F・バレーラのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
私たちが日常当たり前のように、空を見て空だと認識し、地を歩いて歩いていると認識している。これは誰から見てもそうなのか?絶対的な意味で本当だろうか?
こういうと、相対主義の話かと思うかも知れない。
本書の位置づけは、相対主義でも実存主義でもなく、その狭間の理解困難な道をとる。生物の誕生から原核生物、単細胞、多細胞、神経の発生を、環境とセンサーの相互作用として記述するオートポイエーシス理論を展開。そこから更に生物個体間の相互作用、言語、社会と拡大し、最終的には私たちの認識する世界は何か?の答えに行き着く。
フラクタルな論旨の展開で細胞から社会意識まで一気に駆け昇る旅を終えるとき、身体の細胞一 -
Posted by ブクログ
ネタバレ-2009.02.24
システムが自分自身の組織を形成し変化させていく閉じた環のなかにとどまり、その徤環をよき環として捉え直そうというオートポイエーシス論の提唱者たる二人の原理的入門の書。
<いかにして知るのか>を知る
ぼくらの経験が、いかにぼくらの<構造>にしっかりと結びついているか-
ぼくらは世界の「空間」-客観的・外在的な-を見るわけじやない。ぼくら自身の個別の視野を、生きているのだ。
反省的思考-Reflection-[=反映]とは、ぼくらが<いかにして知るのか>を知るプロセスのことだ。
それは自分自身に向かって帰還してゆく行為だともいえる。それは自分の盲目性を見い -
Posted by ブクログ
フランシスコ・ヴァレラの「身体化された心」に分からないながら、大きな刺激をうけ、きっとこちらのほうが入門的な著作に違いないと思い、読んでみる。
書きぶりとか事例が多い所とかは一見分かりやすそうだけど、やっぱりいまいち既に分かっている以上のことは、分かるわけではない。翻訳も一見わかりやすそうだけど、実のところ、それほど親切なわけではない。
浅田彰が前書きを書いていることに象徴されるが、これってすごくニューアカ的な文脈で、分かろうが分かるまいが、それらしい知的な感じがすれば良い、という感じの本になっている気がした。
その辺が、原書自体のムードなのか、翻訳のムードなのかは不明。
書い -
Posted by ブクログ
1200円以上の価値。文庫でこの値段は恐ろしいかと思いますが、価格以上の値段だと思います。
本書は、『なめらかな社会とその敵』著者による推薦書で、オートポイエーシスの理解を深めることができるそうです。できるそう、というのは生物学の専門書のため非常に難解で、発散と収束を細かく繰り返して読まないと、ハテ?となってしまいます。ぼんやり分かったようで分からない、多分何回も読まされることになるかと思いますが、根気良く読みたいなあと思います。
広く様々な分野に応用できるよう記述されているので、どの分野の方にもオススメですね。特に理工系やマネジメント層に読まれると良いのではと思います。
挿絵が多く、また綺麗 -
Posted by ブクログ
西垣通の「基礎情報学」の中心的な概念だったオートポイエーシス理論がよくわからなかったので、それならと読んでみた。
で、読んだ結果は、わかったようなわからないような。自律的な個体として自ら環境との境界を作り出していく…というようなイメージだろうか。そうした個体がそれぞれ相互作用で大きなレベルの運動が生まれる…と。読んでいるあいだ、オブジェクト指向とかリゾームとか電子ブロックとかが頭に浮かんだのだけどこのイメージであってるんでしょうか。
理解はあまりできていないけど、それでもすごく刺激的な内容だった.認識について考えますよーとはじめに宣言したかと思えば、細胞の発生や振る舞いの話をしだす。それが