松下龍之介のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
あまりミステリー小説は読まないので、最後まで読めるか不安でしたが、「このミス」大賞ということと、大好きなお花に釣られてこの本を手に取りました。
気付けばページを捲る手が止まらず、すごくすごくドキドキしながら本を読み終えました。現実味がないようで、でもどこかリアルで、自分の身にも起きてしまうんじゃないかと思ってしまうような文調でしたので、寝る前に読むことはできませんでした。
人情を感じる部分ももちろんありますが、それよりミステリー小説としての可能性というか、ドキドキ感をこの本からいただきました。
普段ミステリーを読まない私でも楽しく読めましたが、いい意味でトラウマになる一冊でした。 -
ネタバレ 購入済み
200年前の骨と失踪した妹のDNAが一致した、とあらすじが興味を引き購入。そのまま最後まで面白く読めました。視点や年代の切り替えもあるが混乱することなくスルスルと読めます。最後だけご都合主義な感はありましたが、ハッピーエンドが好きなので許容範囲内で楽しめました。
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Posted by ブクログ
ネタバレかなりおすすめされていたので、購読。
先が気になって一気に読みました。
紫陽花の話と、仙波先生の研究成果の話から、なんとなくの予想が付いてしまって、そこから話がひっくり返らなかったのが残念でした。
あまりにも匂わせ発言が多すぎて。
むしろ牛尾の作られ方の方が気になって仕方なかったです。
最後の終わり方も、こんな都合よく身体が良くなるのか、動いてなかった状態でものを投げるという行為ができるのか、ちょっと現実味がなかったけど、悠と唯のまとまり方は、良かったと思う。
最初真理は、挿し木で作られた人間の失敗作なのかと勝手に予想してたので、唯の存在と結びつかなくて驚きました。
ずっと飲んでた薬に -
Posted by ブクログ
ネタバレ「挿し木」というタイトルで紫陽花という花で伏線を張っていたとは。無知を利用されたトリックだった。樹木の会という謎で闇が深そうな団体を物語に入れることで成り立つ不自然さに寄る自然さ。中盤にもだれないように視点が変わる見せ方や京介の不気味さ、仙波の危うさによる謎を深めるタイミングは新人とは思えない松下さんの技巧が詰まっている。ただ、唯の登場で少し予想が当たってしまった点から想像できるトリックな気がして残念だった。「ちゃぽん」という牛尾の恐怖を深める擬音からよりリアルに感じた。「優れた才能を持った人ほど、過去の栄光をひた隠しにするものだよ。」という京介の言葉は、自分の戒めにもなってグッときたセリフだ