相澤康則のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白すぎて一気に通読。
現実は小説よりも奇なりというバイロンの言葉のごとく、SF小説を超えるリアルの面白さ。
これが現在にリアルに起こっていることなのか考えると、ほとばしる高揚感と未来への想像。
遺伝学世界のトップであるハーバード大のジョージ・チャーチを中心として、マンモス再生への軌跡。
現在の遺伝子工学は数十年前では考えられなかった境地にすでに今の時点で達しており、さらに加速度的にあらゆるテクノロジーの進歩が今まさに起こり続けている。
ヒトゲノム計画、マラリア撲滅運動、遺伝子移植による老化の逆行。
デザイナーズベイビーから、不死の可能性までをも匂わせる。
すでに、マンモスはハイブ -
Posted by ブクログ
ノンフィクションでありながら、近未来の描写をちょっと入れたり、ほんのり小説テイスト。
全編通読後、結構重要なブリッジが端折られているんじゃ…といった感想を持ったりもしたが、遺伝子工学の大まかな現状とこれまでの過程がある程度分かり、また、永久凍土が失われてゆくメカニズムとそれがもたらすCO2排出の恐ろしさがヒシヒシと感じられ、スリリングでもあった。
意図して種を滅亡させることも可能だという、遺伝子ドライブなる技術も然り…。
科学者は"科学でできること"を際限なく突き詰めるのが本能であるし、その衝動及び恩恵と倫理がどこで折り合いをつけるのか、これはバイオテクノロジーを論じる時に -
Posted by ブクログ
マンモス再生計画に携わる研究者たちを追うノンフィクションである。
類書に比較して読みやすい1冊である。研究者の人となりにもフォーカスし、彼ら彼女らがどのような経緯でその研究に携わることになったのか、人間ドラマとして読むこともできる。
軸となるのはハーバード大学のジョージ・チャーチと彼が率いる研究室である。チャーチはヒトゲノム計画や次世代シーケンサー(遺伝子配列解析装置)の開発に携わってきた遺伝学界の「巨人」である。
チャーチのグループは、永久凍土に残るマンモスから、クローンをつくることを目指しているわけではない。マンモスの特徴を持ったゾウを作り、マンモスを復興(リバイバル)させることを目指し