千早耿一郎のレビュー一覧
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ネタバレ最近書かれた本だと思って手に取りました。
ただ読んでみると、非常に重厚な内容で体系だった内容であり、読み応えがありました。
・・・あまり他人のレビューを悪く書きたくないのですが、
「体系だった内容が書かれてない」とか「どうやれば文がうまく書けるのか書かれてない」とか言ってる人はこの本読んでいないのでは・・・?と疑っています。
読んでいないなら仕方ないのですが、読んだうえで書いているのであれば、ショーペンハウアーが「多読は禁物」といった意味がよくわかりました。
いくら悪書をたくさん読んでも仕方ないですね。良書を選んで何度も読むほうが良いのだなとわかりました。ありがとうございます -
Posted by ブクログ
「分かりやすい文章が上手く書けない!」とお悩みの方に強くオススメしたい!そのくらいとても機能的で実用的な一冊。
私のように行政に携わる者にとって、簡潔で分かりやすい文章の作成力は必須のスキルと言えましょう。
では、分かりやすい文章の書き方とは?それは、その文章が一つの意味でしか解釈できないように書くことです。
名文を書こうとするのではなく、悪文を書かないようにしよう、と言うのが本書の大きなテーマ。
本書の解説に「名文は芸術、悪文は技術」とあるように、悪文は技術で直せるものなのです。
著者は、文章論に工学の原理を応用しながら、悪文を中心とした例文(著名な作家の文章も!)に対する修正例を示し、テク -
Posted by ブクログ
「悪文を語る本に外れなし」と言われて久しいが、本書は特に「文の組み立て方」にフォーカスした一冊である。
著者の主張は、全て「一義的に解釈できる頑強な文を書く」という目的に収束している。日本語の性質を熟知する著者は、文章を枝状に分解し、各語の関係性を視覚化して機能的な文章か分析する。
一般的に、長文は悪文であると解されている。しかし、短文は必ずしも良文ではない。悪文としないためには、機能的な文章である必要がある。機能的な文章とは、明晰に分かる文章である。著者は、工学の理論を用いて悪文を機能的な文章とするアプローチを図っている。
機能的な文章には、①意味が取れる②曖昧でない③誤解されない④ -
Posted by ブクログ
良い文章を書くために、
悪い文章を教えてくれる本。
良い文章は時代や読み手に依って変わる、
しかし悪い文章は明白である。
悪い文章であることを説明するために著者は
文章を区切って、主語述語の関係を矢印で引いて、文章の構造を可視化する。
可視化した文章に対して構造の欠陥を指摘する。(主語と述語が遠いとか。主語が変わってるとか。)
悪い文章の見本は
公式の出版物や名著と呼ばれるものを引用している。
これらは世間では有り難がられている文章だが、実際は駄文だぞ。と
昔の本過ぎで悪い見本が古く読みづらかった。
しかし、参考になる部分も多かった。
終盤には良い文章になる条件にも少し触れられて -
Posted by ブクログ
「悪文」について実例を挙げ、どの点において拙いかを構造的に明らかにする。
この文なんか読み辛いんだよね、スッと頭に入ってこないんだよね、と感じる経験はよくあるけど、たいていは読み飛ばしたり何となく分かった気になったりして、素通りすることが多い。この本では、腰を据えて文章一つ一つに取り組んで、どこがまずいかをひたすら検証する。これを読んで上手い文章が書けるわけでないけど、まずは最低限「避けるべきポイント」を掴めるので有用かと思う。
主述、修飾、並列、接続の関係などの文の構造は、お堅い文法用語じゃなくて簡単な四角や矢印で表されるので視覚的にも分かりやすかった。
例文として取り上げられる「悪文」がな -
Posted by ブクログ
巻末の解説文で「本書は『文の組み立て方』についてしか書いていない」とある。そのため、本書の論旨は明快である。間違いようもない。
タイトルの通り、本書は悪文について書かれたもの、悪文を避けるための文章読本であり、これを読めば名文が書けるようになるわけではない。さまざまな文章が例題として挙げられる。著名な作家もいる。
著者は文芸活動も行なっていたらしいが、あまり知られているとはいえないだろう。国語学者というわけでもない。だからというわけでもないが、小難しさはない。そのかわり、驚くようなことも書いていない。書いていることは、ふつうのことといえば、ふつうのことでしかない。
文章を書くうえで、参考