久山宏一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
レム・コレクション第2期も順調に出版されて喜ばしい限りです。
今回はレムの作品の中でも最も謎めいたものが2篇。レムの作品は危険だ。捜査はタイトル通りミステリーを感じさせるし実際ロンドン警察庁の刑事が主人公で動く死体という不可解な謎に挑むというものです。しかしなんのヒントも得られないうえに解決不可能性がほのめかされるしSF的な方向に向かうかと思えば不気味な描写もあってホラーの雰囲気。読者が思い込んでしまうカテゴリーをことごとく外していってあれ?あれ?あれ?これはどういうこと?と頭がぐるぐると回っていきます。浴槽で発見された手記にしても同様に前書きと称する部分だけガチガチのSFで架空の手記自体は全く違う。ホロコーストありソ連時代の共産主義体制批判ありで、これは完全に検閲逃れのためにSFに包んだものだろう。翻訳の巧みさにより文章自体は頭にスイスイ入ってくるのですが、理解使用とすると途端に頭がぐるぐるする。まるでウィルスを送り込まれたコンピューターのようにロジックはアクセスしてはいけない記憶域にアドレスされたり、思考がループして暴走してしまう感じか。カテゴリーも破壊し自分の思い込みや思考パターンも破壊される刺激はエンタメ作品とは別物。危険だ。レムは危険だ。すげー。