君野新汰のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ作者さんが知っている方(Xの相互さんなだけだが)でも商業本はありのままに感想を書くよシリーズ。
16世紀の神聖ローマ帝国(まじで世界史が分かってないので裏表紙を見るまでどこの国か忘れたまま読んでいた)、魔女の存在が信じられている時代に、被告人が魔女ではないとどうやって証明するのか? という斬新な切り口のミステリー。お知り合いだから買ったわけではなく、純粋にとても面白そうなので買った。
現代人の私からすると、「魔女なんかおるわけないやろがい」なのだが、当時は本気で信じられていたのだろうな。
神を信じ魔女を忌み嫌う村人たちのすがたはもちろん、探偵役のローゼンでさえ現代風の科学常識をふりかざすのではなく、魔女が存在する可能性を認めているのが時代の雰囲気があってよかった。
そんな古い時代を描きつつも、科学的に無根拠な情報に惑わされる人をどう説得できるのかとか、デマが拡散されてあらゆる人に敵意を向けられる怖さとか、きわめて現代的な要素を内包している。
個人的にはそういう部分がとても気に入っていただけに、最後のどんでん返しは面白さよりもああ、そっちにいっちゃうんですね……という残念さがやや勝ってしまったのだが、本格ミステリが追求するものとしてはたぶん真っ当なんだろうなと思う。
利己的ではあるけどかといって悪意の塊でもない、煮ても焼いても食えなさそうなエッグハルト氏が一番興味深いキャラだった。