白石正明のレビュー一覧
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どうしてわたし、白石正明さん及び「ケアをひらく」シリーズを知ってるんだったっけと思い起こしてみると、横道誠さんの『みんな水の中』を読んだからだった。その本もこのシリーズの一冊で、巻末にシリーズの紹介があり、それが記憶に残っていた。
だから本書についても、だいたいの方向性の見当はついているつもりで読み始めたが、期待以上に好きだった。「ケアをひらく」シリーズ、積極的に読んでいきたい。
ケアって何?と聞かれて、まだぴしっと説明できないけれど、この本を読むとなんとなくわかってくる。白石さんは長年の経験から「編集はケアだな」と気づいたわけだが、もし別の仕事を、ある程度の適性をもってされていたら、そ -
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のっけからいいことばかり書いてある。
ケアと医療の大きな差異、ケアと編集の大きな共通点に気づかされる。
P4 「未来の目標のために現在を手段にする」という姿勢そのものから、ケアはかけ離れているからだ。むしろケアは「現在志向」だと思う。今を少しでも楽にする。痛いことはしない。この場にある不快をとにかく除去する。そこにいられる「現在」を作る。【中略】ケアに対して「刹那的」という表現を中てるのは正確だと思う。
P8 生きているということはそんな過酷さと恍惚の間をさまようことにほかならない
P12 福祉の世界では医療が捨て去ったノイズこそが正面から取り上げるべき対象になる【中略】医療は本人の願望 -
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素晴らしい本だったなぁ。
自分のなかでもわっとは感じていたけど、うまく言葉になっていないものを、たくさんの印象的な事例をもとに、言語化してくれている。
「あぁ、本当にそうだよなぁ」と何度も感じた。
特に「受けの豊かさに向けて」。
世の中では「主体的・能動的であること」が褒められて「受動的であること」はおしりが叩かれそうなイメージがあるけど、ずっとそうじゃない感覚があった。
むしろ「受動的であること」たとえば、物事を観察したり、発見したり、受け取ったり、自分のなかで咀嚼したり。そういったことの先に、応答する何かが生まれるのであって。
「能動的であること」ばかりが叫ばれると、中身のスカ -
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・「今、ここ」で困っている人を助けられる人は、太陽や空気や地面と同じように、この世界をどうにか存続させている基底的な条件である。
こうした人達が世界のバグを終始補修して、手入れをしている。ケアはこうして「今、ここ」を成立させている。
・そうやって整えられた舞台の上で、自己啓発とかリスク管理とかコスパとか一攫千金とか革命の夢とかが、スポットライトを浴びながら歌ったり踊ったりしている。
・可能性といった時点で、今よりよい将来像のほうに軸足がある。
よい将来像から現在の姿を見返して、その不足分を可能性と言い換えているにすぎない。
・依存症の人は依存先が少ない。
・会話を手段ではなく目的として -
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とにかく、そうだ私はこんなことがしたかったんだ、私が目指すのはここなんだ、と思えることのオンパレードで、自分でもなんでこんなところで泣けてくるのかわからないような(そしてそれは実際、後で読み返してみても、その部分の何が私に涙をもたらしたのかが全くわからないような)箇所で、心震わせられる体験が続く。
支援の場でよく言われる「ありのままでいい」という言葉が、その「ありのまま」すらさらに超越して、ありとあらゆるその人に関する全てを許すというケア。それを実践しているべてるの家。
そうだった、そうなんだ、これなんだという思いが止まらない。
「治療」という名目で改変するのが医療、それ自体には手をつけずに -
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「ケアをひらく」シリーズを世に送り出した編集者白石さんの編集の先生はべてるの家の向谷地さんなのだそうだ。
あのシリーズがどうしてああいう本たちなのか(漠然としているが)、なんとなく分かってくる本。
「ケア」とはー
「何がむずかしいのか。一つは今の世の中の基本的な価値観と逆のことをやっているからだ。自分の身は自分で守るという「自立/自律志向」とか、最小のインプットで最大のアウトカムを得ようとする「効率志向」にまずは反している。それだけではない。この“志向”という言葉が前提としていること、つまり「未来の目標のために現在を手段にする」という姿勢そのものから、ケアはかけ離れているからだ。
むしろ -
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著者は医学書院「ケアをひらく」シリーズの編集者。
様々な専門家や当事者の方と対話を重ねて制作した本の内容や過程の紹介とともに、ケアとは何かについて様々な角度で私見を述べている。
繰り返し伝えられているのは、ケアを「医療モデル」で見ることに対する疑問と「社会モデル」で見ることへの提案だ。
症状や問題を引き起こしている、個人の中の原因を見つけ、それがなくなることを目指して治療をする…。
それって、こちら側から見たらこんな風にも見えませんか?と、違う方向からそっと光で照らしてくれるような、そんな優しさが文章から滲み出ていた。
個人に原因を求めすぎなのではないか、もっと場所や制度等の環境に目を向けて -
Posted by ブクログ
「〈個人〉からそれを包む〈社会〉へ。〈図〉からそれを包む〈地〉へ。〈分子〉からそれを包む〈分母〉へ。時間を止めて振り返ることから、時間を進めることへ──」
医学書院の人気シリーズ、〈ケアをひらく〉シリーズの創刊者、白石正明氏の著書。
〈ケアをひらく〉シリーズには、ALSを患った母への一二年間に渡る介護を綴った、川口有美子氏の著書『逝かない身体』や、生まれながらに脳性麻痺を患っている小児科医・熊谷晋一郎氏の著書『リハビリの夜』などの有名な著書があり、僕自身も知っている著書が数多くあります。
本著ではそんな〈ケアをひらく〉シリーズの創刊者である白石氏が、『編集』という作業を通じて沢山の