足立倫行のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
前半は邪馬台国所在地論争がテーマ。考古学的成果を基にしている姿勢には信頼感が持てるし、最新の情報をわかりやすくまとめていることもありがたい。
倭国大乱の前後で、中国鏡の分布域が北部九州中心から畿内中心に変わったこと、弥生後期には気候が寒冷化し、農具や工具としての鉄の重要性が増したため、朝鮮半島との交易のパイプを太くするために、より強力な権力者が生まれたこと、鉄資源の争奪が起きたことが弥生時代を終わらせ、古墳時代を到来させたこと、などは歴史の動きが伝わってくる内容だった。
後半は日本書紀がテーマ。大山誠一氏の仮説を紹介しているような内容になっている。文章の分析から巻が3区分されること、実在の -
Posted by ブクログ
手軽に古代史ロマンに浸りたくて読んでみた。
研究者へのインタビューを中心としたルポがメイン。筆者自身は歴史や考古学については門外漢ということで、独自の見解といったものはあまり述べられていない。そのため、内容が薄いという批判もあるようだが、事前知識のほとんどない僕にとってはこの薄さはちょうどよかった。
おなじみの邪馬台国はどこにあったのかという議論や、纒向遺跡と卑弥呼の墓と目される箸墓古墳の話、群馬が古代東日本の中心だった説など、魅惑的な薀蓄をいくつも仕入れられる。
本の後半は、聖徳太子は実在しなかった説や、大化改新の新解釈、そして伊勢神宮の起源についての考察など、これって異端の説なんじゃ