長迫智子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
普段あまり触れることがない話題だったためかなり難解で読みにくかったが、ここで解説されている陰謀論、認知戦、他国の干渉による国民の行動の操作など、決して誇張ではない現実の脅威を深く認識させられた。
『情報戦や認知戦は、平時から始まっている。
そして、我々一人ひとりが攻撃対象となる認知
戦においては、インターネットに接続し得るす
べての人間がその戦場に立っている (p.220)』
このような自覚の元で、情報ソースやファクトチェック情報を確かめるリテラシーを養い、不明確な情報を拡散しない、誤って拡散してしまったら速やかに削除訂正をするというのは、各人に課せられた責務だと思う。 -
Posted by ブクログ
「陰謀論」、「陰謀論者」とうい言葉がいつの間にか一般的にも広く浸透しており、しかしながら陰謀論についてどう捉えるべきか迷っていたところで手に取った一冊。
【本書から感じた特徴】
・サイバーセキュリティやインテリジェンスに関する国内では高度な有識者3名の共著であり、それなりに確からしいと言える解説書となっている
・陰謀論についての各種定義を紐解き、陰謀論の矮小化を避けている(陰謀論を単なるオカルティズムや奇妙なものという捉え方をしない)
・対策の方法論として事実の発信強化、ファクトチェック、公共の教育などを挙げているが、これに加えて、陰謀論が拡散する土壌を抑えること(社会的不安、経済的不安など -
Posted by ブクログ
レビューを書く前にもう一度読書の内容を考える時間が自分には大切で。しかし、この“まとめ“の時間が主観的な解釈を許し勝手なストーリーを作り出す。水が流れやすい方向に引き寄せられるように、社会は複雑な真実よりも、より印象的で単純化された物語に吸い寄せられる。
因果関係の解明こそ科学だとすれば、生け贄を焼き続けていたら雨が降ったという事象を安易に結びつけるのが信仰だ。カーゴカルトなんかもそうだ。テロリズムや地震、外国人の日本流入さえも、何かに結びつけて解釈する。その背後に巨悪がある、と考えたくなるのは本能的なものでもあるのだろう。
この“巨“というのがミソで、自分の力が及ばない悲観的な何か。巨大