジラひとつひとつの個体がたしかに生きていて、それらを地道に知ろうとする人たちがいる -
Posted by ブクログ
この本を読んで?~1983年生まれ,生き物が好きでトカゲをペットショップで見て飼うことになり,付けられた渾名がハチュー。中学の理科の先生は女性だけど,牛や豚の内臓を授業中に見せる名物先生で,高校では新任の先生に魚類の骨に着色した透明標本を見せられ,出身大学の研究室を紹介して貰った。高2でアルゼンチンに留学し,クジラを見た。高3は後輩達と過ごし,水産大学に入学。魚の骨の標本作製に夢中になり,大学院進学時に赴任してきたクジラの専門家の先生の研究室に入って,南氷洋まで調査捕鯨に出向いて博士号を貰って,給与付きの研究員となった~まあ好きな道に進むことが許される豊な国になったね,日本も
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Posted by ブクログ
ネタバレ研究するってこんなこと。
生き物好きの少年が鯨類学の研究者になる過程を丁寧に本人がまとめた自伝。少年の日の理科の授業、骨格標本作りの試行錯誤、アルゼンチンへの留学とクジラとの出会い、進学と研究の始まり。南氷洋での観測の日々と、博士課程での自分のテーマを追う生活について。波瀾万丈というほどでもないが、確実に個性的な人生が描かれている。
出会うべきときによい出会いがあった幸運。アルゼンチンに留学した時に出会ったクジラ。しかしその時他の留学生に尋ねられた日本の捕鯨について高校生の著者は答えを持っていなかった。研究者となって再度訪ねたアルゼンチンで著者は博物館でクジラの標本に感動し、その価値を噛み -
Posted by ブクログ
クジラの研究者である著者が、なぜクジラの研究を志したのか、クジラを研究するとはどういうことなのかを語ります。
子どものころから生き物が好きで、ザリガニや虫を捕まえることに熱中し、犬・猫・鳥はもちろんのこと、様々な生き物を飼っていたという。中学の理科教師に見せてもらった骨格標本に興味を持ち、自宅の庭に埋めてた亡くなったペットのハムスターを掘り起こし、骨格標本を作って夏休みの宿題として提出したという。著者もすごいけれど、それを許したご両親が凄すぎる。私だったら、絶対「そんなかわいそうなこと、やめなさい!」と言ってしまうだろう。
クジラの調査といえば、当然のように登場するシーシェパード。学生の時、南