君野新汰のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中世の魔女裁判で無罪にしようとするお話
「このミステリーがすごい!大賞」の「隠し玉」作品
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裁判にかけられた少女を救うため
魔女の不在を証明せよ!
(あらすじ)
16世紀の神聖ローマ帝国。法学の元大学教授のローゼンは旅の道中、ある村で魔女裁判に遭遇する。
水車小屋の管理人を魔術で殺したとして告発されていたのは少女・アン。法学者としてアンを審問し、その無罪を信じたローゼンは、村の領主に申し出て事件の捜査を始めるが――。
魔女の存在が信じられていた社会を舞台に、法学者の青年が論理的に魔女裁判に挑むリーガルミステリー!
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Posted by ブクログ
魔法がある世界での魔女裁判での無実を証明するリーガル×本格ミステリー!
魔術による魔女の犯罪、人による犯罪、これらの証明ってどう理論付けするの??そんな疑問に駆られて手に取った1冊でした。
魔法があり魔女が居る、そして、人々は神への信仰心を持って過ごし、魔法や儀式、魔女裁判で魔女と対峙している世界をローゼンとリリは旅している。そんな設定から物語は始まり旅先の小さな村で魔女だと捕らえられているアンに出会う!
しかも、彼女は魔女では無いと訴えるが誰も信じる者は居ないし、状況証拠も村の雰囲気もアンには不利な状況。
この状況下で繰り広げられる、捜査と推理、、、
物語が進むに連れ白熱していく思考、悪 -
Posted by ブクログ
16世紀の神聖ローマ帝国、法学の元大学教授ローゼンは旅の途中である村に立ち寄る。そこでは今まさにアンという少女が魔女の疑いで拘束されて魔女裁判のための尋問を受けているところだった。
魔女裁判に苦い思い出のあるローゼンはアンを救うため旅の友のリリと共に騒動のきっかけとなった変死事件の捜査をはじめる。
魔女裁判といえば、魔女として告発されてしまうと拷問の末ほぼ確実に処刑されてしまうもの。論理など関係なく、魔女を恐れる人々の感情で裁かれてしまう。
ローゼンが論理的に事件の真相を説明するだけでは魔女の仕業だと信じきっている村人達に魔女裁判を取り下げさせることは難しい。四面楚歌の状況からいかに村人達を -
Posted by ブクログ
ネタバレ著者初読。
君野新汰『魔女裁判の弁護人』は、読後に深い余韻を残す歴史ミステリーの佳作である。
16世紀神聖ローマ帝国という、迷信と宗教的権威が人々を縛る時代を舞台に、理性の光を武器に立ち向かう弁護人の姿は、単なる事件解決の物語を超え、信念と理知の尊さを鮮やかに浮かび上がらせる。
物語の随所に散りばめられた小さな違和感は、読者を不穏に揺さぶりながらも、終盤に至って見事な必然へと収束し、論理の美を堪能させてくれる。
しかも、安堵を誘う一件落着の瞬間からさらに一歩踏み込み、真実の奥底に隠された衝撃を突きつけるどんでん返しは、単なる勝利や救済を拒むこの物語の本質を鋭く示す。
重厚な歴史の闇を -
Posted by ブクログ
冤罪をどう晴らしていくのかという物語。
「ある」ものを証明するのは可能だけど
「ない」ものを証明するのは、ほぼ不可能。
それをどうやって証明していくのか?
物的証拠は無理だから、状況証拠で固めていく
わけですが、苦労に苦労を重ねて
冤罪を晴らしていく展開は、とてもおもしろかったです。
途中でこの人怪しいな、と思いつつ読み進めたのですが
ああやっぱりと思いつつ、無事解決したなと思ったら!
最後の最後に大どんでん返しが待っていました。
これは全く予想し得なかったのでビックリしました。
ミステリーだけでなく、復讐ものが好きな人も
楽しめると思います。
余談ですが、初めて出来た彼氏は既婚者で -
Posted by ブクログ
ネタバレ中世ヨーロッパの独特な…宗教に対して敬虔で盲信的な空気はこんな感じだったのかな〜と思えたし、被疑者を“魔女ではない”と証明するくだりは実にロジカルだった。謎解きパートも最後に大どんでん返しがそう来たか…!って感じで面白い。
けど、主人公の(元)大学教授、最後に青年を一人冤罪にしてるんだけど…青年はどうなったの?!大丈夫?!てかイヤミスなんこれ?!あんまり“元・大学教授”って設定が生かされてないように感じた。結局推理も間違っていたわけだし…。てかこの裁判事件がこの教授の最初の事件簿というわけではないとこが怖い。今までこの青年と同じように冤罪になった人もいるかも知れないし、助けられなかった魔女容疑 -
Posted by ブクログ
ネタバレ16世紀、悪名高い魔女裁判でたくさんの人が殺されて・・という時代に魔女疑惑をかけられた少女を助けるため元大学教授のローゼンは事件の捜査をはじめる。
後世の人間として魔女裁判がどういうものかわかってるので、それに立ち向かう無謀さというか絶望感がすごい。疑われたら即終了のあの魔女裁判。作中でもみんなで「あいつが魔女だから」の中、理論で立ち向かう。一応の解決を見ましたが「でもやっぱ魔女だろ」と誰かが言い出したら終わりそうな理不尽さもある。なんなら話を聞いてくれてるだけでなんかちょっと違和感があるくらい。
で、まあ最後にどんでん返し的なものがあるわけですが。。。あんまり好きじゃないかな。(不自然さ