村田聡一郎のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
序章 日本型経営の「勝利の方程式」がなぜ通用しなくなったのか
1章 コマツ LANDLOG
2章 第4次産業革命の本質は「デジタル・イノベーション」
3章 「デジタル」と「フィジカル」の違い
4章 日本の現実は「2.5」
5章 デジタル・プラットフォーマーの時代
6章 デザイン思考で顧客の「真の欲求」を見極める
7章 ケーススタディ:大企業システム構築の新常識
8章 企業システム構築の新常識
--------
・デジタルの対義語はフィジカル
・デジタルとフィジカルのコスト構造の違い
・デジタルの5大特徴
①差分コストゼロ
②無制限
③時差ゼロ(リアルタイム)
④記録・分配・予測
⑤明細×組み合わせによるパーソナライズ
・ソフトウェアの自社開発やったら負け。大規模カスタマイズも負け。
・現場、現場の「カイゼン」ではない。
・すべてのビジネスプロセスが連携して、全体最適の実現、のためにIT、IoTをつかう
・現場の声を聞いてはいけない。
・大企業で「イノベーションのジレンマ」が起きるのは妥当
・SAP事例:”出島”がひとつの手段
・SAP事例: Place/People/Process の3つのP -
Posted by ブクログ
示唆に富む内容だった。
ホワイトカラーがブルーカラーと違うのは、産み出すものが「情報」で、大量生産ではなくひとつだけの意味ある情報を生み出して適切なタイミングで適切な相手に届けることが業務の本質であること。そのため、ブルーカラーの現場改善がホワイトカラーでは働きにくいということ。情報の価値は製品のようにはわかりにくく、不良品かどうかもわかりにくく、本当に必要なのかどうなのかも現場ではわかりにくいために、実際には顧客価値へのつながりが薄い「グレーゾーン業務」が増えてしまうということ。
そうしたグレーゾーン業務は経営の責任において廃止し、残った業務についてもできる限り定型化してデジタル化し、人は判断や企画や高度な顧客対応に集中させるべきであり、そうした仕組みを作り上げる責任は経理者にある、という主張。
正に仰るとおりだが、グレーゾーン業務について、経営者がやめてもよいと言うべき との説明に関しては、やめろと言うべき、と言いきって欲しかった。
あと、ややERP礼賛のポジショントーク的な箇所もあり、少し気になった。
とはいえ、目から鱗の内容。
良書でした。 -
Posted by ブクログ
基幹システムを刷新する際に、PJ関係者が読むべき本です。ホワイトカラーと言われている方々も読むべき本です。
個人技によるフィジカルな戦いから、ソフトウェアを活用したデジタルな戦いへ移行した。戦い方が変わってしまった点に経営層や幹部層などが気づけるか?気づけないか?にあると思います。
ホワイトカラー層が扱う仕事は「情報」なので、データ加工やデータ抽出などは、ソフトウェアへ任せることができます。
手作業によるExcelバケツリレーは無くさないといけないですし、ホワイトカラー層の仕事を職人化(属人化)させてはいけないです。より複雑な手作業(業務プロセス)にして価値をアピール人が生まれることにつながります。良い気づきと勇気を得ることができました。 -
Posted by ブクログ
これは良書です。
よくある「生産性・パフォーマンスの向上のための仕事術」ではなく、むしろ、ホワイトカラー(ブルーカラーも)は頑張っているし質も高い、という事実が土台となっています。
つまり、ホワイトカラー「の」生産性が低い、のではなく、ホワイトカラーの生産性「を」低くしている”障壁”は何なのか、を非常に解像度高く説いてくれているので、読んでてあるあると首を縦に振ることばかりでした。
個人・現場ではなく、むしろ経営・マネジメント層が読むべき本です。著者がSAPの方なので、結論としてはERPを導入して一元管理しろということなのですが、システムを業務に合わせるのではなく、業務をシステムに合わせる、且つシステム化して現場で人力でやっている部分をやらずに済むようにするというBPRを真剣にやれという経営・マネジメント層への意識改革を求める内容です。
言われている事は分かっていても、実際には業務に合わせてシステムをカスタマイズする、生産性向上を+αとして現場に求めるという従来の経営のスタンスをバッサリ切り捨てていて、爽快でした。 -
Posted by ブクログ
仕事における「定型」「非定型」「グレーゾーン」を考える。定型の仕事をしてはならない。
時間は代替の効かない唯一の資源である。その為、定型の仕事に時間を浪費してはいけない。
定型の仕事はシステムにどんどん任せて、非定型の仕事に時間を費やす。
グレーゾーンはその本質を見極める事が肝要であり、最適化を図っていく。
その際に、常に顧客に向かった「全体最適化」を目指すこと。「部分最適化」には目を向けない事が重要。
全体最適化を図れば、部分最適化が後退したり犠牲になる場合もある。そこに固執すると全体が最適化されず、結果として顧客に向けた生産性向上に繋がらないのである。
木を見て森を見ずである。 -
Posted by ブクログ
ホワイトカラーのエクセルのバケツリレーは面白い。
ちいさな成功体験に支えられた日本のホワイトカラー。
<書評より>
工場は少人数で回せるようになったのに、売上に比例して事務職員が増え続けなくてはならないのは、なぜなのか。
複数の関連会社のシステムが個別に管理され、情報一元化のために膨大な労力を割かなくてはいけないのはなぜなのか――?
ブルーカラーの現場では生産性アップが進んでいるにもかかわらず、ホワイトカラー業務の生産性は、思うように改善されていない。
なぜ、日本企業のホワイトカラー業務は効率が悪く、生産性が低いのか。
その理由は、多くの人(主に経営者)が、「ホワイトカラーの生産性を高める方法」を知らないことにある。
ブルーカラー業務に求められるのは、一定の品質のモノを大量に生み出すことであり、業務の一部を自動化するなどして、生産性が劇的にアップした。
ところがホワイトカラー業務では、そうはいかない……。
本書ではホワイトカラー業務の特性を読み解きながら、生産性が低い理由と、そこから脱却するための手法、そして、組織全体を成長させ、変革させるためのアプローチを解説する。
「食い入るように読みました。まさに書かれている通りのことが弊社内でも起きている」
「現場のカイゼンでは改善できないこともある、と常々感じてきたのでモヤモヤが晴れた」
「失われた25年とは管理職が自己の能力向上を怠り、忖度がはびこり、若手の成長のボトルネックになってきた期間」
「ワンファクト・ワンプレイス・リアルタイムこそが要だと実感した」
「DXという言葉の中に埋まっている本質を見せていただいたように感じられた」
などなど、反響続々!!
※本書では、ブルーカラーとホワイトカラーは単なる職種の違いとして表記しており、どちらかが上で、どちらかが下だという見方はしていない。
別の書評より
私が考える一番の原因はやはり年功序列を基軸とした人事システムにあるのではないかと思います。現時点で道行く会社員に「あなたの会社は成果主義に基づく人事制度が導入されていますか」と聞けば、おそらく9割の人からYESという返事が返ってくるでしょう。しかしこれが曲者で、日本企業に導入されている成果主義は同期社員の間に数年の昇格スピードの差をつけることで社員に同期に負けじとする気持ちを持たせ奮い立たせようとするものであり、外資企業に見られるような年下の上司が存在する真の意味での成果主義が導入されている日本企業は少数派なのです。従って多くの日本企業においては年功序列を基軸に成果主義の味付けがしてある人事システムが主流と言えます。
守りに入っているホワイトカラーの社員を生産性向上の動きに持ってゆくには、彼らの意識変革が必要です。それは生産性を向上させ仕事が変わってゆくこと自体が面白いと思わせること、あるいは生産性向上により労働時間が短縮し残業や休日出勤が減少することでより多くの自分の時間が持てるようになり、結果的にワークライフバランスがとれた生活を送れるようになることを理解させることで実現します。要するに守りに入っているホワイトカラーの社員が自ら生産性向上の必要性と価値を理解して動かない限り、生産性向上活動は決して成功しないのです。
例えば生産性向上に向けた時間管理の仕組みを作り、毎週上司と部下間で業務の無駄がないか確認する、全社キャンペーンを実施する、社長メッセージを定期的に発信する、研修を行う、等のいろいろな施策を組み合わせ、しかも継続的に実施することになります。
、本人の意識に訴えるボトムアップアプローチこそがホワイトカラーの生産性を高める有望な手法と言えるのではないでしょうか。 -
Posted by ブクログ
日本と比べて雇用に柔軟性がある欧米企業は、効率が上がって社員数が減らせる状況であれば当然そうする(P203~204を参照)。ホワイトカラーといえど例外ではない。定型業務しかやらない・できないホワイトカラーは(5章で詳述するように)デジタル時代にはコストでしかなく、そうした事務職が減っていくのはむしろ自然な流れであった。
ただしこうしたシフトは10年以上の時間をかけて少しずつ起きたので、多くのホワイトカラーがいわゆるリスキリングし、「ヒトは非定型業務に特化する」という流れに対応していくことができた。企業の側もできるだけ解雇は避け、『他の仕事をしてもらうよう務めた。また、売上と利益が順調に伸びている状況であれば、人数の伸びをそれより抑えることができれば、それは少人化と同じことになる。
部分的なデジタル化は行われたが(4章にて詳述)、そこで生み出されたはずの余剰時間は、グレーゾーン業務にそのまま吸収されていった。
グレーゾーン業務とは、顧客への提供価値とほとんどまたはまったく関係のない社内業務を指す。本章~6章のそれぞれ冒頭に掲載しているBさん〜Fさんの話はその典型例だが、あなたの周りにも、以下のような業務はないだろうか。
・部分最適なデジタル化を人手でツギハギするような、非効率かつミスや不正の余地をはらんだ業務プロセス
・本来の目的とかけ離れた・社員のワークロードを無視した無意味なプロセス
・過去のプロセスやルールがそのままになっている
・上位職者への過度なサービス(=部下のワークロードの私物化)
・波風を立てないことを過度に重視した根回し(=既存業務の既得権益化)
◾️フィジカルと比較したデジタルの特徴
デジタルとは、突き詰めればビットのon/off、電子の羅列として表現され、伝送されるもの、のこと
その特徴は3つ
①フィジカル世界では考えられない超高速
-超高速ゆえに超大量でも容易に扱える
-伝送もまた超高速
②容易かつ完全に複製できる
③指示されたことは(指示が正しい限り)100%正確、かつ無限にこなせる
いずれも、フィジカル世界(たとえばヒト)とは真逆
⇒強力な補完関係にある
ホワイトカラー業務のデジタル化を進めるにあたって、欧米企業の経営者は、本社つまり自分の直下に「プロセスオフィス」と呼ばれる、業務プロセスのカイゼンを専門とする部署を作った。日本企業ではほとんど見かけないが、欧米企業ではごく一般的な部署である。
プロセスオフィスで働くのは「ビジネスアナリスト」と呼ばれる、社内コンサルタント的な人材で、実際その幹部はMBAを取得してコンサルティング会社勤務を経験してきたような人材が務めることが多い。ただし社外コンサルタントが期間限定で雇われ、「報告書」という紙だけを残して去っていかざるを得ないのと違い、正社員であるだけに、現場との二人三脚で、地に足のついたカイゼンに長期視点で取り組むことができる。
ビジネスアナリストは、初めからエンド・トゥ・エンド、つまり全体最適になるような改善しか考えていない。部分最適を目指す理由はないのだから当たり前である。『ザ・ゴール」で有名なTOC(制約条件理論)の通り、ボトルネックになっている工程以外は、カイゼンしても、エンド・トゥ・エンドで見れば改善しないのだ。
ホワイトカラー業務が定型化されない6つの理由
①作り・届けるのが情報という無形物なので、機械化せずともこなせてしまう前項で見たように、現代のブルーカラー職場では、「一定の品質」のモノを「多数」作り・届け続けるためには、ある程度の機械化が必須であり、機械化するためにはその部分を定型化しなくてはならない。
ところがホワイトカラーは、作るモノが「情報」なので、機械がなくても作れてしまう。PCという「情報の入出力+加工デバイス」つまり「工具」は必要だが、人間上りはるかに強力・高速・高精度に動く「機械」はなくても作れてしまう。
②こなす数が少ないので、定型化するコストが相対的に大きく、メリットが小さい
そもそも定型化する、つまり「どのようなプロセスを踏めばベストなものが作れるかを見定め、明文化する」という作業にも、相応の時間やコストがかかる。ブルーカラーは多数のモノを作るので、そうしたコストをかけても元が取れるが、ホワイトカラーが作る情報は基本的に1つ。たとえば商品が20種類あれば×20にはなるかもしれないが、それでもせいぜい数十という単位なので、元が取りにくい。
ちなみにこれは日本企業のような在職期間が長い企業で、とくに顕著な傾向である。一般に在籍期間が短い海外企業では、入社した人が「まず手順を覚える」ことをしなくてはならないので、標準手順が明文化されていることのニーズが高い。一方日本企業では明文化のコストをかけずとも皆がそれを知っており、たまに入ってくる新人は周りの人に聞いて覚えてもらったほうがコストが低い、ということになる。
③定型化できるほどの知見・経験がないこともある
まったく初めて作る情報はもちろんのこと、何度かやったことがある程度では、手探りで進めざるを得ず、「よい作り方」を定めるほどの知見や経験はたまりにくい。
④情報の価値は常に相対的なので、単に「作業」手順を定めてもそれが価値につながりにくい
ブルーカラーは多数のモノに一定の品質と価値を持たせるため、作業手順を定型化する。
一方ホワイトカラーは、前項で見たように、定められた作業手順を踏んでも価値が出せないことがままある一方で、手順を踏まなくても価値が出せてしまうこともあるがゆえに、手順を定型化するというモチベーションが働きにくい。
たとえば、100ページフルカラーで情報満載の提案書を作っても、A4ペラ1枚箇条書きの提案に負けることはある。とくにタイミングを逸した場合は。そうなると、手順を定型化し情報の品質を上げるよりも、それ以外の要素で勝負しようとなることは、ある意味やむを得ない。
⑤ヒトは極めて柔軟であり、その柔軟性が喜ばれることも多い
機械(ソフトウェア)化すると、定型処理しかできない。だがヒトは柔軟なので、顧客や上司の要望に合わせて、手順を変え、柔軟に対応することができてしまう。そしてそれが喜ばれることも多い。「顧客の要望に柔軟に対応することこそが自分の仕事」「わが社の強み」という意識にまで達してしまうこともよくある。
そしてそれは、「おもてなし」という言葉が異常なほどの好感を持って受け取られる日本において、とくに顕著である。本来おもてなしとは、P144でコメントした通り、一定の定型化ができたうえでのプラスアルファであるべきなのだが。
⑥皆、非定型が好きである
そもそも、他人に指示された通り・決められた手順通りにやるのが好きな人はいない。なぜならその手順を覚えなくてはならず、そして手順通りにやらないとハネられてやり直しをさせられるからだ。それがうれしい人間はいない。それよりは自分に裁量があり、その中で自由に(=非定型に)進められるほうが楽しいに決まっている。
また定型化されている手順は勝手にカイゼンできない。つまり自分のやり方でやったらうまくいったから、今日からはこの手順に変更します!ということができない(関係者全員を説得したうえで、標準手順そのものを改定する、というプロセスを経なければならない)。カイゼンが推奨される日本の現場において、カイゼンできないというのは、非常にストレスになる。一方定型化せず非定型扱いのままにしておけば、どんなカイゼンでもやり放題だし、自分しかできない、という役割や居場所を創ることにもつながる。
手順通りにやったところで「人並み」になるだけで、人並み以上にはならない。それなら定型化などせず、「自分のやり方」でやったほうが差別化できる。とくに上位職(たとえば役員)ほど、「非定型こそが自分の付加価値であり、自分のやっていることは非定型だ」と考える傾向が強い。実際にはそんなことはなくても、だ。
◾️上が「やめていい」と言ってやる例
ちなみに大野耐一氏の時代ではなく、現在のトヨタでは、社内に以下のようなポスターが大きく貼られているという。
①会議のムダ――「決まらない会議」「決めない人も出る会議」を開いていませんか?
②根回しのムダ――自分の『安心』のために、『全員”に事前回りをしていませんか?
お酒
③資料のムダ――報告のためだけに資料を作っていませんか?A4/A3一枚以上の資料を準備していませんか?
④調整のムダ実務で調整していても進まない案件を、「頑張って」調整しようとしていませんか?そういった案件は、すぐに上位に相談しましょう。
⑤上司のプライドのムダ――自分に報告がなかったという理由だけで、「私は聞いていない」と言っていませんか?上司がこう言うと、②根回し③資料のムダが発生します。情報は上司自ら取りに行きましょう。
⑥マンネリのムダ――「今までやっているから」という理由だけで、続けている楽務はありませんか?
⑦「ごっこ」のムダ――事前に練ったシナリオ通りの『シャンシャン”会議をしていませんか?決めようとせず、その周辺ばかりをつつくことで議論した気になっていませんか?
◾️組織能力の5つの要素
さて、業務変革本部のミッションは「組織能力の向上」と言いましたが、事業を支える組織能力には、「組織構造」「プロセス/ルール」「人」「データ」「システム」の5つの要素があります。これらの要素にはいわゆる「経路依存性」があり、相互にガッチリと組み合わさっているので、どれか一つだけを変えようとしても、強力な引力をが働いて、元に引き戻されてしまいます(図表7・4)。たとえば典型的なのは、情報システムだけを新しいものに入れ替えようとすることです。すると何が起こるでしょうか?一例を挙げれば、
・組織構造:既存のタテ割り組織ごとの利害
・プロセス/ルール:現状の業務プロセスやルールへの拘り・慣性(惰性)
・人:社員の「現状維持」意識
・データ:多数のシステムに散在してしまっているデータの不整合
など、他の要素が足を引っ張ります。結果、莫大な費用を投入しながら、出来上がったシステムは以前のものとほとんど変わらない、といったことがしばしば起きていました。みなさんの会社でも、ご経験があるのではないでしょうか。
こうした事態を防ぐためにはどうしたらよいでしょうか?5つの要素すべてを、一体で変革していくしかありません。よって業務変革本部の傘下には、社内コンサルタントである「業務変革室」以外に、「情報システム部」を移動し、しばらくしてから「プロセス管理部」も新設しました。データの管理は、この両部の共同で行う形になっています。プロセスとデータは非常に重要なので、後ほど、詳しくお話しします。
さらに「人の意識変革」をリードする社内コミュニケーション、いわゆる「チェンジマネジメント」の機能も持っています。
◾️必ず専任
メンバーには、各部門の若手~中堅のエース社員をローテーションさせています。「兼務」では絶対に機能しないでしょう。
なぜ専任か?兼務者とは要は「部門代表」であり、「部門の声」をプロジェクトに伝えることが期待値ですよね。するとどうしても部門最適を主張することになってしまう。これが全体最適を目指す活動と両立しないのは明らかですよね。部門業務に精通し、出身部門との信頼関係があるエースであっても、兼務でなく専任として発令すれば、部門の理解と協力を得つつ全社最適を推進していくキーパーソンとして機能してくれます。これを兼務という中途半端な発令でしのごうとするようでは、トップの覚悟が疑われても仕方ないでしょう。
◾️ワンファクト・ワンプレイス・リアルタイムとは
全社システムにおいて最も重要なのは「ワンファクト」です。ファクトをひとつにせよ、など当たり前のことのように聞こえますが、では自社がそうなっているか?というと、そうではないことはあなたの会社でも同じではありませんか?当社でも、本書の4章で見たように、「売上高」や「原価」といった最も基本的な数値ですら、部門システムごとに存在していることがザラにありました。
また非常に多くの企業において課題となっている(がそうは認識されていない)のが、マスターデータの不統一(=マスターデータが複数存在している)という問題です。製品マスター、部品マスター、顧客マスター、人事マスター、購買マスター・・・・・・などのデータが部門システムごとに保持されていると、それらは常に相互の不整合の元凶となり、つまりワンファクトでなく複数ファクトが常時発生しています。
◾️ニッポンの未来を創る、現在のそして未来を担うリーダーたちへ
さて本書の総まとめの7章、いかがだっただろうか。おさらいすると日本型BPR2・0は、以下7要素から成るフレームワークである。
(1)自社の全体最適視点での経営のしくみが時代遅れになっている・今後何もしなければそうなっていく、と認識し、(2)北極星を定め、(3)組織、(4)システム、(5)プロセス/ルール、(6)人、(7)データの五位一体で変革していく。
2000年前後に一世を風靡したBPRは、実際には当初からこの7要素を含んでいた。だが当時の日本企業の経営者が、それを(4)システムの話だと狭く捉えてしまったために、正しく機能しなかっただけだ。
本来は名前の通り、「ビジネス・プロセス」つまり(5)が中核だが、それを「リエンジニアリング」しようと思えば組織・システム・人・データも同時に変えていく必要がある。5つの要素をバラバラにしないためには、北極星という明確な経営目標を示す必要がある。デジタル生産性革命の時代に、自社を時代遅れにしないために。経営者としては当たり前のことばかりだ。 -
Posted by ブクログ
世界と比べて生産性の低さが指摘される日本。デジタルの特質とそれを踏まえた活用の仕方について、わかりやすく説明されていて、思わず自分の会社で実践したくなる。
物をたくさん作ればそれぞれのコストがかかるが、デジタルであれば一度作ってしまえば、2つ目以降はほとんどコストかからないというのは、当たり前のようだが、デジタルの強みを言い表しているように思える。
また、一企業に長く勤める雇用形態をとる日本が、例えば社内システムの構築においても、現状維持を最優先に考えるベテラン社員にいい顔をしようとして時に非効率的な選択をしてしまうのに比べて、プロジェクトごとに雇用される海外においては、目の前の限られた予算の中で、効率や生産性を最優先にした判断がなされるという違いに、生産性をめぐる日本の根本的な課題が隠れているように思えた。 -
Posted by ブクログ
なぜデジタルなのか
コマツは、もともとは夜中に建機が盗まれてATM強盗に使われていたものを、「盗まれたらエンジンをかからなくする」センサーを付けて、盗難を防止したのがきっかけ。そこにエンジンの稼働時間、燃料の残量や各センターを付けてコマツに送る仕組みにした。
※最初はクライアントの課題解決だった。
エレクトロニクスに振り切る!という方針の中で、GPSを使って面白いことができないか?を議論していたが、再び本義回帰へ舵を切った。その時にエンジニアが手すきになり、自社開発できた。
建機は頑丈に作られているが故障しやすい。1台の建機が止まると、現場全体を止めてしまうこともある。すると、その日に来ている職人全員の人件費が無駄になるし、工程全体にも遅れが出る。
「故障しない建機」とは、「現場を止めない建機」を指しており、このブランディングが受けた。
また、コストは販売価格の2%。クライアント負担にもできたが、それでは少しずつしか広まらない。メリットを享受した人にしかわからない、と考え、創業以来の大赤字だったのに、無償と決めた。
建機はライフサイクルコストが高い製品。燃料やオペレーター人件費、点検費、交換部品代金など、製品を購入する価格よりも、もっと多くの費用を支払っている。そこで、使い方のデータを元にアドバイスを行なったり、部品交換のスタッフを派遣するサービスを展開。各地域に必要な交換部品の在庫数を適正化することもできた。
営業も、故障した時に出向くのではなく、故障する前に出向くため、クライアントから喜ばれている。リセールも、利用状況とメンテナンス履歴がデータで溜まっているので、高い値段で売れるし、買う側もトータルで考えれば安くつく、とコマツを選びたくなる。
零細企業で、建機を買うお金がない場合も、稼働状況と建機がどこにあるか?が可視化できるため、銀行が融資しやすく、販売側のメリットに。
ダイムラーはカーシェアビジネスを始めた。乗り捨て自由で、GPSによる位置情報がアプリの地図で探せる、デジタル時代のビジネスモデル。
もともとは車のメーカーだが、自家用車は保有期間のうちの3%しか走っていない事実があり、残り97%は駐車場に駐まっている。仮に自家用車の稼働が6%になったら、販売台数と売り上げは半減してしまう。
近い将来、自動運転が実現すると、使っていない間は自動運転タクシーとして稼いでくるような使い方もできる。車を買うのは、とにかく車を所有したい車好きか、買った車両をフル稼働させて稼ぎたい人しかいない。車両の台数ではなく、人を運んだ距離で課金するビジネスモデルであれば、販売台数が減っても売り上げは減らないと考えた。
デジタルの特徴
1.差分コストゼロ
2.無制限
3.時差ゼロ(リアルタイム)
4.記録、分析、予測
5.明細、組み合わせによるパーソナライズ
「10年間壊れません」という保証ではなく、「購入後は責任を持って適切にメンテナンスして、その結果10年でも20年でも使い続けられる」ことが望ましい。
デザイン思考
MRIを怖がる子供に、MRIを海賊船にデザインして、冒険の始まりというストーリーを持たせた。バイエルミュンヘンやホームグラウンドは、混雑解消のために、早くスタジアムに来て楽しめるようにした。アプリにGPSを付けて、混雑予測と対応を可能にした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレトヨタ生産方式は、機械化→自働化→省人化→少人化、の順で進む。最後は人数を減らすこと。
ホワイトカラーの仕事では古いものを無くすことは難しい。添付ファイルのPPAP(パスワードを別メールで送る)など。一度始めると無駄とわかっていても辞められない。
少人化はホワイトカラーの仕事には適用されない。グレー損業務があって、その増減で人の仕事を調整するから。パーキンソンの法則=仕事時間いっぱいまで仕事はかかる。
会議は原則ではなく例外。
仕事はPCを通して行っている職種。
Excelのバケツリレーという無駄。
日本のカイゼン文化が生産性の上昇を不可能にしている。
部分最適の山は全体最適にはならない。
ブルーカラーはモノを扱う。ホワイトカラーは情報を扱う。有用な情報を一つ作る。情報はタイミングが重要。定型業務は少ない。皆、非定型が好き。非定型こそ付加価値という誤解。
生産性は、カイゼン、効率、ムダではなく、利益が増えたか人が減ったか、で計るべき。
新規の仕事を用意できなければ人を減らすしか利益は上がらない。カイゼンした分、余計な仕事をしてしまえば意味が無い。
会議、根回し、資料、調整、上司のプライド、マンネリ、ごっこ、は上が辞めていいといわなければ辞めない。
突き詰めると、終身雇用と年功序列の日本型雇用慣行が原因にある。