パク・ソルメのレビュー一覧

  • 未来散歩練習

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    この人の書くものに流れる空気感が好きだ。

    その心地に身を任せて読んでいるうちに、韓国の抱える決して古くない歴史を知り、日本の今の生きづらさにも通じるように感じ、このお隣の国のことをもっと知りたいと思い

    この作品はまた再読したいし、他の韓国文学も色々読みたくなった。

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    2025年06月08日
  • 影犬は時間の約束を破らない

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    ネタバレ

    美しくて飛躍してて詩みたいな文章から成る小説。
    女性を「彼」と表記するのが正直最初は誤字かと思って、次に作者の個性かと思って、でも解説を読むと韓国語においては元々性差表現が少なく、評論や報道記事では女性を「彼」と書くのは不自然なことではなく、そして文芸作品でも女性に「彼」を使う作家が増えているということで、性差表現に慣れきっている自分の感覚が照射されるようだった。

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    2025年04月19日
  • 未来散歩練習

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    コーヒーを飲み、歩き、ご飯を食べ、ドーナツを食べ、というような生活のリズムと、人々の間の友情の距離感がとても心地いい。望む未来をたぐり寄せるための練習として今を繰り返し生きていくこと、の意味するところは分かるようでいてはっきりとは分からないけれど、過去と現在と未来を何気ないリズムの中に繋ぎとめる作者の言語化のセンスにはびっくり。

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    2025年07月04日
  • 影犬は時間の約束を破らない

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    冬眠小説は素晴らしい。私が他にぱっと思いつくのは「ラピスラズリ」と「ムーミン谷の冬」ぐらいだけど。
    平易な一人称の文体がするっと身に馴染むようでいて、しかし私の頭からでは絶対に出てこないだろう言葉が出てくるたび、そのずれが世界に立体感や余白を生み出していく。例えば「言葉は怖くて、言葉は楽しい。脳は素晴らしく、私は脳がほんとに好きだ。」とか、他にも色々。解説で「誤差を含めて泡立てたようなふっくらした質感」と表現されているのがしっくりくる。ただ文章を読んでいるだけで心地よく、じんわりと回復していくような作品。

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    2025年06月04日
  • 影犬は時間の約束を破らない

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    冬眠する人とそれを見守るガイドの話
    冬眠する人を見守りながら自分の人生や生活と向き合いつつ、淡々と毎日を過ごすガイドたちの時間がとてもひっそりと静かで心地良い。不思議とこれを読むと良く眠れる気がする。眠ることと散歩することを意識的にして物事を深く考えたり考えなかったりする時間を取りたくなったし、たまに読み返したくなるだろうなという本。寒い国出身の人が生み出す文章は淡々と静かでどこか切なくて好きだなと思う

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    2025年05月26日
  • 未来散歩練習

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    「来てほしい未来を思い描き、手を触れるためには、どんな時間を反復すべきなのか。」
    ふわふわとしていて不思議で、読んでいるとコーヒーを飲みたくなるし、美味しいものを食べたくなるし、散歩に行きたくなる。散歩をしながら、過去とつながっている今、今とつながっている未来、私はどんな未来を練習しているのかと考えたくなる。現状に満足できていなくても未来には希望を持つことができるようになりそうな気がした。

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    2025年04月13日
  • 未来散歩練習

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    終始不思議な本だったけど、この本にしかない不思議な時間が心地よくて、時々何を言っているのかわからない(わかるけど、意味するところがわからない)こともあったけど、それすらもフワフワと心地よかった。読んでいる時間に自分の心をそのままにしておけるような丁寧さがあって、自分も自分の心に無理せず素直にいられるような気がした。
    手繰り寄せたい未来のためにどんな今を反復すべきかという問いの意味は私にはまだしっくりと分からなくて、未来なんて来なければわからないし、きっとここでいう未来は、想像した先の未来のことも含んでのことだと思うんだけど、それがどうも自分にはカラダで理解できてる感覚じゃなかった。
    もしかして

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    2024年11月11日
  • 未来散歩練習

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     神戸の古本屋さんを探して『散歩』している時、レトロな建物の2階に入っているお店で偶然目に留まり、手に取った。
     パク・ソルメさんの著作を読むのは初めて、事件のことも初めて知った。この本に出会えて良かった。私の『散歩』はこれからも続けていきたい。

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    2024年09月29日
  • 影犬は時間の約束を破らない

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    淡々と話が進んでいく物語。冬眠する人と観察し世話をする仕事をする人との出会いや繋がり、日常をふんわりとした雰囲気でしかも生活感を感じさせないので疲労している時や心穏やかになりたい時に何も考えずに読むことで浄化できる気がする。
    冬眠を見守る仕事はある程度の期間1人の人と接触し、しかもほとんど話す事もない、そして孤独感もないと思うのであったらやってみたいなぁ。

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    2025年06月03日
  • 未来散歩練習

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    内容を咀嚼するには、今の自分には読み込みが必要な本だった。歳を重ねてから読むと今よりもっと自分の中に溶け込んでいく気がする。映画などでその当時の出来事については触れているが、注釈があってより分かりやすい。 「私たちがみたいものを 未来をそれが記憶になるほどまでに生きるなら ある日それが見えるなら それはもう同じことの反復ではなく、新しい未来となって私たちの前に広がるだろう」

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    2023年09月13日