村田聡一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
SAP DX統括の村田聡一郎氏によるブルーカラー改善手法のTPSがどうしてホワイトカラーに通用しないのかの分析本。ものを取り扱うブルーカラーは日本でも現場力が強いが、情報を取り扱うバックオフィスとしてのホワイトカラーは日本において改善努力・システム化をしてこなかったために競争力が失われたと分析する。ホワイトカラーの生産性は組織内でやり取りされる情報が付加価値を生むか、具体的には①適切な相手に渡っているか、②相手がその意味を理解してアクションをとるか、③そのアクションが経済的・社会的価値を生むか、の①②③テストに通って初めて成果として意味を生むのであり、そのためには④適切なタイミングで情報が提供されるか、ということも重要となる。投入した作業量と価値がほぼ比例するブルーカラーに対して、投入した作業量と価値が比例しないホワイトカラーについては、その価値を生み出すためのコスト(準備工程)である情報収集、資料作成、打ち合わせ、根回り、報連相にかけるコストを際限なく(労働工数に到達するまで)かけようとする圧力がかかる。少人化をめざすブルーカラーと違って、既存労働慣行を守ろうとし、労働コストにおいて要不要のトレードオフ判断基準が与えられていないホワイトカラーにおいてはボトムアップ(現場主導)では、これまでの労働慣行を打ち破って少人化(工数削減)に取り組もうとするモチベーションが働かない。実装すべき機能と工数制約を同時に与えて、トレードオフを迫るトップダウン(経営主導)ではグレーゾーン工数を優先度付けして取捨選択をせざるをえなくなる。
松下幸之助のコストカット3%はできないが、3割ならできるという名言も、トップダウンによる優先順位付けを与えることで、業務改革ができるということをいっている。 -
Posted by ブクログ
私はまだ部門長や経営者には程遠い存在であるものの、自部門の状況と重ねながら読み、筆者と同様に怒りが込み上げてきた。多くの日本企業が問題に抱える「グレーゾーン業務」や、ソフトウェア導入等で定型化できるはずなのに人力に頼り切っている業務などが、自部門にはびこっていると感じた。
部分最適のためのカイゼンは自分の中で心がけていたかもしれないが、「全体最適」という点でカイゼンを意識しなければならない。
本書の最後で、みなさんの上長にも本書を読んでもらって考えあってほしいとあったが、本当にそうしようと思った。
みんなでこの本を読み、日本全体で生産性を向上させましょう! -
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組織の生産性を向上させるための取り組み方がわかる。
組織にムダな業務がたくさん残っていると感じている管理職におすすめ。
【概要】
●定型業務と非定型業務
●グレーゾーン業務
●部分最適と全体最適
●ムダな業務とは
●BPR2.0
【感想】
●組織の生産性を向上させるためにはホワイトカラーの業務を見直す必要があると理解した。そのためにはムダな仕事について上位職者が「やめていい」と言う必要がある。
●日本型BPR2.0として変革の仕組み化について7つの方策が書かれていて、とても勉強になった。特に、変革は専任組織が必要であるという点とグレーゾーン業務をやめさせるという点だ。
●一方で、全体最適を見据えた中でワンファクト・ワンプレイス・リアルタイムを実現しようとした場合、大きな組織であればあるほどその実現は困難である。これをどう実行させるか別の工夫が必要だと感じた。 -
Posted by ブクログ
生産性を上げるのは部分最適ではなく、全体最適。ホワイトカラーは価値のある情報を提供し、運用する仕事。
低い生産性は、古い文化の浸透により、全体プロセスに対して盲目になってしまったことで生じる。改善の方法は、会社全体の組織をそれぞれ縦で置き、横軸での繋がりを持たせる為の軸を作ること。そして、その軸の芯として、経営方針を掲げ、コストを費やすか減らすか明確な基準を持たせること。
私が所属する会社でも資産の統合管理システムが課題となっている。属人化も進み、人材がいなくなったら瓦解する、掘っ立て小屋状態だ。今日、企業がTOPの下に経営コンサルタントやデータアナリストを起き、ワンファクトで経営を行うことは必須となってきている。経営アルゴリズムを建てるのは、上層部にしかできないが、それを後押しするのは新入社員でもできる。今こそ立ち上がるときだ。 -
Posted by ブクログ
・「生産性をあげる→定型業務を人からはがす→定型業務はソフトウェア化する。」という話し。生産性を上げるところからスタートすると標準化の話しは通じる。
・SAPにもユーザー現場を分かってる人がいるじゃないと思ったら村田さんだった。以前話した時は、確かに腑に落ちることが多かった。これが、SAP製品紹介のときには反映されない。わざと欧米でやったことは日本人には紹介しないのか。「ザ・ゴール」を翻訳しなかったように。
・JTCあるある。過去のプロセスやルールがそのままになっている。上位職者への過度なサービス。波風を立てないことを重視した根回し(既存業務の既得権益化)。
・上司を喜ばすためだけのホウレンソウ。「資料が難しすぎる。1枚にまとめろ」による角のとれたわかりやすい情報。無駄。これだと上司は本質に気づく手段が自ら無くしている。
・ただしパーキンソンの第一法則に注意。仕事の量は、与えられた時間をすべて使いつくすまで膨張する。
・「4つのテスト」がすべてYesでない限り、その情報は無価値。
①適切な受け手に渡っているか?
②受け手の行動に有意な影響を与えるか?
③その結果として経済的・社会的価値が生まれるか?
④情報が渡るタイミングが適切か?
・ホワイトカラー業務の大半は、企業レベル・投資家レベルの視点では単なるコスト。上記①~④のテストを通った場合にのみ価値がある。
・理想的に設計された組織とは、誰もが仕事をするために知るべきことを知っている。仕事をするために必要な資源をみな手にしている。つまり会議のない組織。労働時間の1/4以上が会議についやされている場合は、組織構造に欠陥がある。「プロフェッショナルの条件」byドラッカー
・ホワイトカラーの生産性を改善するためには、ボトムアップな「ヒトの現場力」だけでなく、トップダウンの「全体最適の追求」(=働かせ方、やめていい作業は止める)の両方の合わせ技が必要。
・そのためには、期間限定のプロジェクトでなく、経営陣が本腰を入れて「仕組み」で取り組む。
・デジタルの対義語は「フィジカル」。
・企業とは「複数の人や部門が、協力/分業して、顧客に対して価値を提供する機能体」つまり「システム」。なので、サブシステムが部門に個々のロジック/処理が個人になる。システムのパフォーマンスを上げる方法に、企業のパフォーマンスを上げるヒントがある。
・なお、個人の頑張りで企業のパフォーマンスを上げられるが、本来の抜本的な対策ではない。つまり、今の日本企業は、すばらしい文化/社風でなんとか個人が頑張るレベルから、文化/社風を業務プロセスに一段落として高度化するレベルになっている。カイゼンには限界がある。
・つまりいまや優れた企業とは「顧客価値最大化を軸に、優れた業務プロセスを持ち、さらにそれを高度化させていく仕組みをもつ企業」。
・ERPのメリット。部門別システム時代は、各システムに売上や原価や在庫やオーダーのデータが存在。それを繋ぐが、微妙に違ってたりする。その煩雑なcorrection とcollection を不要にする。datalakeと同じ。ERPは統合業務パッケージ。datalake は統合データベース。部門システムが最初から完全に連動している。
・TPSで実施したブルーカラーに対する「機械化」を、ホワイトカラーに対して「ソフトウェア化」するのが日本型BPR2.0。ソフトウェアに仕事をやらせる。この例がExcel バケツリレーをやめてERPを使うのなら、うちはもうやっている。だけど生産性は高いとは思えない。
・欧米企業がやれていて、日本企業ができていないこととは何なのか。
・BPR2.0には、プロジェクトでなく専任の組織が必要。半永久的に続く「デジタル時代のオペレーショナルエクセレンスの追求」のため。「生産技術本部」があるのになぜ「業務変革室(業務技術本部)」がないのか。
・「業務変革室」には、情報システム部とプロセス管理部を併設する。メンバーは専任。兼任で両方の立場を持ってというのは、トップの覚悟の無いていのいい言い訳。
・プロセス管理部は、業務部門と情報システム部の間に入って、経営目線の中立的な立場で「全体最適なプロセス」を追求する。全体を見えるところにしか、全体最適はできない。 -
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ネタバレ本の要約
【概要】
(誰が書いた、概要)
SAPジャパンというERPソフトウェアの開発・コンサル会社のディレクターの方
(読むきっかけ)
私が社労士法人に勤めており、お客様にバックオフィス改善提案をしていく必要性を感じた。
その中で、バックオフィスの改善における現状や問題点を勉強したいと思っていた中で本書と出会った。
(活かしたい内容 ※2点程)
・自分の業務の棚卸をしてみて、それが『社内価値』か『顧客価値』か棚卸をしてみて、できる限り『顧客価値』の仕事を増やすようにする。
・無形の情報やサービスを特性を意識して仕事をする。
その取り組みの積み重ねが『顧客価値』提供に繋がっていく。
(感想)
・トヨタのカイゼンにそのまま当てはめて考えていたが、ちゃんと有形と無形の特徴を把握した上で話をしないと机上の空論や意味のない活動になってしまうと思った。
・仕事の質、スピード、誰に届けるは大切。
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Posted by ブクログ
ネタバレ感想
・素直に面白かった。この手の経営目線の本で一度も寝ずに読みきれたのは初めてだった。
・自分も1ホワイトカラーとして定型業務やグレーゾーン業務に大半を費やしていることを痛感した。
→これと同等かそれ以上のことが日本中のホワイトカラーに起こっているにも関わらずメスが入っていない。この現状に、素人ながら強い当事者意識を持った。
・ERPを売ってみたいと思った。全従業員の幸福に、根本的にアプローチできる製品だと思ったからだ。
→BPRの肝=経営者向けの製品かと勝手に捉え、全従業員の幸せには寄与できないと考えていた。
→実際は、ブルーカラー領域で名を馳せた「ジャストインタイム」「自働化」「人間性の尊重(意味のある仕事をやれるようになる/長期的に給料も上がる等)」をホワイトカラー領域で実現するための屋台骨になれる製品だった。
→お金さえ払えば誰でもホワイトカラー生産性向上を目指していけるにも関わらず、決断に踏み切れていない企業も多くある。企業は重大な機会損失をしているのではないか?と思った。
ERPを何故入れられないのか?その根本要因をもっと知りたい。
→「やめていい」と言える責任者たちに北極星の策定〜BPR2.0(デジタルを活用した定型化)の啓蒙をしたい。
・今回の学びをSFのセリングにも活かせないか?
→定型業務の標準化と自働化により、「人事部門の人手不足解消」「人間性の尊重による働きがい/エンゲージメント/(長期的には)給与向上」に繋がる
→(対ERP既存顧客)ワンファクト ワンプレイス リアルタイム原則の実現のために、ヒトの情報も同一のマスタで管理していかなければいけない
→(対グローバル企業)上記世界観は、他国の企業&日系グローバル企業の間では当たり前となっている
→(対プロセスルールを整備中の企業)経路依存性の観点から、五位一体の改革が求められる
メモ
◎製造現場(=ブルーカラー)を支えるトヨタ生産方式とは?
・下記「ジャストインタイム」「自働化」により「少人化」を実現、「生産性の向上」「人間性の尊重(=ヒトがやって意味のある仕事をやらせる)」を成し遂げる生産方式である。
・ジャストインタイム: 必要や部品が、必要なだけ生産ラインに到着する
→物理的にも財務的にも経営を圧迫する「在庫」をゼロに近づけられる
・自働化:自動停止装置付きの機械
→「機会に人間の知恵を付けたもの」と言え、不良品の生産を防ぎつつ、工数低減による生産性向上を見込める
・グレーゾーン業務大量発生の根本原因は、突き詰めれば終身雇用も年功序列である
→上の年齢層で人が余っており、彼らが余分な仕事を生み出している
→複線人事(マネジメント職とスペシャリスト職が行き来できる)などのジョブ型への移行により、非定型業務にコミットできる環境を作る必要がある
・グレーゾーン業務:顧客への提供価値とほとんどまたは全く関係のない社内業務を指す
→部分最適なデジタル化を人手でつぎはぎするような非効率かつミスや不正の余地をはらんだ業務プロセス
→本来の目的とかけ離れたプロセス
→過去のプロセスやルールがそのままになっている
→上位職者への過度なサービス、忖度
→波風を立てないことを過度に重視した根回し
・グレーゾーン業務が定型化されない理由
→ソフトウェア化しなくても作れてしまう
→ソフトウェアへの投資対効果が見えにくい
→定型化できるほどの知見がない
→ヒトならではの柔軟性が評価されることもある
→皆非定型業務が好きであり、定型化を嫌う(自分にしかできない仕事だ、と胸を張れるため)
・「標準化されてしまうと出来ない業務が増える」と言われる事へのカウンター
→そもそもの問いの立て方が間違っている、北極星から逆算した際には標準化がマストとなる
→北極星策定から、SAPとして関わる -
Posted by ブクログ
なぜデジタルなのか? 監修SAPジャパン
1.デジタルの特徴、強み
①記録
②劣化しない、疲労しない
言い方を変えれば、再現性さらに記録活用で発展性ある仕組みができるということ。
2.コマツに学ぶスピード戦略
①コマツのビジネスモデルの転換
周知の事実である。
ハード/1,000万円の建築土木機械の販売から、サービス/建築土木現場が喜ぶ機械の利活用への転換である。
②データ活用でアフタービジネス拡大へ
具体的には、ハード/センサー経由で機械の稼働データを収集、メンテ必要時期を検知、故障前にリペアするという具合である。
③驚くは、仕込みの徹底
①、②のビジネス。顧客には安全、安心だから需要がある。
ここからがポイントだ。コマツは、顧客にこのセンサー付き機械をオプションで販売しなかったことだ。
赤字覚悟で、基本サービスに組み入れたのである。
基本サービスだから、売れただけ、センサーが広がる、データが収集できる。
長期視点にたてばこそ、実行できた経営戦略である。
3.SAPからの学び
ドイツ本社ERP業界大手である。
サービス上、一社一台が基本である。それがゆえ、業績が停滞した時期が存在した。
そのブレークスルーの取り組み、足跡も興味深い。
やはり、学ぶ→自社に置き換えるは、楽しい。
あとは、やるか、いなかだ。